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ライフジャケットの必要性を説く「岐阜県のQ&A」が鬼気迫るとSNSで話題。川遊びに潜むリスクとは

LIMO / 2022年9月2日 17時50分

ライフジャケットの必要性を説く「岐阜県のQ&A」が鬼気迫るとSNSで話題。川遊びに潜むリスクとは

ライフジャケットの必要性を説く「岐阜県のQ&A」が鬼気迫るとSNSで話題。川遊びに潜むリスクとは

防災週間に改めて考えたい川の危険性

9月1日は防災の日でした。何か事故があれば考えることも多くなる自然災害ですが、普段はそのリスクを意識していない方も多いものです。

そんな中、岐阜県公式ホームページの「水難事故等に関するQ&A(よくある質問)」が、SNSを中心に話題となっていることをご存知でしょうか。

その内容をご紹介していきます。9月5日までの防災週間をきっかけとして、身近な川に潜むリスクについて考えてみましょう。

岐阜県が注意喚起する「川のリスク」が鬼気迫ると話題

岐阜県では、水難事故や川の危険性、川遊びのルールなどについて、公式ホームページで注意喚起をしています。

中でも話題となっているのが「水難事故等に関するQ&A(よくある質問)」。実に60ものQ&Aを使って、川の危険性を訴えているのです。

例えば以下のような質問と回答があります。

Q16.お盆休みに、東京の息子夫婦が孫を連れて岐阜に帰省するので、家族みんなで長良川の河川敷でデイキャンプをする予定です。川で水遊びをする予定はありませんが、それでも、ライフジャケットは必要ですか?

A16.ライフジャケットが絶対に必要です。川を甘く見ると重大な事故につながります。楽しかったはずの家族みんなでのデイキャンプが最悪の結果となります。

Q17.今度の連休に、付き合っている彼女と板取川の河川敷でキャンプをする予定です。川では少しは水遊びをするかもしれませんが、泳ぐつもりなどありません。それでも、ライフジャケットは必要ですか?

A17.ライフジャケットが絶対に必要です。川を甘く見ると重大な事故につながります。楽しかったはずの彼女とのキャンプが最悪の結果となります。

Q34.父はアユ釣りが趣味です。父の日に何をプレゼントすればいいですか?

A34.ライフジャケットが良いと思います。

以上全て岐阜県「水難事故等に関するQ&A(よくある質問)」より引用

徹底して「ライフジャケットの必要性」さらに「川遊びの危険性」を伝える回答に対し、SNSでは「真剣さが伝わってきます」「ライフジャケット買おうかなと思い始めた」などの声が集まっています。

「私は大丈夫」と考える層へ危険性をどう伝えるか

岐阜県のQ&Aには、一部ほんわかする表現が含まれているのも事実です。例えば「今、体ごと流されています。どうすればいいですか?」の質問に対して「背浮きをして呼吸を確保してください。」という回答には、SNSでもツッコミの声があがっています。

こうしたQ&Aが混ざることで、今回のように注目が得られたとも言えるでしょう。一方で、大半は淡々と川の危険性を伝えています。

シーンを4パターンも分けて「楽しかったはずの◯◯が最悪の結果となります。」と続けるあたり、担当者の必死さが伝わりますね。

また重要に感じたのは、「川遊び程度でライフジャケットを着用するのは、何だか恥ずかしいような気がするのですが?」「水難事故が毎年たくさん起きていることは知っています。でも、「私だけは大丈夫」と思うので、ライフジャケットは着用しないつもりですが?」「これまでライフジャケットなど着用せずにやってきました。だからこの先もライフジャケットを着用するつもりはありません。これでいいですか?」などの質問項目について。

同じような「恥ずかしい」「慣れているから」という理由でライフジャケットを軽視する質問に対し、繰り返しライフジャケットの必要性を説く回答が印象的です。

担当者は、「私は大丈夫」と考えている方に向けて、何とか危険性を訴えるためにあらゆる角度の質問を投げているように感じられます。

川の事故の現状

実際、川の事故はどれほど起こっているのでしょうか。ニュースで取り上げられている事故以外にも、実はさまざまな地域で発生しています。

2022年6月9日に公表された警察庁「令和3年における水難の概況」より、水難事故の発生状況を確認しましょう。

水難事故発生件数は1395件、水難者は1625人でした。

出所:警察庁「令和3年における水難の概況」

都道府県別にみると、最も多いのが沖縄県94件、次いで千葉県72件、東京都68件です。

水難事故のうち、河川での水難者は253人でした。子どもの死者・行方不明者は半数以上が河川となっています。

出所:警察庁「令和3年における水難の概況」

こうした水難事故を防止するための対策として、警察庁は以下の留意を呼びかけています。

危険箇所の把握

的確な状況判断

ライフジャケットの活用

遊泳時の安全確保

保護者等の付添い

やはりライフジャケットは必須のようです。上記のどれかを徹底していればOKというわけではなく、すべてを備える必要があるでしょう。

実際、岐阜県でも「要するに、ライフジャケットを着用すれば安全なんですよね」の質問に対し、「「100%安全」ではありませんが、溺死リスクの低減になります。」という回答に終始しています。

ライフジャケットをつけてさえいれば安心というのも、また水遊びにおける誤解なのです。

レジャーには「かっこ悪い」を卒業して参加を

まだ日中は暑い日が続き、川の近くでレジャーを楽しむ方も多いです。特に3年ぶりに制限のない夏ということで、ギリギリまで友人や家族とレジャーを楽しみたいと考える方もいるのではないでしょうか。

「周りはライフジャケットをつけていないからかっこ悪い」「私は大丈夫」と思うのではなく、安全安心に過ごせる準備をした上でレジャーに挑むようにしましょう。

自分の身を守ることは、他人の身を守ることにもつながります。水難事故の件数は、ゆるやかに減少傾向にあります。これは川を始め、水遊びのリスクの啓蒙が進んだことも影響しているでしょう。

こうした社会から発信される情報を信じ、安全安心を第一にレジャーを楽しむことが大切です。

参考資料

岐阜県「水難事故等に関するQ&A(よくある質問)」(https://www.pref.gifu.lg.jp/page/27330.html)

警察庁「令和3年における水難の概況」(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/r03suinan_gaikyou.pdf)

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