【お墓】新年の家族会議で話しておきたい「お墓」と「墓じまい」のこと
LIMO / 2024年1月2日 7時5分
【お墓】新年の家族会議で話しておきたい「お墓」と「墓じまい」のこと
もうお墓は要らない?お墓にかかるお金の相場についてもチェック
コロナ5類移行後に迎える初めてのお正月。久しぶりの帰省を楽しんでいる人も多いでしょう。
今年は家族と「お墓」の話もしてみませんか。「年初からそんな話題なんて……」と思うかもしれませんね。でも、何かあってから慌てるのではなく、皆が元気なうちにこそ「終活」について話しておきたいものです。
考えてみれば「お墓を買う」というのは、人生でそうそうある機会ではありません。新しく買うのか、ご先祖様のお墓に入るのか、墓じまいはどうするのか、自分や家族の気持ちを確かめておくのはとても大切なこと。
これからの人生をよりよく生き満足して最期を迎えられるようにと、生前からポジティブに終活や「お墓」について考える人が増えています。皆さんもご家族と一緒にぜひ話し合ってみましょう。
自分のお墓はどうする?「墓じまい」を計画している人も約2割
一般社団法人終活協議会が公表したお墓に対する意識調査(2023年12月18日)によると、「自分のお墓を持っている」という回答は24%。
また、「自分のお墓に入りたい(27%)」、「入りたくない(20%)」と回答する人がいるいっぽうで、半数以上が「まだわからない(53%)」という結果になっています。
お墓の管理と「墓じまい・改葬」
少子化、核家族が進む中でお墓の管理をどうするかも考えなければなりません。夫婦とも一人っ子の場合、それぞれの実家の墓守をしなければならないこともありえます。
関連して、昨今話題となっているのが「墓じまい」。故人の遺骨をほかの墓地に移転したり、永代供養墓地に改葬したりすることです。
先述の調査結果で「墓じまいを計画している」と答えた人は19%。家庭ごとに価値観は異なるでしょうが、あとの世代への負担を減らすための選択肢の一つといえるでしょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
お墓にかかるお金ってどのくらい?
いっぽう、新たにお墓を購入するとなったら気になるのはやはりお金のことではないでしょうか。どのようなお墓があり、費用はどれくらいかかるのか見ていきましょう。
お墓を生前購入する場合にかかる費用は?
生きているうちに自分自身のお墓を購入するつもりという人もいるでしょう。生前に遺産総額を減らし、相続税対策にもなります。では、お墓の購入にはどのくらい費用がかかるのでしょうか。
一般的なお墓は一般墓の購入にかかる費用は主に「墓石代」、「土地利用料」、「その他諸経費」を合算したものが総額となります。
鎌倉新書が公表した「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」によると、墓石代が平均107.6万円、土地利用料が平均58.9万円となっています。
お墓のタイプ別にみると、樹木葬の購入価格は直近5年間で70万円前後を推移、一般墓(152.4万円)、納骨堂(77.6万円)は下落傾向にあります。
立地条件や墓石値段によっても差が出るとは思いますが、決して簡単な買い物ではないということを心得ておきましょう。
ほかにも、海洋散骨、宇宙葬、故人の遺骨をジュエリーにできるダイヤモンド葬など、必ずしも「お墓を建てる」ということにこだわらない、新しいスタイルも登場しています。
ただ、単に「費用がかからないから」という理由だけで選ぶのはおすすめできません。事前に色々調べたうえで、お墓に入る人と家族の意向をすり合わせておくとよいでしょう。
お墓の管理費ってどのくらい?
購入後の管理費についても気になりますね。
鎌倉新書の「第13回お墓の消費者全国実態調査(2022年)」 によると、平均年間管理費は一般墓7907円、樹木葬6027円、納骨堂1万1893円。お墓購入時の一つの目安として念頭に置いておくとよさそうです。
樹木葬では79.1%が「年間管理費はかからない」との回答も。同調査の結果には含まれていませんが、海洋散骨などの自然葬や宇宙葬なども維持費がかからない供養の方法は他にもあるでしょう。
墓じまい・改葬にかかる費用
やや古い調査結果にはなりますが、鎌倉新書の「第2回改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)」によると、改葬・墓じまいにかかった費用は「50万円以内」が40.8%、「51万円以上」が31.6%という結果が出ています。
移転元(改葬・墓じまいをしたいお墓)や移転先(新しいお墓)の種類、引っ越し方法、改葬であるか墓じまいであるかによってかかる費用は変わってきます。考えている方法は具体的にどんな費用がかかるのか、前もって調べておくとよいでしょう。
単なるモノの移動とは違い、故人の遺骨を移すにはそれなりの費用や手続き、場合によってはそれなりの期間もかかります。管理の大変さに直面してから後手になってしまうのではなく、できるだけ早い段階から準備をしておけば、かかる費用の工面をしておくことも可能になるかと思います。
お墓を管理する子どもの側も、歳をとる
ちなみに筆者の実家は、都営霊園に祖父母の入る墓がありました。しかし都内の自宅からは車で片道2時間以上かかることから、父のきょうだいたちが還暦を迎えたころに自宅近くの小さな納骨堂に改葬しました。
郊外の広々とした都営霊園は豊かな自然が魅力的でしたが、管理する側の子どもたちが高齢になると話はちょっと変わりますよね。我が家の場合は誰からともなく改葬の話が出てすんなり決まりましたが、親族内で意見が対立して改葬や墓じまいの話がなかなか進まなかったという話を、筆者は数名から聞いています。
家族が集まる新年は「お墓のこと」を話す良いチャンス
生きている間に住む家とは違い、「お墓」は自分の思い通りにしたいと思っても、実際に管理するのは残された家族というのが悩ましいところです。
家族のスタイルや価値観が多様化する現在、「嫁ぎ先の墓には入りたくない」「夫婦や家族ではなく友人との共同のお墓がいい」などと考える人も少なからずいるいっぽうで、伝統的な先祖代々のお墓を守りたい人もいることでしょう。
いずれにせよ、自分ひとりで決めてしまうのではなく家族や近しい人と生前にきちんと話し合っておくことが大切です。
それぞれの気持ちを尊重するため、終活は元気なうちに始めておくにこしたとはありません。エンディングノートに先のことについてある程度考えをまとめておくのもよいでしょう。
あとから後悔をしないよう、あくまでもこれからを前向きに生きるためにお葬式やお墓のことを話せるような心づもりをしておきませんか。
参考資料
一般社団法人 終活協議会「自分のお墓に入りたい」は3割未満、「お墓は必要」も4割未満~加速すると言われるお墓離れと、変わりつつあるお墓事情について、終活の専門企業が最新のアンケート結果を発表(PR TIMES)2023年12月18日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000074510.html)
国税庁「No.4108 相続税がかからない財産」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm)
株式会社鎌倉新書第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)当社の調査史上初「樹木葬」のシェアが過半数を突破、納骨堂も人気高まる(PR TIMES)2023年3月17日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000009951.html)
株式会社鎌倉新書「第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)購入したお墓の種類は「樹木葬」が41.5%で3年連続シェア1位」(PR TIMES)2022年3月15日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000009951)
鎌倉新書「【お墓】【第2回】 改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)― 30代の改葬・墓じまい経験者は、お墓の跡継ぎが約9割。早めの状況把握が安心に繋がる ―」(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/6959/)
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