元旦に目立つ転売ヤー 実は転売するには古物商許可が必要
LIMO / 2024年1月2日 20時35分
![元旦に目立つ転売ヤー 実は転売するには古物商許可が必要](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_51291_0-small.jpg)
元旦に目立つ転売ヤー 実は転売するには古物商許可が必要
「売るだけでも?」「買うだけでも?」という人もいますが… 実際にはどうなの?
新年には、福袋や初売りなどを狙った転売ヤーの話題が増える傾向があります。
しかし、この行為に古物商許可が必要なのはご存じだったでしょうか。「売るだけなら」「買うだけなら」と解釈する人もいます。
そこで、警視庁の見解を中心に、どのようなケースで古物商許可が必要か説明します。
営利目的での中古売買は古物商許可が必要
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出所:筆者作成
中古品の売買を行うには、「古物営業法」に従って古物商許可が必要です。古物営業法で指す中古品(古物)は、一般的な消費者が考える定義とやや異なるため注意しましょう。
一度使用されたもの
使用されていない物品で使用のために取引されたもの
これらの物品に幾分の手入れをしたもの
“第二条 この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。(古物営業法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108))”
新品と思っているものでも、消費者の手に渡った時点で、「使用されていない物品で使用のために取引されたもの」に該当します。
事業者として仕入れればいいの?
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63467578636ff5142d5a7d7f03f625fd79825.jpg)
出所:筆者作成
「使用のために取引したのではなく、業として仕入れたのだ」という意見もあるかもしれません。
あくまでも、一般社団法人古物査定士認定協会が警視庁に問い合わせた際の回答ですが、「メーカーが販売しているわけではないのであれば、ビジネス目的で売買している時点で古物商許可が必要です」とのこと。
一般的な転売では、新品と思われるものであっても古物商許可が必要ということが分かります。
逆に営利ではないと言い切ればいいのでは?
個人が使用していた不用品を処分する目的で売買する場合に、古物商許可は必要ありません。あくまでも、営利目的で売買する場合に適用されます。そのため「言い逃れできるのでは?」という意見が出てくることがあります。
しかし、営利目的かどうかを判断するのは本人ではありません。第三者からビジネス認定をされた場合に、古物商許可が必要とみなされる可能性があります。
例えば、炊飯器やゲーム機など通常は何個も必要としないものを多く購入・売却しているケース。生計が立つ程度に売却しているケースなど。反復性や金額などを総合して判断されると言われています。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「売るだけ」「買うだけ」なら古物商許可は不要なの?
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出所:筆者作成
一般社団法人古物査定士認定協会が問い合わせた際の警視庁の回答は、「売却のみ、購入のみでも古物商許可が必要なケースがある」とのこと。
「売るだけ」「買うだけ」であっても古物営業法が適用され、営利目的なのか、個人使用していたものなのかが判断基準になると考えられています。
確かに、利益を得るために「売るだけ」「買うだけ」はちょっと不自然。営利目的なら古物営業法が適用されるというのも納得です。
すべての物品で古物営業法が適用されるの?
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/0/a/-/img_0a936404ca6f20bcac64a56fda53f84160838.jpg)
出所:筆者作成
古物営業法の対象となるのは以下の13品目です。詳しくは、「古物営業法施行規則」第二条に記載されています。
美術品類
衣類
時計・宝飾品類
自動車
自動二輪車及び原動機付自転車
自転車類
写真機類
事務機器類
機械工具類
道具類
皮革・ゴム製品類
書籍
金券類
しかし、これらに該当しないからといって「転売しても大丈夫」と思わないよう注意しましょう。古物営業法以外の法律でなんらかの定めがあるケースも多いです。
あくまでも警視庁の意見ではある
法的解釈を決めるのは警視庁ではありません。何らかのトラブルが生じた際、最終的な判断を下すのは法廷です。
しかし、取り締まりをしているのは警察。警視庁の見解を覚えておいて損はないでしょう。
ここ最近は、インボイスによる例外措置などによって、古物業界もやや複雑になりました。古物商許可を取得していない方はぜひ、検討してみてください。
参考資料
e-GOV法令検索「古物営業法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108)
e-GOV法令検索「古物営業法施行規則」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=407M50400000010)
一般社団法人古物査定士認定協会「新品を転売するときに古物商許可は必要? 警視庁の見解」(https://gac-sateishi.info/2022/12/25/news-34/)
一般社団法人古物査定士認定協会「【古物営業法の適用範囲】売却(販売)のみの場合、古物商の許可は必要か」(https://gac-sateishi.info/2021/09/30/news-19/)
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