黒田緩和を偽薬だと気づいていない人に驚く

投信1 / 2018年1月14日 21時20分

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黒田緩和を偽薬だと気づいていない人に驚く

再び「美人投票」は起きるか?

日銀の異次元緩和は偽薬なのに、それに気づいていない人が多い、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は指摘します。

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先日、『日銀はインフレ率2%にこだわらず超緩和を止めよ(http://www.toushin-1.jp/articles/-/4913)』を寄稿したところ、多くの賛同と共に、多くのご批判をいただきました。その主なものは、異次元緩和をやめたらデフレに逆戻りする、というものでした。これは意外でした。

異次元緩和は偽薬だった(周知の事実だと思っていたが・・・)

黒田日銀総裁が異次元緩和を打ち出した時、「これで世の中に資金が出回り、物価や株価やドルが値上がりするだろう」と考えた人は大勢いました。株およびドルは、そうした人々が値上がり期待から買い注文を出したため、実際に値上がりしました。

しかし、実際には世の中に資金は出回りませんでした。日銀が銀行から国債を購入して代金の札束を銀行に送りましたが、銀行はそれを貸出に用いることなく、そのまま日銀に送り返してしまった(銀行が日銀に持っている準備預金の口座に入金した)からです。

つまり、「黒田日銀総裁の大胆な緩和で世の中に資金が出回り、事態が改善する」と信じた人々(失礼を顧みず、本稿では黒田教信者と呼びます)は間違えていたのです。しかし、彼らのおかげで株価やドルが値上がりし、景気が回復したのですから、これは素晴らしいことでした。

医学には「偽薬効果」という言葉があります。医者が患者に薬だと偽って小麦粉を渡すと病気が治癒してしまうことがあるそうなのです。病は気から、ですからね。今回は、これと同じことが起きたわけです。世の中に資金を出回らせることができない小麦粉を市場参加者に渡して、「これは世の中に資金を出回らせる薬だ」と言ったわけですから。

筆者は、黒田日銀総裁を「嘘つきだ」などと批判するつもりは毛頭ありません。まして、「小麦粉を薬だと信じていたヤブ医者だ」などと思ったこともありません。景気を回復させた「名医」であると高く評価しています。

余談ですが、筆者は元銀行員ですから、異次元緩和によっても世の中に資金が出回らないことを知っていましたが、株とドルを買って儲けました。美人投票の世界では、人々が誤った情報に基づいて行動している間は、その流れに乗った方が儲かるからです。投資元本が少額だったので大金持ちにはなりませんでしたが、何度か飲みに行きました。黒田日銀総裁に感謝しながら乾杯をしたものです(笑)。

投信1

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