【介護施設】グループホームと特別養護老人ホームの費用や入居条件を比較
LIMO / 2022年11月30日 5時50分
【介護施設】グループホームと特別養護老人ホームの費用や入居条件を比較
特養とグループホームの違いをケアマネが解説
介護施設を探していると「施設の違いがわからない」「どの施設を選べいいのだろうか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
介護施設にはさまざまな種類があるため、施設の違いや特徴を理解するのは難しいですよね。
そこで、今回は介護施設の中でも「グループホーム」と「特別養護老人ホーム」を比較して、どのような違いがあるのかをご紹介します。
施設の目的や入居条件、費用の違いを知っておくことで、介護施設が選びやすくなります。ぜひ参考にしてください。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)の違い
両施設の大きな違いは、グループホームは「認知症ケアに特化した施設」であり、一方で特別養護老人ホームは「重度介護者向けの施設」であることです。
両施設の違いについて詳しく見ていきましょう。
それぞれについて詳しく確認していきます。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)の入居条件
では、両施設の入居条件の違いを詳しく見ていきましょう。
グループホームの入居条件
グループホームに入居するには、65歳以上で要支援2または要介護1以上の認定と、医師による認知症の診断が必要です。
また、法律上「地域密着型の施設」のため、施設と同じ市区町村に住所票があることが求められます。
入居のために住民票を移す予定のある人は「住民票を持ってからの期間」を条件としている自治体もあるため、事前の確認が必要です。
特別養護老人ホーム(特養)の入居条件
65歳以上で要介護3以上の認定を受けている人、もしくは40〜64歳で特定疾病によって要介護3以上の認定を受けている人が入居できます。
ただし、要介護1・2の認定を受けている人で、やむを得ない理由がある場合は特例で入居が認められます。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)のサービス内容
次にサービス内容を比較していきます。
グループホームのサービス内容
認知症ケアの専門スタッフが常駐し、入浴や排泄、食事などのサービスが提供されています。
認知症ケアの一環として、調理や買い物、洗濯などの家事は無理のない範囲で入居者が分担して行います。
このことが認知症の進行防止や症状の緩和に効果があるとされています。
特別養護老人ホーム(特養)のサービス内容
看護師と介護職員が常駐し、食事や見守り、健康管理などの生活支援や排泄介助、入浴介助などの介護サービスが提供されています。
また、楽しく充実した生活が送れるようさまざまなレクリエーションや季節ごとのイベントも行われています。
近年では看取りまで行う特養が増えており、終身に渡って利用できる施設も多くあります。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)の費用
費用についても確認します。
グループホームの費用
グループホームでは「初期費用(入居一時金)」と「月額費用」の2つの費用が必要です。
初期費用の入居一時金とは前払金のことで、家賃と管理費をまとめて先に支払います。
入居一時金のないグループホームもありますが、その場合には月額費用が高額になるケースもあります。
月額費用の内訳は「介護保険の自己負担金と賃料、食費、水道光熱費、管理費」などです。
施設の場所や食事内容、介護体制など施設によって金額に差がありますが、だいたい月額15万円〜30万円くらいを見込んでおくといいでしょう。
特別養護老人ホーム(特養)の費用
入居にかかる費用は、月額費用のみです。
公的施設であるため、グループホームと比べると必要な費用が抑えられています。また、所得に応じて費用負担を軽減できる制度が利用できるため、低所得者の方も安心して入居することができます。
月額費用の内訳は「施設サービス費、居住費、食費、その他日常生活費」で、この合計を毎月支払います。
要介護度によって金額に違いがありますが、毎月10万円~15万円ほどかかると見ておけばいいでしょう。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)の注意点
最後に注意点も確認します。
グループホームの注意点
看護師の配置義務がないため、看護師のいないグループホームでは医療ケアに対応できる体制が整えられていません。
そのため、入居後に医療ケアが必要となった場合や、認知症が重度化した場合は退去を求められる可能性があります。
入居前には、施設の医療体制について確認しておきましょう。
また、共同生活が苦手な人はグループホームの生活は不向きな可能性があります。
特別養護老人ホーム(特養)の注意点
入居待機者が多く、施設によっては入居できるまで数年かかる場合があります。
安い費用で入居できるため人気が高く、申し込みをしてもすぐの入居は難しい傾向です。
1日でも早く介護施設に入りたいという人は、有料老人ホームなどの介護施設を一時的に利用して、特養の順番を待つという方法もあります。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)に向いている人とは
最後にそれぞれ向いている人をまとめます。
グループホームに向いている人
認知症の診断を受けている人
住み慣れた地域で暮らしたい人
共同生活を問題なく送れる人
医療ケアを必要としない人
特別養護老人ホーム(特養)に向いている人
介護度の高い人
費用を安く抑えたい人
終身で利用したい人
施設選びに悩んだ時には、それぞれの施設を比較して目的や希望に合った施設を選ぶことが大切です。
また、地域の老人ホームに関する情報収集や相談は、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すると良いでしょう。
参考資料
厚生労働省 介護サービス情報公表システム(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/)
厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000647295.pdf)
厚生労働省 『介護報酬の算定構造(令和3年4月施行版)』(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000728262.pdf)
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