【買取】高額なはずの絵画が安い査定になるワケとは!? クチコミでもトラブル報告多数
LIMO / 2024年1月2日 19時50分
【買取】高額なはずの絵画が安い査定になるワケとは!? クチコミでもトラブル報告多数
贈答品や親の持ち物… はっきり価値が分からなくても違和感を覚えることも
洋風・和風を問わず歴史があり、種類も豊富な絵画。贈答品などでもらったものの、結局飾られずに買取へと出されることもあるはずです。
絵画の評価額はわかりにくいものです。もし査定員に即決を迫られたら、あなたはどう対応しますか?
この記事では、絵画買取の内情や、即決を求めてくる理由などを紹介します。もし絵画の買取をお考えであれば、ぜひ参考にしてみてください。
絵画買取では足元を見られ、適正価格ではない買取が横行
絵画買取の世界は、一般的な取引とは少し様子が違います。ときに査定員に即決を迫られ、適正ではない価格での取引がまかり通ります。
その要因は、以下などがあげられます。
絵画の素養がない人には価値がわかりにくい
同じ作家でも相場の価格帯に幅があり分かりにくい
作家が分からない、本物かわかりにくい
多くの買取業者が価格をホームページに掲載していない
絵画買取の利用者の多くは、購入当時の事情を分からない家族、贈答品などで扱いに困り買取を依頼したい人です。
例えば、20万円の査定がついた絵画が、他社の見積もりでは数百万円になることも。絵画買取の世界は一筋縄ではいかないことを認識しておきましょう。
「ヒカカク!」のクチコミ例
ここからは、比較サイト「ヒカカク!」に寄せられた実際のクチコミを見てみましょう。※一部抜粋して掲載。
「提示された金額は他社様が1点に付けた金額の1/10以下で合計金額だと1/15以下でした」
「説明もそこそこで金額を提示され決断を急かされ十分考える間もなく回収されてしまいました」
「事前にメール査定を済ませていたが、年を跨ると買取価格が変動する、などと言われ、値切られ買い叩かれた」
「ド素人相手なら何十点もの美術品を二束三文と評価」
「今売却されるのならそのお値段でお取引するとのご返事。親の骨董品なので親と相談後また来店すると伝えると、一度帰られると来られない事が多い、今でないと希望額にはならないと言われ、色々と流れに押されて結局買取って頂きました」
どのクチコミも、一般的な買取ではなかなか考えられないものばかり。クチコミの傾向を読み解くと、その場で決定させるような話をしているのがわかります。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
買取行者が即決を求めてくる理由
なぜ絵画の買取業者は、即決を求めてくるのでしょうか。絵画買取の内情に迫ります。
即決を求めてくる理由のひとつに、他社の査定を知られたくないことがあげられます。安く買って高く売りたい業者にとっては、お客さんに相場を知られるのは避けたいところです。そのために、即決しなければいけない雰囲気を作るのだと推測できます。
とくに、「上の物と確認してきます」などは怪しいサインと考えてよいでしょう。価値があることを隠してしまうケースと考えられます。
また、絵画の知識があるかどうかによって、態度が変わるケースも見受けられます。知識がないと見るや、分かりにくい言葉を巧みに使いごまかします。
その場で判断させて安く買い叩く。査定員が即決を求めるのは、少しでも安く仕入れて儲けたい腹積もりが隠れています。
損をしないために買取相場を押さえるのがおすすめ
絵画の買取で損をしないためには、積極的に情報を得ることが大切です。可能な限りの知識武装をすることで、査定員の話の信ぴょう性を計れるようになります。
絵画買取は「相場は存在しない」という考え方もあります。しかし、作家ごとの大まかな買取相場は決まっているものです。
数万円~数十万円、数百万円~数千万円とざっくりにしか語れないことが多いですが、知っているに越したことはありません。
絵画の買取情報を伏せている業者は多く、知識がないお客へは遠慮なく足元を見る業者もいる絵画買取業界。損をしないためには、大枠でも買取相場を押さえたり、作家の情報を得たりするのが大切といえます。
とはいえ、作家すらわからない場合や、相場情報が得にくい作家の場合もあります。
どうしても知識を得るのが難しそうな場合には、できる限り多くの買取業者に査定依頼をしてみましょう。
同じような買取価格を提示されるのであれば、相場の範囲かもしれません。根拠のある買取価格かどうか、探ってみましょう。
絵画の査定基準例
絵画の査定の基準例を見てみます。足元を見られる可能性が下がるので、いくつかでもポイントを押さえておきましょう。
代表的な作品か?
作者によっては代表作があります。「代表作の査定価格は高いが、そのほかは一般的な額になる」ことは十分にあり得ます。
例えば、日本画の巨匠、横山大観氏で有名な作品といえば「海山十題」などがあります。代表作であれば、とてつもない金額がつきますが、あっさりした作品などは、それと比べるとだいぶ控えめです。
評価された時代の作品か?
作家が評価されていた時代の作品は査定額が上がる傾向にあります。
例えば、チェコ生まれの画家、アルフォンス・ミュシャであれば、1910年前後のアールデコ主流時代の評価が高いとされています。
絵描き時代の頃の作品なのか、絶世期の頃の作品なのか。見極めたいポイントです。
原画か?
原画かどうかも査定基準のひとつです。
絵画には、複数枚存在する、リトグラフやシルクスクリーンなどもあります。また、これらも500枚以上刷ったものは、版画の寿命からあまり価値がありません。
ちなみに、番号が若いほど価値が高いわけではありません。基本的に、刷った順番に番号を振られているわけではなく、どれも同じ扱いだからです。
その作家の評価が高い絵画の種類か?
作家が手がけた作品で、評価の高い種類であることも重要なポイントのひとつです。作家によっては、水彩画や油絵など、描く分野が多岐にわたる人もいます。そのなかでも、評価の高いとされる絵画であることが大切です。
その作家の評価が高い技法が使われているか?
注目したい基準に「技法」があります。技法は、画家が独自に生み出したものがあり、特徴も表します。
例えば、影絵作家の藤城清治氏は、影絵が生み出す白黒のコントラストと多彩な色遣いの技術に定評があります。
作家独自の技術がくっきりと表れているほど、評価は高くなります。
書き込みが多いか?
線画の場合は、書き込みの量がひとつの判断基準です。複雑に書き込まれた線画の方が、評価はやはり高いものです。
もちろん、シンプルな線画でも評価が高い作品は存在します。
ただ、幾重にも書き込まれた作品は、作家がかけた時間も含めて評価される傾向があります。
査定基準がわかると作品別の期待値が見えやすい
いくつかの査定基準がわかってくると、作品ごとに期待できる価格も見えてきます。多くの基準を満たしていれば、買取価格は期待できるでしょう。
逆にひとつも基準を満たしていないと、価格もそれ相応となる可能性が高いといえます。
査定基準を知ることは、買取業者に足元を見られないためにも必要です。さらには、査定価格を予想するのに生かすこともできます。
決断を迫られたときに冷静でいるためにも、お手持ちの絵画を調べてみてはいかがでしょうか。
参考資料
ヒカカク!「絵画・美術品を売るならおすすめ買取業者を1708社比較」(https://hikakaku.com/co_cats/Painting_artwork/)
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