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1カ月で50%下落、それでも仮想通貨を持ちたくなる理由とは?

LIMO / 2018年1月21日 20時20分

1カ月で50%下落、それでも仮想通貨を持ちたくなる理由とは?

1カ月で50%下落、それでも仮想通貨を持ちたくなる理由とは?

注目される24日の格付け公表

仮想通貨市場は年初から荒れ模様となり、ビットコインは昨年の高値から一時50%の下落に見舞われています。何が起きているのか、今回は最新の情報をアップデートしつつ、中長期的な展望をご紹介します。

仮想通貨、規制強化の動きで軒並み急落

“仮想通貨元年”と呼ばれた2017年、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価値が軒並み急上昇しました。しかし、2018年に入ってからは規制強化の動きが逆風となり苦戦が続いています。

最も大きなインパクトは与えたのは韓国で、17日にはすべての仮想通貨取引所の閉鎖の検討が伝えられました。

新規仮想通貨公開(ICO)の禁止や実名での取引の義務付けなど、これまでも規制が強化されてきましたが、相場の過熱が収まらないことから締め付けが一段と厳しくなっています。韓国はビットコインの取引量で日本、米国に次ぐ3位といわれていますので、相応の影響があった模様です。

また、中国も規制強化に動いています。中国では昨年、既に仮想通貨取引所が閉鎖されていますが、規制を回避したネット取引が横行していることから対象を拡大し、取引所と類似のサービスを提供する集中型の取引(マーケットメイク)や決済サービスへのアクセスも禁止されることになりました。

規制の動きは世界な広がりを見せており、国単位ではなく世界的な規制が始まるのではないかと懸念されています。

ドイツの金融当局者は15日、仮想通貨の取り締まりは各国ではなく国際的な協力の元で作成すべきと発言。フランスでは仮想通貨に対する特別委員会が設置され、規制の準備が進められる中、同国の提言により4月に予定されているG20で仮想通貨の規制が協議される見通しとなっています。

ETFの申請を相次いで取り下げ、SECが懸念

また、仮想通貨ビットコインの上場投資信託(ETF)の米証券取引委員会(SEC)への上場申請が1月上旬に相次いで取り下げられたことも影響したようです。

ビットコインはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が先物を上場させた12月18日に過去最高の1万9511ドルをつけており、先物市場への上場が投資魅力を高めたと考えられています。さらに、ETFの上場で投資家の裾野が拡大するとの期待も高まっていました。

CMEは世界最大の取引所であり、規制の対象となることから、信用度が増すことでETF上場のハードルが下がると考えられたからです。しかし、SECがビットコイン先物の裏付けとなる資産の流動性やバリュエーションに懸念を表明したことから、上場の申請は取り下げられることになりました。

SECは仮想通貨に投資する市場参加者の多くが証券取引法に「従っていない」と指摘。SECが懐疑的な見方を維持していることが明らかとなり、ETF上場で投資家の裾野が広がるとの思惑が後退したようです。

投資環境の整備は着々と進む

ただし、規制強化の動きは必ずしも負の側面ばかりではありません。たとえば、日本では法整備が進んだことで仮想通貨のメッカに躍り出たといえるでしょう。

日本ではいわゆる“仮想通貨法”が2016年5月に可決され、2017年4月1日から導入されました。仮想通貨取引所が登録制となり、9月29日には正式な登録業者が公表されるなど、投資環境を整えています。

また、投資環境の整備は民間でも進んでいます。モルガン・スタンレーは18日、機関投資家向けのビットコイン先物決済サービスへの参加を表明しました。ウォール街では既にゴールドマン・サックスが同様のサービスを提供することを明らかにしています。

さらに、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)は18日、仮想通貨に関するデータを機関投資家に提供するサービスの開始を発表。日本でも三菱東京UFJ銀行が15日、仮想通貨「MUFGコイン」を発行し、2018年度中に自らの取引所を開設するとしています。

また、国家レベルでも仮想通貨発行の動きがあります。最近ではベネズエラが原油を裏づけとする仮想通貨“ペドロ”による資金調達を試みていますし、イギリス、カナダ、ロシアなどでは以前から開発が伝えられています。

こうした中、シンガポールで仮想通貨プロジェクトが進んでおり、シンガポール中銀も仮想通貨発行の可能性を否定していないことから、最初の“法定仮想通貨”の登場が期待されています。

バブルははじけても技術は生き残る

仮想通貨がバブルかどうかの議論は後を絶ちませんが、未来を予言することはできませんので、上がるとか下がるとかを考えてもあまり得るものはないのかもしれません。

また、ITバブルで破裂したのはIT企業の株価であってITそのものではありません。優れた技術は生き残ります。仮想通貨の仕組みを支えているブロックチェーンや暗号技術が将来も有望であるのかどうかが重要となりそうです。

仮想通貨に好意的なシンガポールの通貨当局者は、最近の仮想通貨の急落に関して「熱狂が覚め相場が崩壊しても、仮想通貨やブロックチェーンに関連するより深く有意義な技術(の発展)が阻害されないことを望んでいる」とコメントしています。

24日の格付け公表に注目

こうした中、米格付け会社Weiss Ratingsが24日にビットコインを含む主要仮想通貨の格付けの公開を予定しています。ここには少なくとも時価総額上位の15銘柄が含まれるようですが、同社は「多くの仮想通貨が過大評価されており、暴落のリスクがある」と指摘しています。

格付けは“安全性”に基づいており、決して“値上がりしそうなリスト”ではありません。どのような評価が下されるのかに関心が集まっています。また、これを機に大手格付け機関も追随すると考えられていますので、今後の動きにも注目です。

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