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【グラフでわかる】世界のインフレはどうなっているのか?【イギリスvs日本編】

LIMO / 2022年8月28日 5時55分

【グラフでわかる】世界のインフレはどうなっているのか?【イギリスvs日本編】

【グラフでわかる】世界のインフレはどうなっているのか?【イギリスvs日本編】

日々の生活の中で「あらゆるものの価格が上がった」と感じている方も大勢いるのではないでしょうか。

この値上がりは、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻が引き金となった世界的なインフレが原因です。

今回は日本とイギリス、それぞれの統計局が発表した資料をベースに、日本とイギリスのインフレ事情を比較してみます。

1. イギリスのインフレ率は10.1%、約40年ぶりの高水準

イギリス国家統計局は2022年8月17日、2022年7月の消費者物価指数(CPI)が前年同月に比べて10.1%上昇したと発表しました。

統計局が発表したCPIの推移(2012年7月~2022年7月)を見ると、この10年間でCPIが特に高い水準に達していることがわかります。

出所:Office for National Statistics - Consumer price inflation, UK: July 2022

2022年6月時点で9.4%という数値を記録していたイギリスのCPIでしたが、7月についに大台を突破。

10%の壁を超えたのは、1982年2月以来およそ40年ぶりとのことです。

2. 【イギリス】カテゴリ別インフレ影響ランキング

カテゴリごとのインフレ率(対前年同月比)は以下の通りです。

出所:Office for National Statistics - Consumer price inflation tables

合計:10.1%増

食品およびノンアルコール飲料:12.6%増

アルコール飲料およびタバコ:5.4%増

衣服および靴:6.7%増

住宅費、水道代、電気代、ガス代およびその他燃料代:20.0%増

家具代や家財代およびそのメンテナンス費用:10.1%増

医療費:1.4%増

交通費:14.8%増

通信費:3.2%増

娯楽教養費:5.6%増

教育費:4.5%増

外食費および外泊費:8.9%増

その他:4.0%増

商品のトータル:13.5%増
サービスのトータル:5.7%増

ガソリン代は95.7%増、電気代は54.0%増、天然ガス・都市ガス代は98.5%増とエネルギー関連の値上がりがすでに極めて著しい状況です。

今後寒くなるにつれてエネルギー料金がさらに値上がりすると予想されており、食品価格の上昇と合わせて貧困層が最も大きな打撃を被るとみられています。

3. 日本のインフレ率はどうなっているのか?【総務省統計局資料】

一方、日本のインフレ率はどうなっているのでしょうか。

今回は総務省統計局が発表した2022年7月の資料を見てみます。

総務省統計局によると、2022年7月の消費者物価指数は、総合指数が前年同月比2.6%上昇。生鮮食品を除く総合指数は前年同月比2.4%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は1.2%の上昇でした。

出所:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)7月分」

分類別の上昇値は、以下のようになります。

出所:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)7月分」

調理食品:4.7%増

外食:3.2%増

生鮮魚介:13.1%増

穀類:5.7%増

菓子類:4.8%増

生鮮野菜:5.6%増

油脂・調味料:7.3%増

肉類:3.3%増

設備修繕・維持:3.8%増

電気代:19.6%増

ガス代:18.8%増

他の光熱:19.6%増

自動車関係費:2.2%増

通信:7.0%減

食品関係では生鮮魚介が13.1%という高い上昇率を示しているほか、電気代・ガス代・他の光熱などのエネルギー料金が軒並み19%前後上昇と特に高い水準。一方、携帯電話料金などの通信費用に関しては7.0%のマイナスとなりました。

4. まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。

「あらゆるものが値上がりしている」と言いたくなる昨今ですが、先進国の中でも日本は比較的低いインフレ率にとどまっているのは事実。

この先インフレ率がどのように推移するかはわかりませんが、高進するインフレ率について各国がどのような対策を打ち出すかは、知っておいて損はないでしょう。

イギリスは2022年9月に終結する保守党内の党首選で次期首相が決まる見通し。

有力候補と目されるリズ・トラス外相とリシ・スーナク前財務相は、トラス氏が減税を公約として打ち出す一方、スナーク氏はインフレ率が低下してからの減税という見解を示しており、同じ減税路線ではあるものの実施時期については意見が分かれている様子です。

参考資料

Office for National Statistics - Consumer price inflation, UK: July 2022(https://www.ons.gov.uk/economy/inflationandpriceindices/bulletins/consumerpriceinflation/july2022)

Office for National Statistics - Consumer price inflation tables(https://www.ons.gov.uk/economy/inflationandpriceindices/datasets/consumerpriceinflation)

総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)7月分」(https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf)
 

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