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地方都市の優等生なのに、名古屋はなぜ魅力がないのか

LIMO / 2018年1月20日 20時20分

地方都市の優等生なのに、名古屋はなぜ魅力がないのか

地方都市の優等生なのに、名古屋はなぜ魅力がないのか

魅力と安定は反比例する?

主要8都市中、最も魅力がない都市は、名古屋

「地域ブランド調査 2017(http://tiiki.jp/news/05_research/survey2017)」の都道府県の魅力度ランキングによると、トップ3は北海道、京都府、東京都の順でした。市町村別では、京都市、函館市、札幌市の順になっています(2017年10月10日、ブランド総合研究所)。同調査で21位の名古屋市は、名古屋市が16年に行った都市ブランド・イメージ調査(http://www.city.nagoya.jp/templates/kaigikekka_2016_2/cmsfiles/contents/0000084/84533/chousakekka.pdf)ではなんと、全国主要8都市中「最も魅力のない都市」になっています。

名古屋市といえば、バブル崩壊後の不況をものともせず好景気を続けた都市です。当時いくつかの都市の商工担当者に電話インタビューしたときも、他地区は「有効な打開策はない」との回答だったのに反し、名古屋は「今はいいけれど、この流れが変わったときの方向性を考えていかなければならない」とのことでした。

日本中が現状に右往左往するさなか、未来に目を向けていたわけですから、うらやましいかぎり。不思議なことに、このインタビューのなかで最も声が暗かったのは、名古屋でした。

買い物や遊びで名古屋を選ぶ人は、群を抜いて低い

ピンチに強い、名古屋。安定志向が強まる時代にあって、名古屋は地方都市の優等生とも言える存在です。それなのに、なぜ、最も魅力のない都市なのかが気になります。

理由として考えられているのは、名古屋市の調査では観光やショッピングの場所としての魅力がメインになっていることです。「買い物や遊びで訪問したいか」との問いに、1位の京都市は37.6ポイント、7位の大阪市が16.8ポイントなのに対して、最下位の名古屋市は1.4ポイントと群を抜いて低くなっています。

名古屋は製造業が優秀であったため、観光事業に目を向ける必要性がなかったからだという見解があります。また地下街が広いため、地上に人がいないからだという見解もあります。

信長・秀吉・家康に続き、江戸時代も大名の70%が名古屋出身

観光はさておき、名古屋駅前は未来都市のようにオシャレな空間が広がり、全国的に名の通った栄のような繁華街もあります。地下街は全国2位の広さを持つものの、地上にも人はあふれています。

歴史を見ても戦国の三英傑、信長・秀吉・家康は名古屋圏(尾張・三河)の出身です。江戸時代に入ると全国の大名の70%が名古屋圏の出身だったという説もあるようです。300年近くも安定した時代を築いた陰には、名古屋人の資質を見逃すことができません。

魅力と安定は、反比例する?

事実を知れば知るほど、名古屋は地方都市の優等生です。それなのに、「魅力のない都市」と言われて否定できない部分があるのもたしかです。タレントのタモリ氏もかつて名古屋を揶揄するネタを盛んに連発していました。

そこで名古屋出身者に、「魅力のない都市と言われてどう思う」と尋ねると、「だって本当に何もないもん」と言い反論する様子はありません。商工担当者へのインタビューで最も暗い声を発し、他地区の調査では最下位ではないのに当の名古屋市の調査では最下位になったのと重なるように思います。

名古屋に魅力がないのは名古屋人が、恵まれすぎた郷土に魅力を見出していないことが他地区の人に反映した結果かもしれません。魅力って、何でしょうか? 魅力と安定は、反比例の関係にあるのでしょうか?

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