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会社員の増税、給与所得控除引き下げの影響はどのくらい?

LIMO / 2018年1月8日 21時15分

会社員の増税、給与所得控除引き下げの影響はどのくらい?

会社員の増税、給与所得控除引き下げの影響はどのくらい?

年収850万円超が増税に

2020年から給与所得控除などが見直しに

2020年から、給与所得控除や基礎控除の改正が行われることが決まりました。具体的には、給与所得控除については以下のようになります。

    年収850万円を超える会社員については、給与所得控除の金額を195万円で頭打ちにするとともに、すべての給与所得控除を10万円引き下げる。

    年収2,400万円の高給会社員を除いて、全員が受けられる基礎控除を10万円引き上げる。

給与所得控除の10万円の引き下げは、基礎控除の10万円の引き上げと相殺されるため、多くの会社員にとって、残る部分は給与所得控除の上限が195万円で頭打ちになることです。

今回は、給与所得控除や、どれくらい税金が上がるのかということを見ていきます。

給与所得控除は会社員のみなし経費のようなもの

自営業者は、非常に簡単に言えば、売上から仕入れなどの費用を引いた差額が所得となります。

一方、会社員は、取引先との打ち合わせ費用や、事務用品や交通費など多くの経費は会社が負担してくれるため、業務上の経費分として給与手取り額の一部を充てているという方はほとんどいません(たまに自爆営業なる行為があったりもするのですが)。

それでも、通勤費が自己負担になっている場合の交通費や、スーツ代、スキルアップのための研修費用など会社勤めをしているからこそ発生するような支出も中にはあります。このようなものは、会社員にとっての経費と言えます。

しかし、もし従業員が各自思い思いの経費を会社に提出してきたらどのようなことになるでしょうか? おそらく年末調整のときに給与計算の担当者が悲鳴を上げてしまいます。

そこで、会社員については、実際に各自いくら経費を支出したかということはさておき、給与額面の一定額を経費として計算しましょう、ということになっているのです。

この経費とされる一定額が給与所得控除と呼ばれるものです。たとえば、年収500万円の人の給与所得控除は、(年収 × 20% + 540,000円)= 154万円といった具合です。

この金額を額面である500万円から引いて、さらに社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除などの各種控除を引いて所得税を計算します、

増税額はどれくらい?

2020年の改正でどれくらい増税になるのかを見てみましょう。

年収900万円の会社員を例にとってみます。2017年では年収900万円の場合、給与所得控除は210万円です。これが2020年からは195万円になるため、課税される金額が15万円多くなる計算になります。

医療費控除や扶養控除などの金額にも影響されますが、年収900万円の場合、適用税率は20%のケースが多いため、増税額としては、15万円 × 20% = 約3万円となります。さらに、住民税も考慮すると15万円 × 10%(住民税の税率は基本的に10%の定率です)= 1万5,000円となります。

結果的には、年収900万円の場合、年間で4万5,000円程度の増税になると考えられます。

ただ、日本の給与所得控除は諸外国に比べて高いとも言われています。確かに、上記の例で年収500万円の人が自己負担で154万円もの経費を自腹で払うとも思えません。自営業者と比べて会社員が優遇されているといわれる所以でもあります。

一方で、自営業者と比べて、会社員は所得の把握率が高いとも言われています。つまり、会社員は会社を通して所得の申告が行われるので、自己申告の自営業者と比べて、所得の数字が国に分かりやすいということです。所得の捕捉率が会社員:自営業者:農林水産業者 = 9:6:4ということで、クロヨンという言葉もあるくらいです。

この割合が1:1:1であればもっと給与所得控除が低くないと自営業者との均衡が取れませんが、現状の所得の把握の程度からすれば、給与所得控除も多少割高でないと自営業者との間で不公平感が生まれてしまうかもしれないですね。

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