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夏のエアコンは冷房or除湿?設定は自動がいい?今すぐできる「効率的なエアコンの節電術」を徹底解説

LIMO / 2022年8月3日 11時50分

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夏のエアコンは冷房or除湿?設定は自動がいい?今すぐできる「効率的なエアコンの節電術」を徹底解説

【ダイキンに聞いた】エアコンの温度を下げる前にしたい工夫とは

もうすぐ8月。今年も猛暑ですが、これまでとは違い食料品や電気代などの値上げが続き、いつもよりエアコンの電気代に悩まれる方が多いでしょう。

毎日使用するエアコンですが、効率的な節約方法は意外とわからないもの。

「冷房と除湿、どっちがいい?」
「自分で設定するのと自動ではどちらの方が電気代が安くなる?」
「設定温度を下げる前にできる工夫はある?」
「つけっぱなしは何時間までOK?」
など、疑問は多いですよね。

今回は効率的なエアコンの節約術について、ダイキン工業の広報グループの高木旭さんにお伺いしました。

エアコンの使い方から設定、エアコン以外の節電のコツまで徹底的に見ていきましょう。

エアコンの使用「冷房」と「除湿」はどっちがいい?

――エアコンを使用するとき、冷房と除湿どちらを使えばいいのか悩みますよね。特に梅雨時や蒸し暑い日はどちらを使うか悩みますが、どう使い分ければ良いのでしょうか。

ダイキン工業・高木さん:両者とも同じように部屋が涼しくなりますが、冷房は部屋の「温度」を、除湿は部屋の「湿度」を下げることを一番に考えた機能です。

たとえば真夏に温度が高くなるときは「冷房」、梅雨など温度はそれほど高くないけれど湿度が気になるときには「除湿」、というように使い分けるといいでしょう。

――真夏の今は冷房が主流となりそうですね。同じ除湿でも、種類があるようですが?

ダイキン工業・高木さん:除湿には「弱冷房除湿」「再熱除湿」があります。外に水分を追い出す仕組みは同じですが、部屋に戻す空気の温度が違います。

「弱冷房除湿」は、水分を集めるために温度を下げた空気をそのまま部屋に戻します。弱冷房をかけているのと同じようなため、肌寒く感じることもあります。

一方で「再熱除湿」は、水分を集めるために温度を下げた空気を、ちょうどいい温度に暖めなおしてから部屋に戻します。

そのため、部屋の温度を下げずに、湿度だけを下げることができます。しかし、部屋に戻す空気を暖めなおしているので、冷房より少し多くの電気を使います。

消費電力だけでみれば、「再熱除湿」は冷房や弱冷房除湿より大きくなりますが、冷房と「弱冷房除湿」は、設定温度や使用環境(部屋の温度や湿度など)によって消費電力が変わるため、どちらが安くなるとは一概には言えません。

ちなみに当社の一部機種には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の考え方を組み合わせ、部屋の状況にあった最適な除湿運転をしてくれる機能も搭載されています。

【エアコンの設定】温度を下げる前にしたい工夫

――それでは、エアコンの設定についてさらに詳しく、「温度・風量・風向」それぞれを見ていきましょう。まずは自動運転設定についてお話を伺えますか?

ダイキン工業・高木さん:電気代を気にして、手動で微風や弱風にする方もおられますが、実は電気代の観点でも快適性の観点でも「自動設定」がおすすめです。

そうすることで、「お部屋が冷えるまでは強風で、その後は微風」という具合に、最も効率よく、快適に冷えるよう風量の調整を行ってくれます。

エアコンは、スイッチを入れたときなど暑い部屋を設定温度に近づけようとがんばって冷やす運転をする際に、多くの電気を使います。この時、微風や弱風では部屋が冷えるまでに時間がかかり、結果的に余分な電気を使うことになるからです。

――冷房時に節電をするための工夫は他にどんなものがありますか?

ダイキン工業・高木さん:実は、エアコンで使う電気のほとんどは、温度を下げる時に使われます。

暑く感じた時はエアコンの温度設定を下げる前に、風を自分の方に向けるか、風量を強くすることを試してください。

体感温度が下がり、同じ温度でも涼しく感じます。扇風機を使って体に適度な風を感じることでも、同じ効果を得ることができます。

風量を強くするとほんの少しだけ消費電力は増えますが、温度を下げる時に消費する電力と比べると比較にならないくらいわずかです。

――風量を強くしても、温度を下げる時ほどは電力を使わないのですね。涼しく感じるには「風」が重要ということがよく分かりました。

【夏のエアコン】温度ムラ解消が節電のポイント

――次に冷房の風向について、「最適な風向」というのはありますか?

