「仕事と割り切れない」Z世代が退職・転職を考える場面
LIMO / 2023年12月12日 20時35分
「仕事と割り切れない」Z世代が退職・転職を考える場面
社内環境が合わなかったのかも? どんな意見を持っているのか調査
価値観が違うと言われやすいZ世代。最終的には人それぞれであるものの、傾向による差異を感じている人が多いと考えられます。特に忘年会や新年会など、コミュニケーションが活発になる時期は、違いが堅調に表れやすいですよね。
採用担当や経営者を中心に、「なぜ退職してしまったのか?」「転職をしてしまったのか?」を検討する際に、各世代の傾向を掴んだり、社内環境を見直したりするところから始まるのではないでしょうか。
そこで今回は、26歳までの有職者を対象に、「仕事のため」と割り切れないことを確認。2023年12月1日に実施された日本インフォーメーション株式会社の調査や2023年11月20日に実施された株式会社ライボの調査を参考に、実態を探っていきます。
プライベートの時間を割いて「仕事の付き合い」をすること
「仕事のため」で割り切れないと回答した人の意見
筆者がZ世代に「仕事でも割り切れないこと」を聞いたところ、職場コミュニケーションで話題になることがある「飲みニケーション」を筆頭に、プライベート時間へのシビアな意見が見られます。
「飲み会で上司の機嫌をとるとか、全く意味が分からないです。自分のご機嫌は自分で取ってくださいと思ってしまいます」(25歳・女性)
「会社より家族が優先なのは当たり前ですし、仕事に関係が無いことに関しては時間を費やす義務はないと思っています」(26歳・男性)
「行きたい人はいけばいいし、行きたくない人を強制的に行かせるのは大問題だと考えています」(24歳・女性)
飲み会が好き、上司とプライベートで遊ぶのが好きなど、気持ちがマッチしていたら問題がないはず。実際に「飲めるとわかったらあちこち連れて行ってもらっているけれど、お金がかからないから嬉しい」という声もあります。
飲み会自体、苦手な人が多い
特に飲み会は、好き嫌いの分かれるもの。日本インフォーメーション株式会社が20歳〜26歳の1800人を対象に飲み会について調査したところ、飲み会の雰囲気が好きな人は25.9%、友人関係において必要性を感じている人は27.5%という結果でした。
仕事関係において必要性があると感じている人は、23.6%であり、友人関係と比べると少ないことがわかります。
また、中でも注目されるのが女性の数字です。女性の約4割は上記の項目において、「当てはまらない」と回答しています。
同調査の結果により、日本インフォーメーション株式会社は「飲み会は、コミュニケーションの手段として重視されなくなってきている」と総括しました。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
社内行事の余興を考えること
「仕事のため」で割り切れないと回答した人の意見
余興を考えたり出し物をしたりすること自体、苦手な人は多いのではないでしょうか。
それが「新入社員など経験年数が低い人がやるもの」となると、「仕事のため」で割り切れなくなってくるようです。
筆者がZ世代に「仕事でも割り切れないこと」を聞いたところ、以下の回答が得られました。
「新入社員が毎年の新年会で出し物するという決まりがありました。暦が長ければまだ新入社員を楽しませるためと割り切れるかもしれないけれど、こっちがやること?」(23歳・女性)
「みんな疲れている中、社内イベントのために仕事終わりに集まってどんな出し物をするか考えたり、出し物の練習をしたりしている時に、本当になにをやっているのだろうと思っていました」(26歳・女性)
「同じ苦労をするのかと思うと、絶対に無くした方がいい風習」(25歳・男性)
イベント自体は参加意欲が高い
Z世代に限らず、忘年会、新年会、お花見会、納涼祭といった社内行事が苦手な人はいると思います。Z世代は意外と参加意欲が高めなようです。
株式会社ライボが1037名の20〜50代を対象にアンケートを実施したところ、「参加したい派」が61.5%と、他の年代に比べても高い割合が出ました。
ところが、余興の役割が回ってくると、ゲンナリしてしまうことがわかります。慣れない仕事の中、別のことをする余裕がないことも理由ではないでしょうか。
ステレオタイプで見られ自分を理解してもらえないこと
「仕事のため」で割り切れないと回答した人の意見
Z世代やY世代といった言葉が悪く働いてしまった例です。仕事の付き合いは淡白と言われがちなZ世代ですが、かといってコミュニケーションを蔑ろにしているわけではありません。
筆者がZ世代に「仕事でも割り切れないこと」を聞いたところ、以下の回答が得られました。
「上司の人は当時30代くらいの方で、よく『新卒だからもっとフレッシュに行こう!』と言われました。フレッシュって言われても正直ピンとこなかったです」(26歳・男性)
「Z世代に見られる傾向はあるのだと思います。でも、いざ対人関係になって『Z世代だから〜』で割り切られるのは嫌。自分と言う個人を見られていないようで……。入社して3か月で会社を辞めました」(24歳・男性)
Z世代のことを知るために、Z世代の特徴を押さえておくのは大事かもしれませんが、どんな調査でも例外はつきもの。
人を簡単にカテゴライズできるわけもありません。最終的には、その人個人のことを知ろうとする必要があるのではないでしょうか。
インターン生で構成されるLIMO・U23編集部も、「Z世代って範囲が広すぎでは?」「興味があることやクラスターで考え方が違うかも」のような議論をよくしています。
重要なのは価値観を知ること
飲み会や余興など、せっかく楽しいと思っても相手がそう思っていないのであれば意味がありません。
自分を軸に考えて相手の気持ちを推測ってしまいがちですが、「違うかもしれない」という可能性を念頭におくことが、本当のコミュニケーションと理解につながるのではないでしょうか。
ジェネレーションギャップという言葉がありますが、想像以上に受け取る側は感じている可能性があります。
参考資料
日本インフォーメーション株式会社「Z世代のイマ ~アルコールとの距離感~ Z世代にとって飲み会は、多様な楽しみ方で参加する食事会!」(2023年12月1日)PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000048646.html)
株式会社ライボ「Job総研による『2023年 忘年会意識調査』を実施 実施5割超え コロナ前の水準に回復も“必要性”には賛否」(2023年11月20日) PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000189.000013597.html)
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