【新春実話取材】帰省時の実家で遭遇した「汚屋敷・介護・お墓」家族親戚トラブル3選
LIMO / 2024年1月7日 7時30分
【新春実話取材】帰省時の実家で遭遇した「汚屋敷・介護・お墓」家族親戚トラブル3選
「つい避けがちな」老後の話題こそ、もめるきっかけなのかも
平和なはずのお正月の帰省。親戚のある一言で台無しになったという記憶はありませんか?
年末年始は家族や親せきが集まる数少ない機会。「親戚の新年会」は、昔の思い出話をしながら楽しく過ごせればよいですが、とんでもない親族トラブルが勃発しやすい場でもありますね。
介護、お墓、お葬式など、家族みんなで共有しておきたい話題はたくさんあるはず。でも、そこに「お金」にまつわる話が混じると、これまで平和だった団らんムードがいっきに崩れることも。
今回は、筆者の周りで起こった「正月帰省時の、親族もめごとエピソード」を紹介。介護やお墓などにまつわるデータについてものぞいてみましょう。
【新春実話取材】帰省時の実家で遭遇した「家族親戚トラブル」3選
さっそく筆者の周りで起こった「年始帰省時の家族親戚トラブルエピソード」をご紹介しましょう。
ケースその1 「汚屋敷」状態の実家にビックリ。断捨離計画を強引に進めようとする長女と両親がバトル
80歳代の両親が二人で暮らす実家に久々に、40歳代の子どもたちが帰省。かつてはキレイに整理整頓されていた家の中が、荒れ放題になっている状態を見てびっくり。
ほどなくして「要らないガラクタは全部捨てるか売るかにしよう!」と長女が一言。スマートフォンで生前整理の作業業者の手配を準備し始めたため、老いた両親は猛反発。
長女が「ガラクタ」と称したものの中には、夫婦が長年の趣味道具として大切にしてきた将棋雑誌や釣り竿、手芸用品のほか、そこそこ値が付きそうな骨董品も含まれていたため、両親の気持ちを大きく損ねる結果となったようです。
生前整理業者はよく吟味して。そもそも「汚屋敷」の原因は認知面の低下かも?
現役時代にはあんなにきちょうめんだった両親だったのに、今では家じゅうがゴミ屋敷状態で戸惑ったという話はよく聞きますね。
「思わず怒りたくなる」「キレイに片づけたくなる」といった気持ちはもちろん分かりますが、いったんここで深呼吸。部屋が汚くなっている理由は何かを探ってみる必要があるかもしれません。もし「あきらかなガラクタ」を収集していたり、同じ商品が大量にストックされていたりしたら、認知面の低下について、少し気を付けて見てあげると良いかもしれません。
大規模なお片付けとなると時間も体力も消耗しますから、生前整理などを専門に行う業者の利用も一案でしょう。ただし業者選びはていねいに。
LIFULL seniorが2023年12月に公表した調査結果によると、
「作業終了後、理不尽だと感じる値上げがあった(9.4%)」「請求金額に対し、極端にサービスのクオリティが低かった(8.6%)」「不適切な価格での買取(8.6%)」「物の紛失・盗難(7.4%)」などのトラブルを経験したという声も。
複数社から見積もりをとって信頼できそうな業者を選べると良いですね。
その2 親の介護の分担できょうだいが真っ二つ
久しぶりの帰省時に、一人で暮らす母(80歳)がだいぶ歳をとったなぁと感じた長女(50歳)、長男(47歳)。そろそろ一人暮らしは難しいかもしれないね、と二人で話し合いました。
「女親は娘に介護してもらう方が嬉しいだろ?」と一点張りの弟に「私だって自分の家庭と仕事がある。手ごろな施設に入ってもらったうえで、姉弟で平等に介護を分担するべきだ」と姉は答えたそうですが、今度は施設入所費用をどうするかをめぐり姉弟バトルはこの先も続く模様です。
「母は自分の年金と貯金で介護費用を出すつもりではいるようです。とはいえそれは在宅介護か、おそらく特養(特別養護老人ホーム)入所を前提にした計算でしょう。
特養に入れず民間の有料老人ホームに入った場合、トータルでいくらかかるかが見えにくくて不安……。母の自己資金がショートしたとき、私たち姉弟でどう分担するかある程度話し合ってからでないと、施設入所の話を母に持ちかけることはしにくいかなぁ……」と長女は言います。
「親の介護」の分担をめぐるきょうだい間のトラブルはよくある話。「一人っ子だと分担する相手がいない代わりに揉めることもなくてラクかも」という声も筆者は聞いたことがあります。さて、当の親世代はというと……。
65歳以上の約9割が「介護のお金は自分の資金から出す」という回答結果も
全国65歳以上の男女を対象にした内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」によると、将来トイレなどのの介護が必要になった時に介護を頼みたい人として「ヘルパーなど介護サービスの人(46.8%)」「配偶者(30.6%)」「子(12.9%)」「子の配偶者(1.0%)」が挙がっています。
では、介護費用についてはどうでしょう?
