3人育児中の仕事との両立に葛藤「ママのパソコンの音が落ち着く」に安堵したワケ
LIMO / 2022年11月22日 6時50分
3人育児中の仕事との両立に葛藤「ママのパソコンの音が落ち着く」に安堵したワケ
専業主婦、フリーランス、パート、正社員…育児中の女性のキャリア選びの難しさ
厚生労働省によれば、2021年は共働き世帯が1247万世帯、専業主婦世帯は566万世帯でした。
共働きが主流となった現代。「共働きが当たり前」という価値観になりがちですが、それでも働き方に悩むのが妊娠中~小学生までのお子さんをもつ女性でしょう。
ソニー生命保険株式会社が全国の20歳~69歳の女性1000名に行った「女性の活躍に関する意識調査2022」によれば、働く女性の中で「本当は専業主婦になりたい」と思う方は20歳代が最多で、43.2%にもなりました(2022年11月1日公表)。
出所:ソニー生命株式会社「女性の活躍に関する調査2022」
グラフをみると分かる通り、専業主婦になりたくないと考えているのは50~60代が多くなっています。
つまり、共働きが主流の現代であっても、育児との両立に悩んでいる女性は多いとわかりますね。
園児から小学生までの子が3人いる筆者も、子どもが小さいころは特に働き方に悩みました。
今回は3人育児をしながら働き方を変えつつ仕事を続けてきた筆者が感じた仕事と育児の両立についてご紹介します。
専業主婦の時給換算はいくら?フリーランスを選ぶことに
はじめのソニー生命の調査では、家事育児を時給換算した結果も紹介されていますが、家事育児を行い家族をサポートする専業主婦も対価が出ないだけで一つの「仕事」と言えます。
たとえば「(未就学児の)育児・世話」は時給1847円、「(小学生以上の子どもの)育児・世話」は1542円、「PTA活動」は1441円、「食事の準備・後片付け」が1233円、「掃除・洗濯」は1060円などとなっています。
転勤帯同のため産前に退職した筆者は、一旦専業主婦になったものの、以前から希望していた職種に就くために第一子の産後9カ月でフリーランスとして仕事を開始しました。
当時は引っ越ししたての慣れない土地で、近くに頼る人も知り合いもおらず、はじめての育児に翻弄される日々。
まずは3年と目標を決め、はじめは子どもの昼寝中や夜、休日に仕事をしていました。
在宅フリーランスは育児をしながら仕事ができるというメリットがありますが、その反面オンとオフが曖昧になったり、仕事を詰め込みすぎてしまったりする場合もあります。
ただでさえ育児で寝不足なのに、さらに睡眠時間を削るのは良くないと気付き、途中からは仕事をコントロールするように。
第二子、第三子の出産も経て10年ほどフリーランスを続け、その後パート、正社員と働き方を変えながらも仕事を続けています。
仕事と育児の両立に葛藤も
仕事を続ける中で、何度か育児との両立に悩んだこともありました。
特に一時預かりや入園の際には登園渋りが激しかったため、いくどとなく心が揺れました。
きょうだいで熱を出して看病が長引いたり、入院したりしたときにも、看病をしながら仕事のやりくりに悩んだもの。
働く時間が長くなってからも、小学生の間はPTAや平日の行事、個人面談、習い事や宿題を見るなど親がやることは多くあり、仕事との両立は常に試行錯誤の連続でした。
両立自体に悩むことも、またときには「母親が働いているのは良くない」といった声を聞くこともあり、特にはじめの頃は葛藤した覚えがあります。
「ママのパソコンの音が落ち着く」仕事とは何か話す機会も
一方で、子どもたちは休みの日には朝からパソコンに向かう筆者を長い間見ています。
隙間時間を見つけて仕事をすることもあり、パソコンに向かう母に慣れている子どもたち。
特に長男は「ママがパソコンをカチカチしている音を聞くと落ち着く」とまで言うように。
パソコンに向かっている筆者からすれば、パソコンのキーボード音が落ち着く音になるとは思わなかったため驚きましたが、同時に何度も迷いながら続けてきてよかったとも思いました。
5歳くらいからは親が仕事をしていることもよくわかり、また家の中で仕事をするようすも見ています。
「仕事とは何か」「親はどんな仕事をしているのか」「なぜ今の仕事を選んだのか」「自分は何に興味があるか」そのような会話も自然と増え、時には応援してもらうことも。
子どもが0歳のときには想像しなかった経験をしています。
働きやすい環境整備は必要に
仕事を続けてきてよかったと思うものの、特に0~2歳児の育児は休む間もないほど大変ですし、また看病や入院といったことが起こるのも育児です。
共働きが増える一方で、専業主婦を希望する20歳代が多いように、現状の働き方では育児と両立しにくいのは事実でしょう。無理をしながら両立する女性も多いものです。
個人によって価値観が異なり、専業主婦を希望する方もいれば、フリーランス、パート、またフルタイムでの仕事を希望する方もいます。
少子高齢化の今、育児中でも個々人の希望する生き方が無理なく選べるような環境整備が、今よりさらに求められるのではないでしょうか。
参考資料
厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/2-01.pdf)
PRTIMES「女性の活躍に関する調査2022」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000251.000003638.html)
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