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妻子の待つ家に帰りたくない「フラリーマン」の悲哀

LIMO / 2018年1月29日 12時5分

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妻子の待つ家に帰りたくない「フラリーマン」の悲哀

ビジネス、今日のひとネタ

2017年、政府が大々的に旗振り役を務め、「働き方改革」としてさまざまな試みが行われました。しかし、光があればそこに影も生まれるもの。よい影響ばかりではなかったようです。たとえば、みなさんは「フラリーマン」という言葉を耳にしたことありますか?

働き方改革のダークサイド

フラリーマンとは、「まっすぐ帰宅せずにフラフラして時間をつぶす、家族持ちの男性会社員」のこと。これは、以前は「家庭を顧みなかった男性が、定年を迎えて家庭での居場所を失い、夜の街をふらふらとさまよう姿」を指して使われた言葉だったそうです。しかし、最近は使い方が変わってきました。

政府が主導する働き方改革の影響で「残業時間の削減」や「定時退社の義務づけ」に踏み切る企業が増えてきたことで、行き場をなくしたサラリーマンが急増しており、今はそのような人々を指していうようになったのです。

彼らは時間つぶしにあまりお金をかけるわけにもいかないので、ファーストフード店や書店、家電量販店などでさまよい、時間が過ぎ去るのを待っているとのことです。

まっすぐに帰れない苦悩

フラリーマンになる人の心理は「家に帰りたいけど帰れない」。

仕事人間だったので家で何をしたらいいかわからない、家事や育児を手伝ってみたけど妻から「やり方が違う」と言われてしまってやる気をなくした、たまに早く帰ると「なんでこんな時間に帰ってきたの?」と言われたり邪魔者扱いされたりする、せっかくの空き時間だからゆっくり過ごしたい……と動機は人それぞれのようです。

しかし、パートナーに「残業してくる」と嘘をついたり、「飲み会に行く」と連絡したりするのは、罪悪感も募りますし、あまり健全な過ごし方とはいえないでしょう。

女性側の意見は?

この問題に対して、女性の意見は「働く母親は寄り道をすれば『母親失格』といわれるのに、どうして父親は……!」「共働きなんだから家事ぐらいしてほしい」「そもそも何のための働き方改革?」などというように、育児や家事に関した不公平を唱える声、「子どもを産みやすい社会」「女性が活躍する社会」などの働き方改革の本質に言及する声などが多いようです。

たとえ社会で働き方改革が推進されていても、家庭で意識されていないなら、現状は変わりません。

副業や勉強の時間にする?

解決策としては、理想的には夫婦間で一度話し合うのがベストでしょう。家事の担当を決める、お互いに1人の時間をつくれるようにする、といった「分担」を中心とする対策などが考えられます。

また、特に今年度の厚生省のガイドラインでは、「副業」「兼業」を推進する方針を示しています。やはり育児・家事をするのは難しいという方は、こうした「波」に乗って副業をしたり、スキルアップのための勉強時間にしたり、といった有効な時間の使い方に変えるやり方もあるかもしれません。

いずれにせよ、フラリーマンの「居場所がなくてフラフラしている時間」を、本人はもちろん、家族、社会にとってもっと有効に使うために、何か妙案が出てくることを祈りたいところです。

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