さんぽセルの第2弾【さんぽロック】は再び議論を呼ぶか。置き勉禁止の反論商品の全貌
LIMO / 2022年8月27日 5時0分
さんぽセルの第2弾【さんぽロック】は再び議論を呼ぶか。置き勉禁止の反論商品の全貌
株式会社悟空のきもちTHE LABOは2022年8月19日、先生が置き勉禁止にする理由をぜんぶなくした「さんぽロック」を製品化したことを発表しました。
2022年4月に発売したキャリータイプのランドセル「さんぽセル」では、荷物を軽くする画期的な製品であることに対し、大人から批判の声が集まる事態になりました。
「楽をするな!」という大人の意見や、これに対する「灯油缶を、いまも毎日背負ってる大人のひとがいうなら許します」という反論などが話題を呼び、さんぽセル事件などと言われていますね。
新しい文明に対する大人の反応に子どもは幻滅したかと思いきや、この度の第2弾の発売となった形です。
そんな「さんぽロック」の全貌に迫ります。
「置き勉禁止」に反対!さんぽロックが作られた背景
株式会社悟空のきもちTHE LABOが、栃木県の廃校で小中学生たちと発明した「さんぽロック」。
これは「先生が置き勉を禁止する理由」を全部なくし、学校机を利用した自分専用鍵付きロッカーです。
「先生が置き勉を禁止する理由」というのは、文部科学大臣による「学校への置き勉の指導の徹底」がされていないことを受け、調査したものとのこと。
調査結果でわかった「先生が置き勉を禁止する理由」は、以下のとおりです。
先生が置き勉禁止にするおもな理由
その1「いたずらされたらイジメの温床になる」
その2「紛失・盗難のリスク」があがる
その3「朝の準備ができない人に育つ」
こうした理由により、置き勉が認められていないことが明らかになりました。
置き勉ができなければ、小学生の重いランドセル問題はいつまでも解決しません。
そこで、置き勉を認めるために作られたのがさんぽロックなのです。
さんぽロックの機能
さんぽロックでは、南京錠のロックに加え、ハサミなど子供たちが学校に持ってくるものではいたずらや盗難ができないよう、前面は隙間を埋める構造となっています。
広い接地面の磁石は、横方向へは固くなり動きにくく、上方向には簡単に外れることに着目。
全体80%を覆う広い接地面では、磁石シートが引き出し部分下側の金属面につく仕様にしたそうです。
これにより、教科書など中身が詰まった状態では上方向には動かず、横方向の力には教科書の重さで吸着力が上がり、さらに固くなるという仕組みです。
小学校では頻繁に席替えもあるため、中身がはいっていない状態では、磁石の下側に手を入れて上方向に持ち上げれば簡単に外れる構造になっています。こだわりが感じられますね。
「さんぽロック」という名称には、教科書を固く守り、通学をさんぽにしたいという意味が込められているそうです。
「小学生は楽をするな」反発する大人
キャリータイプのランドセルである「さんぽセル」の発売時には、「楽をするな」という大人の意見が溢れていました。「さんぽセル事件」と呼ばれる現象ですが、記憶に新しい方も多いでしょう。
子どもたちが主体的に製品づくりを行ったことに対して、あまりにも心無い言葉に思えます。
実際、子どもたちのランドセルは年々重さを増しています。教科書はカラー刷りが増え、一冊一冊の重さは増えました。さらに近年、GIGAスクール構想を受け、児童一人ひとりにタブレットが支給されています。
筆者の子どもにも配られましたが、実際にはノートパソコンでかなりの重量があります。
タブレット学習ができるとはいえ、その分教科書が不要というわけではありません。教科書に加えてタブレットや電源アダプタを持ち歩くのは、小さな小学生にとってかなりの重労働です。
また熱中症の対策が進む中、水筒を2~3個持たせる学校もあります。夏だけスポーツドリンクを余分に持たせるところも多く、こうした荷物も小学生を疲弊させます。
「イマドキの小学生は体力がない」と批判するのは簡単ですが、時代の移り変わりとともに変化に適応する小学生は、優秀と言えるのではないでしょうか。
自分の健康を自分で守る。しかも制度の変更を伴いながら実践するのは、大人でも難しいことです。
今回の子どもたちの動きは、私達も十分学びのあることだと言えます。
これからの未来を担う小学生
さんぽセルの批判から日が浅い今、新商品としてさんぽロックの発売が発表されました。
夏休みの自由研究の一環としても取り組まれた本事業では、普及することで小学生の学びがより快適になると期待できます。
新しいものが出てくると批判されるのが世の常ですが、自分たちの意見を製品に反映できた小学生は、学びへの意欲がより向上するのではないでしょうか。
私達大人も、十分学べる事業だと言えます。
参考資料
株式会社悟空のきもちTHE LABO「小学生たちで「置き勉禁止」に反論商品を製品化」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072311.html)
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