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変化を成長のバネにする名古屋企業は、世界に羽ばたいた後も名古屋に根ざし続ける

LIMO / 2018年2月3日 20時20分

変化を成長のバネにする名古屋企業は、世界に羽ばたいた後も名古屋に根ざし続ける

変化を成長のバネにする名古屋企業は、世界に羽ばたいた後も名古屋に根ざし続ける

繊維と陶磁器の中小企業の街、名古屋

名古屋圏の企業といわれたとき、誰もが真っ先に思い浮かべるはトヨタ自動車ではないでしょうか。名古屋圏の企業(以下、名古屋企業)には、ほかにもデンソーやアイシン精機などトヨタ関連企業の数々、さらに日本碍子、マスプロ電工、マキタ、ホシザキ電機、ブラザー工業、パロマ、リンナイ、メニコン、ノリタケ、スギ薬局、敷島製パン、カゴメ、COCO壱番屋、コメダ……数え上げればきりがありません。

名古屋は製造関連の大企業の街というイメージがありますが、現地で問うてみると、意外な答えが返ってきます。

「繊維と陶磁器に関連した中小企業の街ですよ」

時代の流れをいち早く感知し、変化する名古屋企業

トヨタ自動車の母体ともいえるのは、豊田自動織機です。つまり繊維業界を見て、少しでも合理化しようという意識から生まれた企業だったといえます。さらに時代の移り変わりをいち早く予見し、自動車産業に乗りだしました。

繊維業に深くつながるのが、ミシンです。その修理業からスタートしたブラザー工業も、時代の変化にいち早く対応し、プリンターやファクシミリなどの事務機器メーカーへとシフトしています。明治時代に外貨獲得の役割を担って生まれたノリタケも、瀬戸焼に西洋の量産技術を取り入れたのが始まりでした。

名古屋の喫茶店モーニング文化が開花した、コメダ

名古屋企業誕生の土壌は、繊維と陶磁器業界だけではありません。いまや名古屋文化にも位置づけされているのが、喫茶店です。

コーヒーなどのドリンクに、トーストやサンドイッチ、サラダ、卵が付いたモーニングセットが充実していることはよく知られています。モーニング以外の時間帯でもチョコやクッキーが必ずといっていいほど添えられていますし、一日中モーニングセットを提供する喫茶店まであります。

名古屋に喫茶店文化が生まれたのは、過当競争だからだといわれています。たしかに名古屋には喫茶店が多く、住宅地の商店街にも喫茶店をよく見かけます。以前は全国的に見られたのですが、ドトールやスターバックスなどのチェーン系喫茶店の登場によって、従来型の喫茶店の多くは姿を消しました。

名古屋の喫茶店業界には、過当競争を生き抜く力があったというほうが正しいのではないかと考えています。その力がコメダになって開花したという見方ができます。カレー店の元気企業COCO壱番屋の創業者も、初めは喫茶店を開業しています。

東京に本社移転する企業が多いなか、名古屋企業は名古屋に

企業が本社を東京圏に移転する傾向は相変わらず続いています。名古屋企業も例外ではなく、東京にも本社を置く例はあります。もっとも人事部や総務部、経営戦略などの本社機能までも完全に、東京に移してしまうことは少ないようです。

東京に移す理由はコストや市場などもありますが、ある大阪企業の社員はこんな理由も挙げています。

「官庁がどのような方針を持っているか、裁量の範囲をどこに置いているかを知りたいのです。そのためには、日ごろから官庁の近くにいて日常的な交流があることが不可欠だからです」

名古屋には、官庁とのつながりなど様々なメリットを超えてもなお居続けるだけの何かがあるということなのでしょう。

参考:
「1都3県・本社移転企業調査(2016年1月~9月)」(帝国データバンク)
「名古屋企業が東京移転を検討もしない理由」(プレジデントオンライン 2017年11月6日)

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