【ファミリー向け】本当に必要な「防災グッズ」とは?要配慮者が家族にいる場合は特に備えを
LIMO / 2022年9月4日 11時50分
【ファミリー向け】本当に必要な「防災グッズ」とは?要配慮者が家族にいる場合は特に備えを
大地震のときにみんなが心配なこととは
2022年9月1日は防災の日でしたが、みなさん備蓄などされたでしょうか。
日本は世界的に見ても自然災害が多い国です。
2011年3月11日に起こった東日本大震災の傷跡は、約10年経った現在においても残っています。
また、最近は関東大震災や南海トラフ地震が起こる可能性について、各種メディアが頻繁に報じていますよね。
本記事では地震発生の際に人々が何を心配するかデータで見た上で、ファミリー世帯に必要な防災グッズを紹介します。
地震が起きたときに「食料・飲料水・日用品の確保が困難になること」を心配する人は57.3%
内閣府は「地震対策に関する意識について」の調査結果を2017年に公表しています。
この調査では、地震が起こった際に人々が何について心配しているかが明らかになりました。
建物の倒壊 72.8%
家族の安否の確認ができなくなること 61.3%
食料、飲料水、日用品の確保が困難になること 57.3%
電気、水道、ガスの供給停止 53.9%
家具・家電などの転倒 50.3%など
地震について、建物の倒壊を心配する人が72.8%と最も高い割合に。次いで、家族の安否確認について心配する人が多いです。
また、食料・飲料水・日用品の確保が困難になることを心配する人の割合は57.3%で、三番目に多くなっています。
震災発生から1カ月後でも物資不足に悩まされる可能性も
被災地に物資が届くまでには基本的に3日程度かかるといわれています。
物資の確保や交通網の確認などにある程度の時間を要するため、行政や各種機関が物資を被災地に即日届けることは不可能に近いでしょう。
また、震災から3日経てば、物資が潤沢になるわけではありません。
日本栄養士会災害支援チームによると、東日本大震災では震災から約1カ月経たあとも約80%の避難所で食料不足に陥っていました。
提供される食事はパンやおにぎりが多く摂取できる栄養が偏り、被災者の中には栄養不足で身体に不調をきたす人も珍しくなかったとも各種メディアで報じられました 。
災害の規模によって状況は異なりますが、このような場合があることも知っておきましょう。
【ファミリー向け】震災時に本当に必要な防災グッズとは?
救援物資は被災地に各所から届くものの、量が足りなかったり、高齢者や乳幼児など要配慮者に必要なグッズについて用意がなかったりすることも多いようです。
そのため、各自が避難生活で必要な物を日頃からまとめておく必要があります。
総務省消防庁では、災害時に最低限必要なものとして以下のようなものを挙げています。
印かん、現金、救急箱、貯金通帳、懐中電灯、ライター、缶切り、ロウソク、ナイフ、衣類、手袋、ほ乳びん、インスタントラーメン、毛布、ラジオ、食品、ヘルメット、防災ずきん、電池、水
※出典: 総務省消防庁「地震などの災害に備えて」
ファミリー向けに特に必要な防災グッズを詳しく確認していきましょう。
水
人間にとって水は非常に大切です。備蓄した水は飲料水としてだけでなく、米や乾麺の調理、手洗い、食器の洗浄などにも使用します。
農林水産省によれば、水は1人あたり1日に約3L必要です。「1人1日3L×3日分×家族の人数分」の水を備蓄しておきましょう。
乳幼児や高齢者用の食事
乳幼児でミルクや離乳食が必要な場合には、乳幼児用の食事を準備しておきましょう。またアレルギーがある場合、アレルギー対応の備蓄が約2週間分あると安心です。
また、食べやすく調理された食事を日頃摂っている高齢者の中には、おにぎりやパンが喉をとおりにくい人もいます。
ゼリーやレトルトのおかゆなどを約2週間分用意しておくと安心です。
ペットフード
被災地には動物たちのためのフードも届きます。しかし、場所やタイミングによっては入手が困難なことも。
また、普段食べているフード以外を好まない(食べない)動物もいます。最低限2週間分のフードを用意しておきましょう。
衛生用品
ハブラシや消毒、マスク、綿棒、爪切り、ドライシャンプーなどの衛生用品の準備も必要です。
避難所では感染症がまん延しやすく、なおかつ症状が重症化しやすいため、各自で徹底した予防が必要です。
非常用トイレ
震災が発生すると、停電や断水、浄化槽の損壊などによってトイレが使えなくなることも多いです。
トイレの水が流れなくなった場合、水をバケツなどで直接流す方法もあります。しかし、震災時は水不足に陥ることも多く、水の調達が難しいケースがほとんどです。
非常用トイレを用意しておくことで、断水した状況においても良好な衛生状態を保ちながら用を足せます。
懐中電灯
大規模な震災が発生すると停電になります。
散乱した家具や瓦礫の中を明かりなしで歩くのは危険です。また、停電したら、夜間の生活は懐中電灯の明かりが頼りになります。
懐中電灯は電池式で、10時間以上もつものがおすすめです。
モバイルバッテリー(ソーラーバッテリー)
家族との安否確認の他、交通情報や避難場所の確認にもスマートフォンは役立ちます。
停電は1週間程度続くこともあるため、太陽で充電できるソーラーバッテリーもおすすめです。
防寒具
暖房機器が使えない避難所も少なくないため、どのように暖をとるか考えておかなければなりません。
冬場の避難生活では、軽量で小さく畳める毛布やダウンジャケットは必須でしょう。
家族のニーズにあった「防災袋」を用意しておこう
震災発生後の生活を少しでも快適にするためには、家族のニーズに応じた防災袋を作っておくことが大切です。
ただし、防災袋が重いと逃げ遅れや、ケガなどのリスクを高めるため、無理なく背負える程度の重さにとどめておきましょう。
市販の防災袋には震災時に最低限必要な物がほとんど入っています。しかし、乳幼児や高齢者などの要配慮者に必要な物が入っているとは限りません。
そのため、要配慮者がいる世帯では市販の防災袋だけでは不十分な場合もあります。不足する物はご自身で追加しておくようにしてください。
参考資料
内閣府「防災に関する世論調査」(https://survey.gov-online.go.jp/h29/h29-bousai/index.html)
日本栄養士会災害支援チーム「What factors were important for dietary improvement in emergency shelters after the Great East Japan Earthquake?」(https://apjcn.nhri.org.tw/server/APJCN/23/1/159.pdf)
農林水産省「災害を想定した備えが大切」(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1909/spe1_01.html)
農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/imadoki/imadoki02_10.html)
総務省消防庁「地震などの災害に備えて」(https://www.fdma.go.jp/publication/database/activity001.html)
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