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在宅介護と仕事は両立できるのか。活用できる支援制度や在宅介護サービスを紹介

LIMO / 2022年8月2日 14時50分

在宅介護と仕事は両立できるのか。活用できる支援制度や在宅介護サービスを紹介

在宅介護と仕事は両立できるのか。活用できる支援制度や在宅介護サービスを紹介

在宅介護のリスクも確認を

高齢の親がいる方は、そう遠くない時期に介護生活がスタートするかもしれません。

とはいえ、働きながら親の介護をしていくことになったら、在宅介護と仕事を両立していけるのか不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

在宅介護と仕事を両立していくことは決して簡単なことではありませんが、職場や家族の助け、介護のための支援制度と介護サービスを有効に活用していくと無理なく続けられます。

ただし、在宅介護はいつまで続くかわからないため、介護をする人が身体の疲れを感じたり、気持ちの余裕がなくなった時にはしっかり休むことも必要です。

今回は、在宅介護と仕事の両方をしていきたい方に向けて、介護のための支援制度や介護サービスについて解説していきます。

在宅介護と仕事は両立できない?主なリスクは3つ

在宅介護と仕事の両方を同時に行う場合、次のようなリスクがあります。

在宅介護と仕事の両立のリスク1. 睡眠不足

介護者が睡眠不足に陥りやすくなります。

たとえば、夜中のトイレ介助やおむつ交換に起こされることが毎日続くと介護者は十分な睡眠が取れないまま、仕事に行くことになってしまいます。

在宅介護と仕事の両立のリスク2. 介護うつ

精神的なストレスが蓄積し、介護うつになる人がいます。

協力者がいないため一人で介護を抱え込んでしまったり、介護のために自分の時間がなくなり気持ちの余裕がなくなると、ストレスが蓄積して介護うつになってしまうかもしれません。

在宅介護と仕事の両立のリスク3. 親子関係の悪化

特に子どもが親を介護する場合には、お互いの関係性が悪くなることがあります。近い間柄だけに、お互いに遠慮なく本音やわがままを言ってしまうからです。

さらに、子が親の認知症の症状を受け止められず、怒りやストレスをぶつけてしまい関係が悪化することもあります。

在宅介護を続けるとストレスや睡眠不足が慢性化し、体力的・精神的に疲れて果てるため限界を感じてくるでしょう。

介護者が介護うつになったり、体を壊したりしてしまう前に、介護のための支援制度や介護保険のサービスを使って在宅介護と仕事を両立させる体制を整えましょう。

次に活用できる支援制度と、在宅介護サービスの種類をご紹介します。

在宅介護と仕事を両立する方法1. 「介護休業制度」を活用する

「介護休業制度」は、働く人が要介護状態にある家族を介護するために取得できる支援制度です。

ここでいう「家族」とは、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫と定められています。

出典:厚生労働省「介護休業について」

休業できる日数は対象家族1人につき93日。その日数を、最大で3回に分割して取得可能です。

ちなみに、介護休業を取得できるのは、正社員だけでなく、アルバイトやパート、派遣社員、契約社員等の有期契約の労働者も含まれます。

ただし、有期契約の労働者は、雇用されている期間や、労働契約が終了する時期によって対象とならない場合があります。

在宅介護と仕事を両立する方法2. 「介護休業給付金」を申請する

介護休業中の経済的支援として、一定の要件を満たす方は雇用保険から「介護休業給付金」を受け取ることができます。

申請は、介護休業を終えた後に勤務先を経由してハローワークに申請します。

給付金の対象者は、雇用保険に加入している介護休業の取得者で、介護休業前の2年間のうち12カ月以上、月11日以上勤務していることが条件となります。

また、給付金の支給額は原則として「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」と定められています。

在宅介護と仕事を両立する方法3. 在宅サービスを利用する

次にご紹介する3つの在宅サービスは、在宅介護と仕事を両立している人が多く利用しているサービスです。詳しく見ていきましょう。

在宅サービス1. 訪問介護(ホームヘルプ)

訪問介護は家にヘルパーが訪問して、日常生活の支援を行う「訪問系サービス」です。

具体的には、生活援助(掃除や調理、買い物など)、身体介護(入浴、排泄、食事介助など)などの介護サービスを受けることができます。

訪問介護の特徴は、必要なサービスを必要な分だけ部分的に利用できることです。さらに、1日のうちに数回利用することも可能です。ヘルパーの訪問によって介護者不在時の安否確認ができるというメリットもあります。

訪問介護の利用料金の目安は次の通りです。

出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 訪問介護(ホームヘルプ)」

※要介護1〜5の方:1回につき(1割負担の場合)

身体介護中心

20分未満:165円

20分以上30分未満: 248 円

30分以上2時間未満:394円

生活援助中心

20分以上45分未満: 181円

45分以上:223円

在宅サービス2. 通所介護(デイケア・デイサービス)

デイサービス・デイケアは利用者が福祉施設や医療施設に日帰りで通う「通所系サービス」です。

送迎車で施設へ通い、健康状態の確認、入浴、食事、機能向上のための機能訓練やレクリエーションなどのサービスを日帰りで受けられます。

高齢者を家で1人にさせることに不安があるという場合に、日中を安全に過ごせる場所として利用できます。

通所介護の利用料金の目安は次の通りです。

出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 通所介護(デイサービス)」

デイサービス (1回につき)※1割負担の場合
通常規模の事業所の場合(7時間以上8時間未満の利用時間)

要介護1:645円

要介護2:761円

要介護3:883円

要介護4:1003円

要介護5:1124円

出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 通所リハビリテーション(デイケア)」

デイケア(1回につき)※1割負担の場合
通常規模の事業所の場合(6時間以上7時間未満の利用時間)

要介護1:667円

要介護2:797円

要介護3:924円

要介護4:1076円

要介護5:1225円

在宅サービス3. 短期入所(ショートステイ)

ショートステイとは、特別養護老人ホームなどの介護施設に1日単位で入居できる介護サービスです。

24時間体制で食事や排泄、入浴などの介護のほかに、機能訓練などのサービスを受けて生活を送ります。

介護者にとっては、一時的な休息目的で利用できるほかに、出張で数日間家を空けるという場合にも利用できます。

また、将来的に在宅介護から切り変えて施設入居を考える際に、実際に入居して施設の雰囲気や生活を体感できる良い機会になります。

出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所生活介護(ショートステイ)」

短期入所(ショートステイ)の利用料金の目安は次の通りです。※1割負担の場合

併設型・多床室の場合(1日につき)

要介護1:584円

要介護2:652円

要介護3:722円

要介護4:790円

要介護5:856円

まとめにかえて

在宅介護と仕事を両立するために活用できる支援制度と介護サービスをご紹介しました。

はじめのうちは支援制度や訪問介護などの在宅サービスを利用しながら仕事と在宅介護を続けられていても、病気や怪我をきっかけに介護負担が増えることもあります。

そうなった時にスムーズな流れで介護施設が利用できるように、早めに介護施設を探して入居の準備を整えておくことも必要です。

参考資料

厚生労働省「介護休業について」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/closed/index.html)

ハローワーク「介護休業給付について」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_continue.html)

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索(介護サービス情報公表システム)」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/)

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