自動運転「6つのレベル」とは?日産・プロパイロットはどのようなシステムかをチェック
LIMO / 2022年8月27日 6時15分
自動運転「6つのレベル」とは?日産・プロパイロットはどのようなシステムかをチェック
自動運転とは?定義をわかりやすく解説
世界中の自動車会社やIT企業が開発を行っている技術の1つが自動車の自動運転です。
自動運転とはその名の通り、人間が自動車を運転するのではなく、機械である自動車が、判断・制御を行い、自動で走行する技術。
航空機や鉄道では自動運転が導入されている所がある一方、自動車に関しては一般公道を走行する際の安全性を保つのに、高度なプログラミングや、センサーを駆使しているため、発展途上の段階にあります。
日本国内では、自動運転バスの実証実験や、自動運転技術を活用した自動運転ロボットを使用した無人配送サービスなど、様々な企業が研究、開発を行っています。
また、市販の自家用車向けの自動運転の開発が行われています。
今回は自家用車の自動運転技術に関して解説します。
自動運転には6段階のレベル分けがされている
様々なメディアで注目されている自動運転ですが、一口に自動運転といっても、様々な技術が存在します。現在、アメリカの「自動車技術会」(SAE)や、日本の国土交通省では、レベル0からレベル5までの6段階に分けています。
自動運転レベル0「運転自動化なし」
ドライバーが運転操作を行い、機械が支援を行わない自動運転技術が搭載されていない通常の自動車となります。
自動運転レベル1「運転支援」
レベル1「運転支援」は、前方に加速や制動、ステアリング動作の何れか自動車が支援する運転支援となります。現代の多くの自動車に搭載されている衝突事故を軽減するため自動ブレーキ等の機能がレベル1に入ります。
自動運転レベル2「部分運転自動化」
レベル2では、加速や制動、ステアリング動作の両方を自動車が制御を行います。例えば、車線を維持しながら前の自動車に付いての走行を行う等、レベル1よりも高度な運転を行います。
注意点としては、機械が運転を行っている時も、人間が監視する必要があり、万が一事故が発生した場合、ドライバーが責任を負うことになります。
電気自動車で有名なテスラがオートパイロット(自動運転)と謳っているシステムも、自動運転レベル2に入るため、運転中はドライバーの監視が必要です。
自動運転レベル3「条件付運転自動化」
自動運転業界では、自動運転と言う分類に入るのが、レベル3「条件付運転自動化」です。
これは、渋滞や低速走行などごく一部の限定的な環境で、自動運転を行うシステム。自動運転中は運転者が監視を行わなくてよく、自動運転中は動画の視聴を行うことも可能です。
ただし、自動運転システムの機能が限界を迎えた場合、ドライバーに操作の権限が移るため、自ら運転操作を行う必要があります。
因みに、自動運転レベル3を搭載した世界初の量産市販車は、2021年に登場したホンダの高級車「レジェンド」です。リースでの販売で、台数は僅か100台限定でしたが、一躍注目されました。
自動運転レベル4「高度運転自動化」
レベル3よりも自動運転が可能な領域が大きくなり、一部の市街地や高速道路などの限定的なエリアで、自動運転が可能になります。
自動運転レベル5「完全自動運転化」
どんな場所でも常に自動運転を行う理想的な自動運転です。現時点でレベル4、レベル5の自動運転技術を搭載した自家用車は販売されていません。
現在の量産車のほとんどは、レベル2の部分運転自動化で人が監視する必要があり、事故が発生した時はドライバーの責任になります。
自動運転技術「日産プロパイロット」とは
現在の乗用車では、自動運転レベル2相当の運転支援システムを搭載した自動車が様々な会社から販売されています。
その中でも、日産は2016年に登場したミドルクラスミニバン「セレナ」のオプション装備として「プロパイロット」を用意することで、一躍注目されました。
プロパイロットは、車体に装着されたカメラとセンサーで、前方を走行している自動車や白線を認識し、運転を制御するシステム。
高速道路の単一車線で、アクセル、ブレーキ、ステアリング動作を自動で行い、渋滞などで先行車が停車すると自動的にブレーキをかけて停車します。
プロパイロットは、セレナだけでなく、電気自動車のリーフや、軽自動車のデイズなど、幅広い日産車に採用されています。
そして、2019年には、上位システムであるプロパイロット2.0が4ドアセダン「スカイライン」に搭載。これは、ナビゲーションシステムと連動することで、高速道路の分岐や出口までの運転操作を補助するシステム。
ナビゲーションシステムと連携させることで、従来のプロパイロットには無い、追い越しでのアシストを行うことが可能になりました。
また、同一車線走行している時、運転者が前方を注意してハンドルを確実に操作できる状態になっている場合では、手を離して運転できる「ハンズオフ」運転が可能です。
ただし、プロパイロット2.0は自動運転レベル2で、あくまでもドライバーの運転を補助するための機能です。
日産自動車のプロパイロットの自動運転技術は、両方とも運転支援扱いのレベル2のため、プロパイロット2.0に搭載されている手放し運転を行っている最中でも、ドライバーが運転操作の責任を負います。
それでも、プロパイロット2.0のハンズオフ機能は、運転者の疲労軽減になると高い評価を得ています。
自動運転の開発競争は激化
自動運転の開発は競争を増しており、日産自動車は、自家用車の自動運転開発だけでなく、ディー・エヌ・エー(DeNA)と共同で、自動運転タクシー「Easy Ride(イージーライド)」の開発や実証実験に取り組んでいます。
今後、自動運転レベル3を搭載した市販車が登場するのか注目です。
参考資料
JAF「[Q]自動運転はどこまで進んでいますか?」(https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-construction/subcategory-structure/faq083)
国土交通省「自動運転のレベル分けについて」(https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf)
日産「新型『セレナ』 を発売」(https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-d6adcacc4b5cda4debce4d9cb8031bd9-160824-01-j)
日産「プロパイロット」(https://www2.nissan.co.jp/BRAND/PROPILOT/)
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