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【介護費用】おひとりさまはいくらかかる?介護施設に入るにはいくら必要か

LIMO / 2022年11月19日 6時50分

【介護費用】おひとりさまはいくらかかる?介護施設に入るにはいくら必要か

【介護費用】おひとりさまはいくらかかる?介護施設に入るにはいくら必要か

「特別養護老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の介護費用の平均はいくらか

生涯未婚率は年々増えてきており、「おひとりさまの老後」を視野に入れて、40~50歳代から準備している人も多いことでしょう。

おひとりさまの老後で一番心配なのは「介護が必要になったらどうするか」ではないでしょうか。

そこで、介護費用の平均額や介護施設に入居するための費用について解説します。

女性は「おひとりさまの老後」になる確率が高い

令和3年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.47 歳、女性の平均寿命は87.57歳となっています。

このデータをもとにすれば、女性は男性よりも6年長生きすることになるので、同年齢の夫婦であれば、夫亡き後、妻は6年間「おひとりさま」になります。

つまり、既婚者であっても、女性は「おひとりさま」になる確率が高いといえます。年の離れた夫婦であれば、なおさらその期間は長くなります。

おひとりさまの老後で心配になるのは、お金の問題と健康の問題でしょう。

年金だけで生活していけるのか、介護が必要になったら誰に面倒をみてもらうのか、今から考えておく必要があります。

介護の状況を調べた厚生労働省の調査によると、要介護者の年齢構成は、男性は「80~84 歳」、女性は「90 歳以上」が最も多くなっています。

<図1>性別にみた要介護者等の年齢階級別構成割合

出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況/IV 介護の状況」

さらに、「誰が介護をしているか」を表した調査では、要介護者と同居の配偶者(23.8%)が最も多くなっており、次に同居の子(20.7%)となっています。

同居の主な介護者の性別をみると、男性は35%、女性は65%と、女性が多くを占めています。

<図2>要介護者等との続柄別主な介護者の構成割合

※【】内は2016年の数値。出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況/IV 介護の状況」

 

<図3>同居の主な介護者の性別構成割合

出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況/IV 介護の状況」

この結果から見えてくるのは、女性は夫や親を介護し、自分が要介護となった時にはひとりになっている可能性が高いため、子がいれば子に頼るか、介護施設に入居するなどの方法を取らざるを得ないということです。

介護費用の平均は約600万円

生命保険文化センターが行った介護費用についての調査(※)によると、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時的にかかった費用の合計額は平均で74万円、月々の費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は1カ月当たり平均で8万3000円となっています。

介護の期間の平均をみると、61.1カ月となっているので、月々の費用に期間をかけて、一時費用を足すと、トータルで581万円になります。介護費用として、約600万円が必要といえるでしょう。

ただし、月々の費用は、在宅で介護を行った場合と施設で介護を行った場合では、かかる費用が変わってきます。

在宅の場合は平均4万8000円、施設の場合は平均12万2000円となります。一時費用を入れて5年間施設で介護を行ったとすると、およそ800万円になります。

実際は、入居待ちなどでしばらくは在宅で介護を行った後、施設に入居するパターンが多いように思います。

※生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度

【おひとりさまの老後】介護施設の費用の目安

おひとりさまの場合、介護度が軽いうちは訪問介護や通所介護(デイサービス)などを利用すれば、同居の家族がいなくても在宅で介護サービスを受けながら過ごすことが可能です。

介護度が上がって一人では暮らせなくなった場合、施設に入居することになりますが、特別養護老人ホームなどの公的介護施設は、常時介護を必要とする人が自宅において介護を受けることが困難な場合に入居が可能となるため、介護度が重い一人暮らしの人の優先度は高くなります。

介護施設に入るにはどのくらい費用がかかるのでしょうか。

介護施設は大きく分けて公的施設と民間施設があります。

介護施設の種類

出所:筆者作成

公的施設は特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)など、民間施設は介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などがあります。

ここでは、公的施設「特別養護老人ホーム」と民間施設「介護付き有料老人ホーム」の費用を比較してみます。

【公的施設】特別養護老人ホーム(特養)の介護費用

特別養護老人ホーム(特養)は、常に介護が必要な人を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供します。

原則として介護保険制度の要介護3~5の認定が必要です。

特養の利用者負担

利用者が負担するのは、「施設サービス費」+「居住費・食費」+「日常生活費」となります。入居一時金はありません。

施設サービス費は、要介護度と住環境(個室や多床室など)によって金額が異なります。

また、施設サービス費は介護保険サービスが適用されるので、かかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割または3割)になります。

居住費と食費は所得に応じて負担限度額が決められているため、低所得者は負担が軽減されます。

特養の施設サービス費(一例)

※サービス費用は、施設の形態、居室の種類、職員の配置などによって異なります。出所:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」/どんなサービスがあるの? - 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」

特養の1カ月の自己負担の目安

要介護5の人が多床室を利用した場合

施設サービス費(1割):約2万5400円(847単位×30日=2万5410円)

居住費:約2万5650円(855円/日)

食費:約4万3350円(1445円/日)

日常生活費:約1万円

合計:約10万4000円

要介護5の人がユニット型個室を利用した場合

施設サービス費(1割):約2万7900円(929単位×30日=2万7870円)

居住費:約6万180円(2006円/日)

食費:約4万3350円(1445円/日)

日常生活費:約1万円

合計:約14万1000円

要介護度によっても違いがありますが、毎月10万円~15万円ほどかかると見ておけばいいでしょう。

【民間施設】介護付き有料老人ホームの介護費用

介護付き有料老人ホームは民間企業が運営している介護サービスが受けられる施設です。一定の基準を満たすことで、都道府県の指定を受けている施設が該当します。

民間の介護施設は、入居時に支払う一時金と月額費用がかかります。施設によって金額に幅がありますが、月額費用に含まれる介護サービス費(特定施設入居者生活介護)は介護度別に定額となっています。

介護サービス費の利用者負担

出所:厚生労働省「介護報酬/ 4.介護報酬の算定構造」をもとに筆者作成

介護サービス費以外の月額費用は、居住費、食費、その他の費用となりますが、立地や建物、設備の充実度、人件費、サービスの度合いなど、さまざまな要因によって施設ごとに異なります。

入居一時金は0円から数千万円まであります。0円の場合は月額費用が高く設定されるなど、最初に多く払うか、月額費用として分割して初期費用を安く抑えるかの違いといえるでしょう。

そのため、入居一時金の額にもよりますが、だいたい月額15万円から35万円くらいを見込んでおくといいでしょう。

まとめにかえて

施設に入居して介護を受ける場合、公的施設である特別養護老人ホームに入居できれば、入居一時金はいらず、月額10万円から15万円くらいで利用できます。

ただ、費用が安く抑えられる分、希望者が多く、なかなか入居できないのが難点となっています。

一方、民間の施設である有料老人ホームは入居はしやすいものの、入居一時金が高額であったり、月額費用も高い傾向があります。

仮に入居一時金が300万円、月額費用が20万円かかるとすると、5年間で1500万円を費やします。

ひとりの老後を考えた時、自宅で自立した日常生活を長く過ごせるように、健康に気を配る一方で、施設入居も考えて、早くから老後資金の準備をしておくといいでしょう。

参考資料

厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/index.html)

厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況/IV 介護の状況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html)

公益財団法人 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」/サービスにかかる利用料」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html)

厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」/どんなサービスがあるの? - 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group14.html)

厚生労働省「介護報酬/4. 介護報酬の算定構造」(https://www.mhlw.go.jp/content/000775911.pdf)

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