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【年金世代の介護費用】40歳~50歳代「団塊ジュニア世代」が気になる「親の介護費用」年金だけでカバーできそう?

LIMO / 2024年1月19日 20時35分

【年金世代の介護費用】40歳~50歳代「団塊ジュニア世代」が気になる「親の介護費用」年金だけでカバーできそう?

【年金世代の介護費用】40歳~50歳代「団塊ジュニア世代」が気になる「親の介護費用」年金だけでカバーできそう?

2025年は、団塊の世代が全て75歳以上となる年。介護を必要とするシニアは今後ますます増えていくでしょう。親と子どもは同じ速度で歳をとっていきます。その子ども世代である「団塊ジュニア」たちは、自分自身の健康面も気になり始める時期でしょう。

公益財団法人生命保険文化センターが公表する「生活保障に関する調査 2022年(令和4)年度」によると、親などの介護について、74.9%の人が何らかの不安を感じていると回答。

とりわけ「親の介護費用」について漠然とした不安を持つ人は多いでしょう。今回は「親の介護費用」と今のシニアの年金事情を見ていきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

団塊ジュニア世代が気になる「親の介護費用」平均はいくら?

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査 」(2021年12月)(http://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)

生命保険文化センターが公表する「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」では、ひと月の介護にかかる費用についてのデータを見ることができます。

介護費用の平均額

介護費用の平均額を見ていきましょう。この金額には、公的介護保険サービスの限度額を超えて自己負担となった費用も含まれます。

一時的な費用合計(住宅改造や介護用ベッド購入など):74万円

月額平均(在宅介護):4万8000円

月額平均(施設介護):12万2000円

介護期間平均:61.1カ月

介護期間を平均の61.1カ月、約5年とし、一時的な費用の合計と月々の費用を足し上げた場合、在宅介護の場合は約370万円、施設介護の場合は約820万円になります。

ただし「かかった(支払った)費用がない=0円」も含めた平均である点には注意が必要でしょう。

在宅介護の場合は、住まいのバリアフリー度合いや、家族と同居かどうかといった住まいや世帯の環境によっても変わってくるでしょう。施設介護であれば、特別養護老人ホームなどの公的施設か、介護付き有料老人ホームなどの民間施設かによっても差が出ます。

公的施設の代表格である「特別養護老人ホーム(特養)」にかかる費用は、所得によって決まりますが、概ね0円~15万円程度。費用を抑えたい場合に適していますが、その分入居待ちの人が多いのがデメリットでしょう。

一方、民間の有料老人ホームに入所した場合、施設に支払う費用だけでひと月20万円を超えるケースは珍しくありません。

入居後に要介護度が上がれば、介護保険サービスの自己負担費用も上がります。また、物価高騰のあおりをうけて施設利用料の値上げが行われたりする可能性も想定しておく必要があるでしょう。

シニア世代の年金事情を知りたい

介護施設入所中に資金がショートしてしまうことは避けたいもの。介護費用は基本的に親本人の資産(年金収入・貯蓄など)から捻出していくことが望ましいです。

【最新版】シニア世代の年金額

国民年金のみを受け取る場合

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

〈男性〉平均年金月額:5万8798円

〈女性〉平均年金月額:5万4426円

受給額ごとの人数

1万円未満:6万5660人

1万円以上~2万円未満:27万4330人

2万円以上~3万円未満:88万1065人

3万円以上~4万円未満:266万1520人

4万円以上~5万円未満:465万5774人

5万円以上~6万円未満:824万6178人

6万円以上~7万円未満:1484万7491人

7万円以上~:178万3609人

自営業や専業主婦(主夫)だった人など、国民年金(基礎年金)のみを受給する場合は、平均年金月額は男女ともに5万円台です。

厚生年金を受け取る場合

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

厚生年金(老齢厚生年金)の受給額※国民年金の金額を含む

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

〈男性〉平均年金月額:16万3875円

〈女性〉平均年金月額:10万4878円

受給額ごとの人数

1万円未満:6万1358人

1万円以上~2万円未満:1万5728人

2万円以上~3万円未満:5万4921人

3万円以上~4万円未満:9万5172人

4万円以上~5万円未満:10万2402人

5万円以上~6万円未満:15万2773人

6万円以上~7万円未満:41万1749人

7万円以上~8万円未満:68万7473人

8万円以上~9万円未満:92万8511人

9万円以上~10万円未満:112万3972人

10万円以上~11万円未満:112万7493人

11万円以上~12万円未満:103万4254人

12万円以上~13万円未満:94万5662人

13万円以上~14万円未満:92万5503人

14万円以上~15万円未満:95万3156人

15万円以上~16万円未満:99万4044人

16万円以上~17万円未満:104万730人

17万円以上~18万円未満:105万8410人

18万円以上~19万円未満:101万554人

19万円以上~20万円未満:90万9998人

20万円以上~21万円未満:75万9086人

21万円以上~22万円未満:56万9206人

22万円以上~23万円未満:38万3582人

23万円以上~24万円未満:25万3529人

24万円以上~25万円未満:16万6281人

25万円以上~26万円未満:10万2291人

26万円以上~27万円未満:5万9766人

27万円以上~28万円未満:3万3463人

28万円以上~29万円未満:1万5793人

29万円以上~30万円未満:7351人

30万円以上~:1万2490人

厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金の平均月額は、国民年金(基礎年金)だけなら5万円台。国民年金にプラスして厚生年金を受け取れる場合は14万円台から16万円台です(国民年金を含む月額)。

そこに貯蓄や不労所得などを合わせた本人の資産でまかなうことができるかどうかを、慎重に判断していく必要がありそうです。

「親の介護費用」年金だけでカバーできそう?

要介護は突然やってくることもあります。

親の健康状態や資産状況について把握しておくことはもちろんのこと、介護保険や高額介護サービス費を始めとする公的制度へのアンテナも高く張っておきたいものです。

また、親の資産をしっかりと活用するために、家族信託・任意後見などの制度を早い段階で検討していくのも賢明な選択となり得るかもしれません。

参考資料

厚生労働省「我が国の人口について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html)

公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査 2022年(令和4)年度」(https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022honshi_all.pdf%EF%BC%882023%E5%B9%B43%E6%9C%88%EF%BC%89)

厚生労働省 介護サービス情報システム「サービスにかかる利用料」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html)

生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査 」(2021年12月)(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)

厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

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