同調査によると、65歳以上の実に85.2%が、介護が必要となった場合介護費用を自分自身の資産から出すと答えています。
とはいえこれはあくまでも本格的な介護が始まる前の元気なシニアたちの回答。歳を重ねることで判断力が低下し、子ども世代への依存が強まったり、自分自身でお金の管理ができなくなったりする人も増えていきます。
親子ともにある程度の年齢になったら、介護が必要になったときにどうしたいか、子どもたちはどの範囲での協力ができそうかを話しておけると理想的ではあるのでしょう。
その3 「妹夫婦家族のお墓に入る!」と宣言した女性
最後はお墓をめぐるトラブル。「自分は離婚して入る墓がないから、妹夫婦のお墓に入ることにした!」と宣言した60歳代女性のケースです。話してくれたのは、彼女の姪っ子(妹の娘)。
女性は元夫との間に長女をもうけたのち離婚。フルスロットルで働き倹約しながら資産を築き、女手一つで娘を大学院まで行かせた強い女性だったのだと、姪っ子は語ります。
しかし娘が国際結婚をしてアメリカに永住を決めてしまって以来、何かと妹夫婦に頼ってくるようになったのだそう。ここ数年は、年末年始、姉夫婦の子どもたちが帰省するときは必ずその集まりに参加するようになり……。
ついに今年は「自分には入るお墓がない。日本で墓守をしてくれる娘もいない。アンタ(妹夫婦)たちと一緒のお墓に入ろうと思ってる」と宣言。
妹の夫と子供たち(姪っ子含む)はこれに猛反対。そもそも妹夫婦自身、自分たちのお墓は子どもたちがある程度の年齢になったら墓じまいをしてもらおうと考えていたのです。
妹は、正月早々突然始まった「お墓騒動」にビックリしながらも、実の姉を見捨てることに二の足を踏んでいる模様だったそう。
「お墓の持ち主である妹の夫が了承すれば、妹夫婦の墓に入ることは可能だと聞きました。母の姉である伯母の孤独は理解できますが、仮に伯母が我が家のお墓に入ったとしても、その先の供養や管理をするのは甥や姪の私たち。いずれ来るかもしれない墓じまいの際の手続きなども行う立場にある身としては、簡単にはイエスと言えませんね……。かわいそうだけど」と、姪っ子は話してくれました。
墓じまいを意識する人が増えている
親戚づきあいの中では、お墓にまつわるトラブルもしばしば起こりますね。
核家族化や少子化が進み、墓守となる継承者たちの数が減っていくことは確実。夫婦ともにきょうだいがおらず、それぞれの実家のお墓の維持管理をせざるを得ないケースも増えていくでしょう。
子どもや孫の代に負担をかけないために「墓じまい」を意識する人が増えるのもうなずけます。
ちなみに、全国石製品協同組合(全石協)が2023年10月31日に公表した調査結果によると、お墓の購入予定がある人の48.9%が「七回忌まで」「三十三回忌まで」などと、お墓の使用期限、つまり墓じまいををあらかじめ想定していることに。みなさんのおたくはどうでしょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
住まいの片づけ・介護・お墓など「つい避けがちな」老後の話題
今回は、お正月の帰省時に起こった「家族・親族トラブルエピソード」を3つご紹介しました。
ちなみにLIFULL seniorが2023年8月30日に公表した「家族や親族とどこまで老後についてのことを話し合っているか(※)」に関する調査結果を見ると、「お墓について:16.6%」「遺産について(金融資産、不動産など):10.7%」「延命治療、終末期に受けたいケアについて:10.6%」「遺品整理、住まいの片付けについて:8.5%」「6位:老人ホームについて:7.3%」などが挙がっています。
裏を返すと、こうした「みんなが気になる部分」こそ、元気なうちに家族や親族の話し合いが必要になるポイントなのでしょう。とはいえ終活系の話題を日頃からフランクに話せる環境はなかなか作りにくいもの。だからトラブルにも発展しやすいのかもしれませんね。
※老人ホームなどに家族が入所していない人の回答
参考資料
株式会社LIFULL senior「遺品整理業者選びに「電話営業」を活用した人の約8割がトラブルを経験!行政・知人紹介でも2人に1人以上がトラブルあり」(PR TIMES)2023年12月14日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000049958.html)
内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」(http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r04/zentai/pdf/2_3_3.pdf)
株式会社LIFULL senior 【LIFULL 介護】老後について家族とどこまで話し合ったか。7割近くが話し合っていることはないと回答 最も関心が高いのは「お墓」次いで「遺産」(2023年8月30日)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000049958.html)
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