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【これは盲点でした】年金暮らし・末期ガンの父を預けて分かった【住宅型有料老人ホームにかかる想定外の費用】5つ

LIMO / 2024年1月22日 16時15分

【これは盲点でした】年金暮らし・末期ガンの父を預けて分かった【住宅型有料老人ホームにかかる想定外の費用】5つ

【これは盲点でした】年金暮らし・末期ガンの父を預けて分かった【住宅型有料老人ホームにかかる想定外の費用】5つ

介護経験者が教えてくれました

「老人ホームに親を入所させたら、いくらかかるの?」「年金暮らしの親は、自分のお金だけで老人ホームに入れるの?」

親の老人ホームへの入所を検討するにあたって、一番気になるのは「お金」のことでしょうか。

今回は、末期がんの父親を、住宅型有料老人ホームに入所させた経験がある美里さん(仮名・神奈川県在住・42歳)から、「この費用は想定外だった!」と感じたものを5つ聞くことができました。

住宅型有料老人ホームに入所することは、一般家庭にとっては大打撃

厚生年金を上乗せ受給できる場合でも、平均年金月額は14万円台

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

住宅型有料老人ホームの入居費用の相場は、月に約15~30万円程度(※1)。2022年度末における老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額の平均は14万3973円です(※2)。

この2つの数字から住宅型有料老人ホームに入所した場合、年金だけでは費用を賄うことが難しい人が大半であるということが分かります。

住宅型有料老人ホームに親が入所することは、一般家庭にとって大打撃と言えるでしょう。

しかし、美里さんの父のように末期がんで緩和ケアを必要とする人が、病院以外で最期を迎えたいと考えた場合、住宅型有料老人ホームへの入所は有効な選択肢の一つでもあります。

「住宅型有料老人ホームを検討している人は、親の蓄えから出すのか、子供が援助するのかなど、費用の捻出方法について親と腹を割って話し合うことをおすすめします」と美里さんは言います。

※1:各種資料を参考
※2:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

これは盲点だった!住宅型有料老人ホームにかかった「想定外の費用」

親を介護施設に入所させると、想定外の出費がたくさん……。

mapo_japan/shutterstock.com

美里さんの父が入所した施設は首都圏の住宅型有料老人ホーム。施設利用料は月25万円ほどでした。

「相場が月に約15~30万円ということから、20万円までは覚悟していました。でも、実際の費用は予想をはるかに超えてきました」と美里さんは言います。

費用の内訳を見た美里さんが「これは盲点だった!」と特に感じた費用を赤裸々に語ってくれました。

【想定外の費用 その1】家賃(毎月5万円程度)

「毎月5万円程度かかった家賃は盲点でした」

「毎月5万円程度かかった家賃は盲点でした」と美里さんは言います。

お父さんが入所した部屋は、綺麗にリフォームはされていたものの、近場の賃貸物件の相場を考えると「これで5万円?」と思うほど殺風景な部屋だったそう。

介護費や看護費など諸々別途支払っているので、『家賃イコール純粋に部屋の料金』と考えると、かなりの割高だと感じられるものだったようです。

【想定外の費用 その2】生活サポート費(毎月5万円程度)

「生活サポート費も想定外の出費でした」

毎月5万円程度かかった生活サポート費も盲点だったようです。

生活サポート費用とは、ナースコール対応費・おむつ使用および廃棄料・寝具レンタル費など。家賃、介護費・看護費とは別に計算されるものです。

「父のお世話にかかる費用は介護費・看護費だけだと考えていたので、この生活サポート費は意外でした」と美里さんは言います。

【想定外の費用 その3】入所する際の洋服・パジャマ代(入所時に5万円程度)

入所時の洋服・パジャマを買い揃え、裾や丈を直す必要がありました。

入所時に5万円程度かかった洋服・パジャマ代もまた、想定外の出費だったそうです。

「入所する際にパジャマ5セット・洋服上下5セットを用意するように言われ、量販店で買いそろえたところトータルで4万円程度かかりました。

また、袖や裾がゴムになっているものは禁止だったので、父の寸法に合うように袖と裾の丈を仕立て屋さんで直したところ、全部で1万円程度かかりました」

単品で買うとそんなに高くは感じないかもしれませんが、10セットも用意すると大きな出費ですね。さらに、袖や裾の丈まで直す必要があることは確かに盲点だったかもしれません。

【想定外の費用 その4】食費(毎月5万円程度)

栄養をつけてもらいたくて、施設の食事以外に差し入れもたくさん買っていきました……。

flyingv3/shutterstock.com

施設の食事代以外に、飲み物や差し入れのプリンなどで、予想を大幅に超える出費に

毎月5万円程度かかった食費はもまた、盲点だったと美里さんは語ります。

「父の入所していた施設は1回の食事代は400円でした。しかし、400円×3食×30日は3万6000円です。毎日の飲料水やお茶はペットボトルで用意していたのでこの食事代とは別にかかりました」

食事の量が減ってきてからは少しでも栄養がつくようにと、プリンやヨーグルトなどを毎日のように差し入れていた結果、合計すると食費は毎月5万円程度になり、予想をはるかに上回る金額となったのだと言います。

【想定外の費用 その5】上乗せ介護費用(毎月請求 施設によって金額は変わる)

手厚い介護を受けていると感じながらも、「上乗せ介護費用」は初耳でした

上乗せ介護費用とは、有料老人ホームなどの施設で請求することを認められた費用です。

介護保険法における職員配置基準では、入居者3名に対し1名の看護職員または介護職員を配置する決まりになっています。

この配置割合を超えて、介護職員などを多く配置する場合には、入居者に「上乗せ介護費用」の負担が求められるのです。

「『父が手厚い介護を受けているのだ』と思うと、施設に対して何も言うことはできませんでしたが、上乗せ介護費用という言葉自体、父が入所して初めて知ったので、この費用はまさに盲点でした」と美里さんは話してくれました。

まとめにかえて

今回は、年金暮らしの末期がんの父親を、首都圏にある住宅型有料老人ホームに入所させた経験者から聞いた、「この費用は想定外だった」と感じたものを5つご紹介しました。

もちろん施設や地域によりさまざまな実態があるでしょう。親の老人ホーム入所を考えたときは複数の施設の見学を行い、費用面とサービス面で折り合いのつく施設を選んでいけたら理想的ですね。

今現在、家族の老人ホームを選びに悩むみなさんのヒントになればなれば幸いです。

参考資料

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

厚生労働省「特定施設入居者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について(平成12年3月30日老企第52号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(抄)」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000080900.pdf)

厚生労働省「人員配置基準等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)」2023年9月8日(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144339.pdf)

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