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60歳代女性の半数が働く時代。パートが主流な一方で夢を叶える人も

LIMO / 2022年11月14日 17時35分

60歳代女性の半数が働く時代。パートが主流な一方で夢を叶える人も

60歳代女性の半数が働く時代。パートが主流な一方で夢を叶える人も

60歳代女性の仕事事情とは

年金問題は年々深刻化しており、老後の暮らしについて金銭面から不安に思う人は増えています。

多くの人たちが定年退職後の自由気ままな暮らしについて、夢物語のように感じているといえるのかもしれません。

しかし、考え方によっては、60歳代はセカンドキャリアをはじめる絶好の年代です。

今回は60歳代女性の再就職事情について検討します。本記事の最後には60歳代女性が納得のいく再就職を実現するためのコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

60歳代女性の約半数が働く時代

労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』」では、60歳代の男女の就業の有無についての調査結果が明らかになっています。

出所:労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査[A1] 』」

2019年6月に収入になる仕事をしたと回答した60歳代の男女は全体の59%です。

収入になる仕事をしたと回答した60歳代女性は半数程度で、60~64歳は59.8%、65~69歳は41.1%という結果でした。

60歳代女性の就業者の半数以上が「月に20日以上」勤務

続いて、60歳代の雇用形態について見ていきましょう。

出所:労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査[A2] 』」

同調査によると、60歳代で正社員として働く人の割合は20%程度です。パート・アルバイトで働く人は40%を超えており、嘱託(約15%)、契約社員(約14%)が続いています。

60歳代女性に関しては、正社員として働く人は全体の11%で、パート・アルバイトが64.9%。嘱託、および契約社員は7%台です。

60歳代になると正社員以外の雇用形態で働く人が大半を占めますが、興味深いことに就業者のうち半数以上がフルタイムで働いています。

出所:労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査[A3] 』」

60歳代の就業者のうち1カ月に20~24日働く人と25日以上働く人を合算すると約60%。

続いて、働いている60歳代女性の1カ月の勤務日数に着目すると、20日以上勤務した人の割合は、60~64歳は57.4%、65~69歳は53%という結果に。

また、同調査によると、働いている60歳代男女の約半数が1日に8時間以上勤務しています。

女性についていうと、60~64歳で35.7%、65~69歳で28.9%が1日に8時時間以上働いています 。

60歳代女性がパートをする理由とは?

働く理由は人それぞれですが、60歳代女性が働く主な理由として以下の3つが挙げられます。

お金を稼ぐため

健康維持のため

社会とのつながりを感じるため

60歳代になっても住宅ローンを完済していない家庭や子どもが大学に在籍している家庭は多いです。

あるいは、年金だけで生活することに不安を抱えている方や、働けるうちに貯蓄を増やしておきたいと考える方もたくさんいます。

また、60歳代女性の中にはお金を稼ぐこと以外の理由で働かれている方もいます。

たとえば、外に出て働き、健康を維持したいと考える方は多いです。あるいは、社会とのつながりを感じていたいといった動機から働く方もいるでしょう。

筆者の周りにも健康を理由に働く人は少なくなく、軽い運動を兼ねて大学の清掃員として働かれている方もいます。

60歳代から「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にできる?

とはいえ、60歳代になると、職業の選択肢が限られてしまうと考える人も多いのではないでしょうか。

60歳代が採用されにくい雇用形態や職場などもありますが、パートや嘱託職員、非常勤であれば、スキルや経験次第では採用される見込みはおおいにあるといえるでしょう。

60歳代は正社員以外の雇用形態も視野に入れなければならない年代だからこそ、職業の選択肢が広がるという見方もできます。

ただし、自分が希望する職業に60歳代から就くためには50歳代、もしくはそれより前の年代のときから準備を行わなければなりません。

筆者の知人には子育てが落ち着いたタイミングで図書館司書の資格を通信制の大学で取得し、50歳代後半から図書館でパートとして働きはじめた方がいます。

その他にも、子どもの手が離れてから着付けをマスターし、着付け教室の講師として働いている知人もいます。

彼女たちを見ていて思うのは、「年齢を気にせずトライしよう」という前向きな姿勢を持つことの大切さです。

50歳代や60歳代で再就職に成功している方たちは共通して、年齢を理由に諦めることはせず、ポジティブな考えで常に行動しています。

あわせて、自分に対してストイックな一面も。

たとえば、スクールや大学進学費用のためにアルバイトや節約でお金をコツコツと貯めています。また、入学試験に合格できるよう隙間時間などに勉強しています。

60歳代だからこそ好きなことを仕事にできる場合も

定年退職後も働き続けることについて、マイナス的なイメージを抱いている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、60歳代は自分の好きな職業に再就職する絶好の時期です。

子育てを理由にキャリアを断念された方や、雇用形態や待遇などを理由に希望する業界への就職をあきらめた方も多いはずです。

60歳代からはパートやアルバイト、非常勤で働くことを前提にすれば、スキルや知識、経験次第では特技や好きなことを活かして働ける見込みがあります。

たとえば、カルチャーセンターはシニア層の講師を多く採用しています。また、カウンセラーを募集している機関の中には、人生経験豊富なミドル層以上を求めている機関も多いです。

その他にも、クラウドソーシングが普及している昨今、個人がスキルで稼ぐことのハードルはぐんと下がりました。

年金だけで老後資金をまかなうことが難しいといわれている昨今、60歳代以降も充実感を抱きながら細く長く働ける方法について検討してみるのもよいかもしれません。

参考資料

労働政策研究・研修機構(JILPT)「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/documents/0199.pdf)

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