「結婚後の家事分担」希望と現実のデータを見る。男性の方が「家事分担を希望」が多い年代も
LIMO / 2022年8月4日 14時50分
「結婚後の家事分担」希望と現実のデータを見る。男性の方が「家事分担を希望」が多い年代も
【年代別】家事分担への希望にみる意外な男女差
近年、男性は外で働き、女性は家庭を切り盛りするという男女間の役割分担は少々時代遅れのように感じます。
各種メディアで「イクメン」や「主夫」といった言葉が頻繁に取り上げられていることにもいえるよう、家事育児に積極的な男性が増えています。
一方で、女性の考えにも変化が見られ、結婚後も仕事を続けたいと考える方は多いでしょう。とはいえ、理想と現実は異なる点もあるようです。
今回は、結婚後の家事の分担について希望と現実を見ていきましょう。
【共働き世代は年々増加】働く女性はフルタイム?それともパートタイム?
まずは、結婚後の女性の就労状況について確認していきましょう。
内閣府男女共同参画局が公表する「結婚と家族をめぐる基礎データ」(2021年7月8日)によると、共働き世帯(妻がパート(週35時間未満))の数は年々増加傾向にあります。
しかし、妻がフルタイム(週35時間以上)で働く世帯は1985年から横ばいです。有業の既婚女性が増えているものの、現状としてはその多くが週35時間未満の労働時間に留まっています。
【女性たちのホンネ】配偶者と家事の分担を望んでいる?
内閣府男女共同参画局が公表する「男性の家庭・地域社会における活躍について」(2022年4月19日)によると、家事に関する配偶者との役割分担の希望率は以下のようになります。
配偶者と家事を半分ずつ分担することを希望する女性の割合(外部サービスの利用の有無合計)
18歳~29歳:69.3%
30歳~39歳:67.7%
40歳~49歳:59.9%
50歳~59歳:65.7%
60歳~69歳:53.9%
70歳以上:46.8%
上記の調査結果によると、18歳~69歳の女性の半分以上が配偶者と家事の公平な分担を望んでいます。
また、70歳以上の女性については、4割以上が配偶者と家事を半分ずつ分担することを希望しています。
若い世代ほど家事を配偶者と分担することを希望しており、いわば家事を女性の仕事として捉えていない傾向が見られます。
そこには、女性の有業率増加に加えて、各種メディアで男性の家事育児を推進するような報道が多々行われていることも関係するのかもしれません。
同調査の結果で興味深いのは、家事が女性の役割であるという時代思潮をよく知る60歳以上の女性についても、半数前後が配偶者と家事の二分を希望している点です。専業主婦が現在よりもスタンダードな時代を知る女性たちのなかにも、家事の公平な分担を希望する方が少なくありません。
60歳以上の女性で自分が配偶者よりも家事を多く分担することを希望している方は3割未満です。
家事に対する男性の意識は?女性より分担の希望も
続いて、男性の家事に対する意識を見ていきましょう。
興味深いことに、18歳~49歳までの男性の特徴として、同年代の女性よりも高い割合で家事を配偶者と半々で行うことを希望しています。
18歳~29歳の男性、および30歳~39歳の男性の7割以上が配偶者と半分ずつ家事を担当することを希望。また、40歳~49歳の男性は65.6%が家事を半分ずつ担当することを希望しています。
50歳から59歳の男性、60歳~69歳の男性、および70歳以上の男性は、家事の公平な分担を希望する方の割合が同年代の女性よりも低いです。
50歳~59歳の男性は61.8%、60歳~69歳の男性は52.9%、70歳以上の男性については44.7%が家事を半分ずつ役割分担することを希望しているという結果になりました。
しかし、この年代が一家の大黒柱として収入を得て、会社に大いに貢献することを美徳とする時代にも属していたことを考慮すると、家事に前向きな姿勢を示す傾向が予想される以上にあるといえるかもしれません。
家事分担の希望と現実にギャップも
同調査は、専業主婦世帯における夫婦の仕事時間、家事・育児時間(末子の年齢別)についても明らかにしています。
家事を配偶者と半分ずつ分担することを希望する男女が多い一方で、現実は雇用形態にかかわらず女性が家事を主に担当しています。男性が家事にかける時間は女性の半分にも到底及ばないことは明らかです。
また、仕事や家事、介護、育児を合算した時間は、女性の方が配偶者よりも長いです。
配偶者よりも家庭外で働く時間は少ない傾向にあるものの、家事などを含めると配偶者よりも自分の時間を取りにくい状況にあるといえるでしょう。
現代の女性は仕事、家事、介護・育児に大忙し
女性が男性同様にキャリアを開拓することは以前に比べればしやすくなりました。多くの女性が目標を掲げ、自己実現のために働いています。
働く女性が多い昨今ですが、多くの家庭で女性が家事を主に担当しています。半数以上が家事の公平な分担を希望していますが、現実は希望通り分担できていない家庭がほとんどです。
ただ、若い世代ほど夫婦での家事の公平な分担を希望する傾向にあるため、男女間の家事の分担率は今後変化していくかもしれません。
参考資料
内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」(令和3年7月8日)(https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/2nd/pdf/1.pdf)
内閣府男女共同参画局「男性の家庭・地域社会における活躍について」(令和4年4月19日)(https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_kanshi/siryo/pdf/ka14-1.pdf)
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