出生率が減少する日本で妊婦の接客サービスに戸惑い。「体験したことがないため」の声も
LIMO / 2022年8月31日 5時0分
出生率が減少する日本で妊婦の接客サービスに戸惑い。「体験したことがないため」の声も
厚生労働省によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、2021年で1.30でした。
6年連続の低下で、出生数も過去最少です。
そんな中、株式会社天使のたまごはブライダルサービス従事者、CA Media会員にインターネット調査を実施。
多くの接客サービス従事者が、妊婦へ不安を抱えたまま接客していることがわかりました(2022年8月26日公表)。
日本の出生率を詳しく確認するとともに、アンケート結果で浮き彫りとなった理解への課題を見ていきましょう。
日本の出生率は低下
厚生労働省の「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況)」によると、合計特殊出生率は1.30で、前年の1.33 より低下しました。
合計特殊出生率とは、その年次の15 歳~49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性がその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子ども数に相当します。
また出生数は81万1604人で、前年の84万835人より2万9231人も減少しています。
母の年齢別にみると、40~44 歳で前年より増加し、他の各階級では減少していることがわかっています。
合計特殊出生率や出生率が低下し続ける日本において、「身近に妊婦さんがいる」という機会も減少しつつあります。
こうした背景から、接客をする方の中には「妊婦へ不安を抱えたまま接客する」という方も多いようです。
接客サービスに従事する人は8割が不安を抱える
株式会社天使のたまごはブライダルサービス従事者、CA Media会員を対象に「妊婦への案内の際、実際に困ったこと」を調査。その結果、81.6%が妊婦への対応に不安や戸惑いを感じたことがわかりました。
また、「マタニティの方をご案内するために必要な知識が不十分だと感じることはありますか?」の問には、84.6%が「ある」と回答しました。
具体的にどのような不安を感じているのでしょうか。次で見ていきましょう。
妊婦への案内で実際に困ったこと
同調査から、自由記述による「実際に困ったこと」を確認します。
どの部分がどのくらいきつく感じるのか。どの体勢がきついのか。(体験したことがないため、つらさ等の感覚がイメージしにくい。)
男性が女性を気遣う際に気を付けること。(伝え方、どこまで話をするべきか等)
妊婦様特有の不安に寄り添い安心させられる、根拠ある声のかけ方。
突然破水された時の対処法
ドレス着用時、どの時期でどれくらい締め付けに敏感になるのかわからない。
接客当時は出産経験がなかったため、どのようにお手伝いすれば快適に過ごしていただけるのかが分からなかった。妊娠時期によってお手伝いの仕方が変わることも知らなかった。
出産前は妊婦さんが、どのような体調かつわりやむくみなどが分からず、飛行機の中でも具体的なケアの仕方がわからなかった。
アメリカやヨーロッパ路線などの長距離路線で、お腹の張りや脚の浮腫で辛そうにしている妊婦さんに遭遇することが多々あった。
つわりがひどく動くことができないお客様がいらっしゃり、お水も受け付けず、時間は迫るものの明確な改善策をお伝えできなかった
様々なシーンで戸惑いを感じたことがよくわかります。「体験したことがないのでわからない」という声もありますね。
今後出生率が下がるにつれ、こうした戸惑いはますます広がる懸念があります。
まとめにかえて
出生率が下がる日本においては、子育て支援が急務とされています。経済面でも大切なことですが、社会の理解にも影響することが懸念されます。
「妊娠は病気ではない」とは言いますが、治療法がないというだけで、この時期の体調不良はすさまじいものがあります。
中には心無い言葉をかけられ、外出が億劫になった経験がある方も。これからの未来を背負う子どもの誕生は、社会全体で支えたいものです。
そのためにも、子育てに関する支援や理解が一層広がることが望まれます。
参考資料
厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況)」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3.pdf)
株式会社天使のたまご「“妊婦への接客に不安 8割” ブライダル・CAなど接客サービス従事者〜日本初、企業向け「マタニティケアラー資格検定」開始!〜」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000013666.html)
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