アレルギー児の親が抱える心の葛藤との向き合い方
LIMO / 2017年12月30日 20時40分
アレルギー児の親が抱える心の葛藤との向き合い方
アレルギー児の親は、様々な心の葛藤を抱えますよね。我が家の7歳長男も食物(20種類以上)・犬猫・ハウスダストのアレルギーに加え、花粉症、軽度のアトピー、さらに軽度の喘息が疑われ、小学校には給食でなくお弁当を持参しています。7歳になるまで5回ほど、大きく心が動揺する出来事がありました。
我が家のアレルギーの流れ
長男のアレルギーが発覚したのは、7カ月のとき。ヨーグルトを食べた後、口の周りにポツポツが出て痒がり、血液検査で「乳製品・卵・小麦・ピーナッツアレルギー」が発覚しました。
夫には昔、卵アレルギーがありましたが、筆者はアレルギーの知識ゼロ。知識がないことにとても恐怖を感じました。アレルギー症状も、何をどう気を付ければ良いのかも分からない。大雑把な性格ゆえ、自分にアレルギー管理が務まるだろうかと思ったのです。
その後も動揺は続きます。3歳でハウスダストアレルギーが最高値で発覚したとき、4歳で原因不明の顔面発赤が一時期毎夕出たとき、5歳でそれまで食べていた野菜・フルーツでアレルギーを起こしたうえ、最高値の花粉症も発覚したとき、7歳で軽度の喘息の可能性を指摘されたとき。
その都度、大きく落ち込みました。目の前が暗くなり、その日は1日中、心ここに在らず。周囲からかけられる「成長すれば治る」という励ましも、見事期待を裏切ったわけです。現在でもナッツ類・ハウスダスト・花粉症・フルーツは少量でも気の抜けない日々を送っています。
マイナスの感情は発散が大事
5回ほど動揺を経験したこともあり、立ち直り方もわかってきました。まず大切なのは、きちんと落ち込むことです。前向きでいようとカラ元気を出したときもありましたが、感情に蓋をすると後でツケが回ってきます。
特にアレルギーは長い付き合いになります。症状を起こしたり、他人からの何気ない言葉で蓋をしていた感情が溢れ出し、子どもに勘付かれることも。しっかり落ち込んで、マイナスの感情を発散させてあげましょう。大事な我が子にアレルギーがわかったのですから、親として落ち込んで良いのです。
一度しっかり落ち込んでおくと、次に落ち込む機会があっても、少し早く立ち直れます。何度か落ち込むことで、徐々に感情は落ち着き、現実的にどうすべきかという方向へ目線がいくでしょう。
アレルギーの有無関係なく我が子が一番
アレルギーのない子と我が子を、比べてしまうこともあるでしょう。周囲の人から様々な言葉をかけられることもあると思います。筆者も「うちの子はアレルギーがなくて良かった。市販品は何でも食べられるから、どこにでも行けるしすごい楽だよ。やっぱり健康が一番だよね」と言われたことがあります。
いくらでも他の子と比較できますし、いくらでも「もし〜だったら」という仮定の話はできます。時には親である自分を責めることも、いくらでも可能でしょう。だからといって、現実的に何が変わるでしょうか? 何も変わりませんよね。せいぜい暗く悶々とする親の顔を、子どもが横で見ているくらいです。
色んな子がいますが、我が子は他に替えのきかない、たった一人のかけがえのない存在。アレルギーが有ろうが無かろうが、自分の子はこの子が良い、と誰もが思っていると思います。その気持ちさえあれば、あとは本来考えるべき現実的な対策に目線を変えましょう。
たしかに親としても、食べたいものを我慢させることは心が痛みますよね。我が家では学校から「アレルギーは個性の一つ」とお話をされました。そこから子どもには、「心地よく毎日を過ごすための自分の体との付き合い方を考えよう」と話をしています。
アレルギーだけではなく、人にはそれぞれの体質があります。たとえば筆者は胃腸が弱いので、冷たいものを控えたり、毎日野菜を多く摂ろうと心がけています。その一環としてアレルギーを捉えることを選びました。
神経質と言われたら合格点
他にも難しいのが、祖父母世代との付き合い方。「何でもたくさん食べることが良い」という考えをもつ人が多いですよね。可愛い孫に食べさせたい気持ちから、「これぐらい大丈夫でしょう」と勧められることも。アレルギーに対して知識がゼロという人も少なくありません。
一方でアレルギーは、「これぐらい」が最悪の事態を引き起こすこともあります。逆に食べさえしなければ、症状を起こすこともなく、騒ぎも起きません。親が「これぐらいもダメ」と割り切る強さを持つ必要があります。
まだまだ理解が求められず、「神経質過ぎる」という目で見られることもありますが、こればかりは時代もあるので仕方ないでしょう。むしろ神経質と言われて合格点、と考えています。
何にでもプラスとマイナスはあるもの。アレルギーと向き合うことで物事の捉え方が変わったり、自分なりの考えを持つことができるようになったことは一つの財産のようにも感じています。悩みつつもまた、向き合っていきたいと思います。
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