ダイキン工業・高木さん:冷たい空気は部屋の下にたまりやすいという性質があります。

そのため、冷房運転をすると部屋の上のほうが熱くて下のほうが冷たいという「温度ムラ」ができやすくなります。

そうすると、天井近くに設置されているエアコンは熱い空気を吸い込んで「この部屋は設定温度になっていない」と勘違いをし、必要以上に部屋を冷やそうと余分な電気を使ってしまうことがあります。

そこで、この温度ムラを解消することが節電のポイントの一つになります。

温度ムラを抑えるためには、風の向きを「上向き」か、もしくは「水平方向」に調整し、冷たい空気が上から下に循環するようにしましょう。

エアコンとあわせて扇風機やサーキュレーターを使って室内の空気を混ぜるのも有効です。また、空気清浄機をお持ちの場合、風量を強くして使用すると空気を混ぜる助けをしてくれるので効果的ですよ。

――扇風機や空気清浄機を併用することで室内の空気が上手く循環しそうですね。

【夏のエアコン】室温は28℃が最適は本当か

――室温は28度が最適と言われますが、それでは暑いと感じる方もいるのではないでしょうか?

ダイキン工業・高木さん:環境省は、「COOLBIZ(クールビズ)」を推進するなかで、適正な室温として「28℃(目安)」を掲げています。

出典:環境省「COOLBIZ(クールビズ)」

ただし、環境省も説明している通り、「28℃」という数値はあくまで目安で、実際には建物の状況や中にいる方の体調等を考慮していただくことが大切です。

また冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません。そういう場合は、設定温度を下げることも必要でしょう。

部屋に温度計などを設置し、自分が過ごす空間の実際の温度を見てみるのもおすすめです。

※ダイキン工業として室温28℃を推奨するものではありません

【夏のエアコン】つけっぱなしは30分まで

――「エアコンはつけっぱなしのほうが節電になる」と数年前から言われてますが、どれくらいまでならつけっぱなしで良いのでしょうか。

ダイキン工業・高木さん:気温にもよりますが、たとえば夏の日中30分程度の外出をされるぐらいであればつけっぱなしのほうが節電になると考えられます。

エアコンは、暑い部屋を急に冷やそうとするときに多くの電気を使います。一方で設定温度まで冷やした後、その設定温度を維持する動作は、急に部屋を冷やす動作と比べて消費電力がずっと少なくなります。

節電のために「部屋が涼しくなったらエアコンを止め、暑くなったら再びスイッチを入れる」「短い時間の外出でもエアコンを止める」というように、こまめにスイッチの入切を繰り返すと、急に部屋を冷やす動作が多くなるので、その分多くの電気を使う場合があります。

基本的にはエアコンの温度調節機能に任せることをおすすめします。

エアコンの室外機と家全体でできる節電方法は?

――ここまでエアコンの運転にまつわる節電方法を見てきましたが、それ以外でも節電をおこなうコツを教えてください。

室外機周辺を点検する

ダイキン工業・高木さん:まずは室外機の吹き出し口をふさがないようにしましょう。

エアコンの運転中、部屋の中の熱を、部屋の外に捨てるために室外機は常に放熱をしています。そのため、室外機の吹き出し口付近やその周囲に物を置いたり、カバーで覆ったりしないよう注意しましょう。

吹き出し口がふさがれると、室外機は放出した熱風を再び吸い込んでしまいます。こうなると、冷却効率が著しく低下するんです。

また、室外機は日陰に設置するか、植木やよしずなどの日除けで直射日光を防ぐと、付近の温度も下がって効率的に放熱でき節電にも効果的です。

ただし、室外機を板で囲ったり、日除けによって室外機の吹出口がふさがれることのないよう十分ご注意ください。よしずや植木は、室外機から1mほど離れたところに設置するといいでしょう。

家全体でも節電対策はできる

ダイキン工業・高木さん:カーテンやブラインド、すだれ、よしず、雨戸などで直射日光をさえぎり、窓からの熱を防ぎましょう。こうすることで冷房の効き目もアップします。窓ガラスに熱をカットするフィルムを貼るのも効果的ですよ。

また、朝顔やヘチマ、ゴーヤなどで緑のカーテンをつくると日差しをさえぎるだけでなく、葉から水が蒸発するときに周囲を涼しくしてくれるのでおすすめです。

――エアコンや扇風機だけでなく、「窓からの熱」の対策も大切なのですね。緑のカーテンは節電だけでなく楽しみにもなりそうですね。

まとめにかえて

毎日使用するエアコンですが、ちょっとした工夫で電気代を抑えることもできます。

わが家ではまだできていない対策はないかチェックしながら、今年の夏はエアコンをうまく使用して乗り越えていきましょう。

参考資料

ダイキン工業株式会社(https://www.daikin.co.jp/)

環境省「COOLBIZ(クールビズ)」(https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/article/action_detail_004.html)

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