【介護】65歳以上の8割超が「介護費用は自分のお金から」と回答。介護の費用や期間の平均はどのくらい?
LIMO / 2023年12月26日 22時5分
【介護】65歳以上の8割超が「介護費用は自分のお金から」と回答。介護の費用や期間の平均はどのくらい?
年末年始は「親の介護のきっかけづくり」の絶好のチャンスです
新型コロナウイルス感染症の5類移行後、はじめて迎える年末年始。ここ数年控えていた実家への帰省を計画している家庭も多いでしょう。
年末年始の帰省は介護のきっかけをつかむ大切な機会でもあります。シニア世代の親の、健康状態や認知面、そして「資産状況」はある程度把握しておけると良いですね。
今回は「介護のお金」についてのお話。普段は話題に出しにくい「将来の介護」について、親子で話し合うきっかけになればと思います。
65歳以上の85.2%が「介護費用は自分のお金から」
年を重ねると自分で金銭管理を行うことが難しくなるケースも増えます。
ある程度の年齢になったら、老親の資産状況をざっくりとでも知っておけると良いですね。介護度が上がったときに見通しを立てやすくなるかもしれません。
ちなみに内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」では65歳以上の実に85.2%が、介護が必要となった場合、介護費用を自分自身の資産から捻出すると回答しています。
ただし、
介護費用は投資信託や株式を売却してまかなう予定だった
持ち家を処分して老人ホームの入居費用に充てるつもりだった
といった計画を立てている場合は要注意。
認知症が進行して判断能力が衰えると金融機関の口座が凍結されてしまったり、不動産の売買契約ができなくなってしまったりする可能性があります。
親の資産は「本人のために」しっかりと有効活用したいもの。必要に応じて任意後見や家族信託などの制度の活用を検討していくのも有効でしょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
介護費用はケースバイケース
いうまでもなく、介護にかかるお金には個人差があります。
在宅介護の場合は、家族と同居か別居かによっても変わってくるでしょう。介護施設に入所する場合、民間施設(有料老人ホームなど)を選ぶと入居一時金として数百万円が必要となるケースは珍しくありません。
また、認知症が進んでいたり、医療依存度が高い人の場合は、受け入れ先の施設が限られ、費用も高額になる可能性も。
公的施設の代表格である特別養護老人ホーム(特養)は、費用の安さが魅力ですが、その分入所待機者が多く、すぐには入れないことが多いです。また、利用費は本人世帯の収入だけではなく、保有する資産額(預貯金など)によって変わることを知っておきましょう。
次では、生命保険文化センターの資料より、平均的な介護費用・期間に関するデータを見ていきます。
介護にかかる費用や期間【在宅・施設】平均いくら?
ここからは、平均的な介護費用や介護期間に関するデータを見ていきましょう。
生命保険文化センターが公表する「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、平均的な介護費用や介護期間は以下の通りです。
ひと月の介護費用「在宅で4万8000円、施設なら12万2000円」
介護にかかるお金「一時的な費用の合計」だけで約74万円
※公的介護保険サービスの自己負担費用を含む
一時的な費用の合計【平均額】:74万円
月々の費用【平均額】:在宅介護4万8000円、施設介護12万2000円
介護期間は平均61.1カ月
平均61.1カ月(5年1カ月)
平均的な介護期間は約5年。一時的な費用の合計と月々の費用のトータルは、在宅介護で約370万円、施設介護で約820万円となります。ただし介護費用が全くかからなかった人も含めた平均額である点には注意が必要です。
年末年始は家族で「介護の話」をしてみませんか
LIFULL seniorが2023年12月13日に公表した「親とのコミュニケーション」に関するアンケート調査では、調査対象278名を対象に、「親の介護についての準備」に関してもたずねています。
【回答一覧】親の介護について準備していますか?
家族や親族で話し合っている:26.6%
介護について情報収集している:26.6%
介護の相談先を把握している:23.4%
親の資産、経済状況を把握している:21.1%
親の持ち物を整理している:11.9%
その他:8.3%
エンディングノートを書いてもらう:4.6%
介護の準備はしていない:44.5%
親の介護については、44.5%が「準備していない」と回答。一方で「家族や親族で話し合っている」「情報収集をしている」と回答をした人もそれぞれ26.6%となりました。
ちなみに、4.6%と少なめだった「エンディングノートを書いてもらう」は、親のお金や暮らしまわり、さらには交友関係といった情報を知る上で非常に有効でしょう。
老いや病気は、自分の意志とは関係なく訪れます。突然やってくる「要介護」に備えておくことは大切です。
年末年始のゆっくりした時間、ちょっとだけ親子で介護とお金の話をしてみませんか。
参考資料
内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r04/zentai/pdf/2_3_3.pdf)
生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)
LIFULL senior LIFULL 介護、年末の帰省シーズンに向けて「親とのコミュニケーション」に関する調査を実施(PR TIMES) 2013年12月19日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000049958.html)
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