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2022年度「全国学力テスト」中学校理科の正答率が5割以下。最新データを分析

LIMO / 2022年8月4日 5時0分

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2022年度「全国学力テスト」中学校理科の正答率が5割以下。最新データを分析

2022年7月28日文部科学省が結果を公表

2022年7月28日、文部科学省は2022年度(令和4年度)全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。

国公私立学校の小学6年生と中学3年生を対象に2022年4月19日に行われた本テストでは、国語、算数・数学、理科の理解度をはかります。

学力テストの結果によると、中学校の理科では正答率が5割を下回ったことがわかりました。

詳細や近年の動向を見ていきましょう。

2022年度「全国学力テスト」とは

全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)とは、小学校第6学年、中学校第3学年を対象に行われるテストで、調査の対象は次のように示されています。

義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。

学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。

そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。

※文部科学省「全国学力・学習状況調査の概要」より引用

新型コロナウイルス感染症の影響により、後日実施となった学校も小学校107校、中学校65校にのぼりました。

また一部の学校においては、PC・タブレット等の端末を活用したオンラインによる回答方式が試行的に実施されたようです。

2022年度「全国学力テスト」の平均正答率

2022年度における「全国学力テスト」では、以下のとおりの結果となりました。

出所:文部科学省「2022年度(令和4年度)全国学力・学習状況調査の結果」

小学校の平均正答数(平均正答率)

国語:9.2/14問 (65.8%)

算数:10.1/16問 (63.3%)

理科:10.8/17問 (63.4%)

中学校の平均正答数(平均正答)

国語:9.7/14問 (69.3%)

数学:7.3/14問 (52.0%)

理科:10.4/21問 (49.7%)

中学校の理科においては、正答率が49.7%と5割を下回りました。2021年度では66.5%の正答率でしたので、大幅な減少です。

その他小学校の算数は70.3%→63.3%、中学校数学は57.5%→52.0%に減少しています。

一方で、その他の教科では上昇傾向が見られました。

2022年度「全国学力テスト」教科ごとの結果ポイント

正答率が下がった教科のうち「中学校数学」と「中学校理科」について、正答率だけではわからない各教科の結果ポイントを見ていきましょう。

中学校数学

出所:文部科学省「2022年度(令和4年度)全国学力・学習状況調査の結果」

文部科学省の調査概要によると、調査結果のポイントとして下記の特徴があげられます。

「データの活用」の領域において、多数回の試行によって得られる確率の意味の理解には改善の傾向が見られる

学習指導要領において統計的内容が充実したことを踏まえ初めて出題した「箱ひげ図」からデータの分布の特徴を読み取ることに課題が見られる

「関数」の領域において、日常的な事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することに引き続き課題が見られる

【数と式】【図形】【関数】にそれぞれ課題が見られました。とくに【関数】の正答率は39.0%と低く、問題解決の方法を数学的に説明する活動を充実することが求められます。

中学校理科

出所:文部科学省「2022年度(令和4年度)全国学力・学習状況調査の結果」

調査結果のポイントは下記のとおりです。

他者の考えの妥当性を検討したり、実験の計画が適切か検討して改善したりすることに課題が見られた分野がある

実験の計画における条件の制御については、改善の状況が見られる

【エネルギー】【粒子】【生命】【地球】の単元別では【エネルギー】の正答率が43.8%と低く、測定する間隔や範囲の視点から実験の計画を検討して改善できるかどうかをみることに苦手があることがわかります。

調査では学習状況も明らかに

本調査では、学力テストだけでなく「学習状況調査」も実施されました。

PC・タブレット等のICT機器の使用頻度については、「ほぼ毎日」と回答した児童生徒の割合が昨年度より約15ポイント増加しています。

「学習の中でPC・タブレットなどのICT機器を使うのは勉強の役に立つと思うか」の質問に肯定的に回答した児童生徒の割合も90%を超えており、GIGAスクール構想は確実に進展していると言えます。

まとめにかえて

2022年7月28日に公表された文部科学省「2022年度(令和4年度)全国学力・学習状況調査の結果」をご紹介しました。

それぞれ課題は見えるものの、確実に進歩している分野もあります。

とくにICT機器を用いた勉強方法には工夫がみられ、数年前との違いには目を見張るものがあります。

一方で、都道府県や地域による差があることは見過ごせません。こうした調査をもとに、どのように課題を解決するかが求められるでしょう。

参考資料

文部科学省「2022年度(令和4年度)全国学力・学習状況調査の結果」(http://www.nier.go.jp/22chousakekkahoukoku/22summary.pdf)

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