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投資で失敗する人が必ずはまる「王道パターン」

LIMO / 2018年1月13日 10時15分

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投資で失敗する人が必ずはまる「王道パターン」

なぜ、気づかぬ間にこうなっちゃうの?

 投資の鉄則といえば、「安いときに買って、高いときに売る」。考え方自体はいたってシンプルなものです。

 しかし中には、うまく運用しようとして「高いときに買って、安いときに売る」という逆のことをやってしまう人がいます。持っていた銘柄が高値で売れた後に「やっとひと息ついたな」と思っても、これまでの損益を合計してみると、実は思っていたより儲かっていなかったり、むしろ損をしてしまっていたりすることもあります。恐ろしいのが、こうした状況に「気づかぬうちに」陥ってしまうことです。

 なぜ、こうした「逆鉄則」を踏んでしまうのか、特にどんな人がそのような状況に陥りやすいのか、そしてどうすれば回避できるのかを、書籍『投資信託でうまくいく人、いかない人』の著者・白石定之さんが解説します。

失敗の典型パターン

 具体的に、どのようにして「失敗パターン」に陥ってしまうのか。株式を例に、投資家の心理を、株価を追いながら見てみましょう。

1.株価1000円で買付
「この銘柄は上がりそうだ」
株が上がることを期待。

2.1200円に上昇
「やっぱりオレの目は正しい」
すぐに上昇したので、気分は高揚。自分は腕がいいかもと思っている。

3.1100円に下落
「1200円で売っておけばよかった。また1100円まで戻ったら売ろう」
ほんの少しだけ悔しさはあるが、まだ余裕がある。

4.1200円に上昇 → 売却(+200円)
「1200円になったから売却だ。やっぱりオレは株の天才だな。もう1回1000円に下がったら買い直そう」
利益を挙げて嬉しい状態。「株は簡単だ」と思っている。自信があり、やる気も十分。

高揚感の後に……

5.1400円に上昇 → 買付
「1200円で売るんじゃなかった! この銘柄はまだまだ上がりそうだから、買い直しだ!」
きちんと利益は出ていたのに、「早く売却してしまったこと」を損したように思って後悔。注目した銘柄が上がっていく状況に我慢できずに乗ってしまう。

6.1500円に上昇
「やっぱりオレの注目した銘柄はすごい!」
またすぐに上昇したことに気分は最高潮。

7.1400円に下落
「1500円で売っておけばよかった。もう一度1500円になったら売ろう」
高揚感が少し薄れてきている。

8.さらに1300円に下落
「1500円で売ろうと思っていたのに! 1400円まで戻ったら売却しよう」
売り場を逃したことを後悔している。

9.1380円まで戻すも再び1300円に
「なんで戻らないんだ!」
とても悔しい状態。絶対にマイナスにはしたくないと思っている。

10.1000円に大きく下落 → 売却(-400円)
「もうダメだ。もっと下がったら損が大きくなってしまうから売却だ。いったん仕切り直しだ」
血の気が引き、青ざめている。さらに下がるかもしれないという怖れがある。

11.900円に下落
「売っておいてよかった。まだ下がりそうだから、下がったところで買い直そう」
売却後にさらに株価が下がり、内心ほっとしている。

 この時点で累積では200円のマイナスとなりましたが、さて、このあと「仕切り直し」はうまくいくのでしょうか?

仕切り直しは成功するか?

12.1050円に上昇 → 買付
「1000円で売るんじゃなかった! 900円で買っておけばよかった。まだ上がりそうだから1050円で買おう!」
イライラして、冷静な判断ができない状態。

13.1100円に上昇
「1050円で買ってよかったけど、900円で買っていればもっとよかったのに」
上がったことに悪い気はしていないが、「思い通りに株価が動かなかったら許さないからな」くらいの思いを持っている。

14.1000円に下落
「俺が売ったら上がって、買ったら下がりやがって!」
怒りが収まらず、イライラは最高潮。

15.900円に下落
「もうダメだ……」
再度、血の気が引いている。

16.さらに800円に下落
「もう見たくもない! こんな会社、大嫌いだ!」
絶望の状態。その会社に対する怒りも最高潮に。

17.さらに下落し、低迷状態に
「……」
怒りを通り越し、あきらめの状態。株価を見ても不愉快になるだけなので、見もしないようになり、そして塩漬けに……。

投資未経験者には理解できない心理

 このケースでの売り買いの結果は、

・1000円で買付、1200円で売却[+200円]

・1400円で買付、1000円で売却[-400円、累積-200円]

・1050円で買付、その後、塩漬け

となっています。

 投資をしたことのない方は「なんでそうなるの? 安いところで買って高いところで売ればいいじゃない」と思うかもしれませんが、冒頭にも触れたように、知らず知らずのうちにこのような心理に陥ってしまう人が非常に多いのです。

 株式のケースで見ていったので、多少、極端ではありますが、たとえば投資信託でも、(ここまで極端ではないにしろ)同じような心境になってしまう人も多いのではないでしょうか。

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筆者の白石さんの著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

まとめ

 上記のような「逆鉄則」を取ってしまう人の共通点は、「積極投資型」のスタンスを取っていることです。

 積極投資型とは、「すぐに儲かりそうなもの」を欲していて、短期でより大きなリターンを得ようとしているスタンス。株価の動きはある程度、予測できると考えており、そのため小さな変動にも感情が揺れ動いて「一喜一憂」します。その「一喜一憂」の感情に乗せられて、焦りから売ったり買ったりを繰り返してしまい、気づいたら「高いときに買って、安いときに売る」という状態に陥ってしまうのです。

 失敗を避けるには、「積極投資型」のスタンスを意識的に捨て、すぐに結果を求めないことです。

 手軽に、身近になってきている投資。しかし、その分、「短期でリターンを求める人」が増えてきています。そのような投資は、マーケットのちょっとした上下に心を乱されて疲れてしまうだけでなく、多くの場合、よい結果をもたらしません。少なくとも一度、あなたが持っている銘柄が真価を発揮するまで待ってみることも必要ではないでしょうか。

(『投資信託でうまくいく人、いかない人』をもとに編集)

 

■ 白石 定之(しらいし・さだゆき)

中学3年のときから父の勧めで株式投資を始める。慶應義塾大学理工学部を卒業後、日立製作所、野村證券を経て独立。IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として活動後、マネーブレイン株式会社を設立、代表取締役に就任。

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