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【年金×介護費用】5年間の在宅介護費用は平均約370万円。では施設介護だといくら?【最新版 年金額の一覧表とともに確認】

LIMO / 2024年1月24日 7時30分

【年金×介護費用】5年間の在宅介護費用は平均約370万円。では施設介護だといくら?【最新版 年金額の一覧表とともに確認】

【年金×介護費用】5年間の在宅介護費用は平均約370万円。では施設介護だといくら?【最新版 年金額の一覧表とともに確認】

65歳以上の男女9割が「介護費用は自分のお金から」と回答も、親の預金額を知らない子どもが約9割

「おまえたちの世話になんてなるつもりはないからね」多くの親が、我が子にいうセリフです。

内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」によると、65歳以上の男女の85.2%が、将来トイレなどの介護が必要となったとき、介護費用を自分の資産からまかなうつもりだと回答しています。

団塊の世代が全て75歳以上となる2025年には、65歳以上の約5人に1人が認知症になるという推計も。いわゆる「団塊ジュニア世代」たちの中には、自分ごととして親の介護に向き合う人も多いでしょう。

「介護にかかるお金」は、いつからどの程度必要となるかの個人差が大きく、身近に参考例を見つけにくいもの。また、親の資産や年金額を知らず漠然とした不安を覚える人もいるでしょう。

今回は、介護にかかる費用や、最新の年金額データを眺めていきたいと思います。

介護にかかる費用や期間、平均はどのくらい?一覧表で見る

生命保険文化センターが公表した「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」から、介護費用、および介護期間の平均データをピックアップしましょう。

【一覧表】介護にかかる費用(※公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)

介護費用(一時的な費用の合計)

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)」

一時的な費用の合計平均:74万円

掛かった費用はない:15.8%

15万円未満:18.6%

15~25万円未満:7.7%

25~50万円未満:10.0%

50~100万円未満:9.5%

100~150万円未満:7.2%

150~200万円未満:1.5%

200万円以上:5.6%

不明:24.1%

介護にかかる費用(月額)

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)」

在宅介護の月額平均:4万8000円

支払った費用はない:0.0%

1万円未満:7.2%

1万~2万5000円未満:22.3%

2万5000~5万円未満:17.6%

5万~7万5000円未満:13.3%

7万5000円~10万円未満:2.3%

10万~12万5000円未満:4.3%

12万5000~15万円未満:1.2%

15万円以上:5.8%

不明:26.0%

施設介護の月額平均:12万2000円

支払った費用はない

1万円未満:0.0%

1万~2万5000円未満:6.3%

2万5000~5万円未満:4.7%

5万~7万5000円未満:9.1%

7万5000円~10万円未満:8.7%

10万~12万5000円未満:20.9%

12万5000~15万円未満:7.9%

15万円以上:30.7%

不明:11.4%

介護期間は平均61.1カ月

介護期間の平均は約5年

出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)」

介護期間の内訳

6カ月未満:3.9%

6カ月~1年未満:6.1%

1~2年未満:10.5%

2~3年未満:12.3%

3~4年未満:15.1%

4~10年未満:31.5%

10年以上:17.6%

不明:3.0%

平均的な介護期間は約5年。一時的な費用の合計と月々の費用をトータルすると、在宅介護で約370万円、施設介護で約820万円になります。ただしこれは、支払った費用がない人を「0円」で計算した結果の平均。

在宅介護の場合は、住まいのバリアフリー度合いや、若い家族と同郷しているかによっても事情が変わってくるでしょう。また、施設介護であれば特別養護老人ホームなどの公的施設に入る場合は比較的費用が低めですが、待機人数が多く、必要な時に入所できないこともあるでしょう。

介護付き有料老人ホームなどの民間施設を選んだ場合は一時金の時点で数百万円が飛んでいくことも珍しくありません。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

最新版・シニア世代の年金額【一覧表で見る】

介護費用に関するデータを見たあとは、冒頭で触れた年金についても見てみましょう。

厚生労働省が2023年12月に公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、自営業や専業主婦など国民年金のみを受け取る場合の平均年金額は男女ともに5万円台。厚生年金を上乗せ受給できる場合の平均額は、男性16万円台、女性10万円台です。

とはいえ、上記はあくまでも平均額。実際の受給額は、現役時代の働き方や年収などにより個人差が出てきます。グラフで確認してみましょう。

【年金一覧表】国民年金のみを受け取る場合

国民年金の受給額事情をグラフで見る

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

〈男性〉平均年金月額:5万8798円

〈女性〉平均年金月額:5万4426円

受給額ごとの人数

1万円未満:6万5660人

1万円以上~2万円未満:27万4330人

2万円以上~3万円未満:88万1065人

3万円以上~4万円未満:266万1520人

4万円以上~5万円未満:465万5774人

5万円以上~6万円未満:824万6178人

6万円以上~7万円未満:1484万7491人

7万円以上~:178万3609人

ずっと自営業や専業主婦(主夫)だった人など、国民年金(基礎年金)のみを受け取る場合は、平均年金月額は男女ともに5万円台。では、厚生年金はどうでしょう。

【年金一覧表】厚生年金を受け取る場合

厚生年金の受給額事情をグラフで見る

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成(https://www.mhlw.go.jp/content/001180700.pdf)

厚生年金(老齢厚生年金)の受給額※国民年金の金額を含む

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

〈男性〉平均年金月額:16万3875円

〈女性〉平均年金月額:10万4878円

受給額ごとの人数

1万円未満:6万1358人

1万円以上~2万円未満:1万5728人

2万円以上~3万円未満:5万4921人

3万円以上~4万円未満:9万5172人

4万円以上~5万円未満:10万2402人

5万円以上~6万円未満:15万2773人

6万円以上~7万円未満:41万1749人

7万円以上~8万円未満:68万7473人

8万円以上~9万円未満:92万8511人

9万円以上~10万円未満:112万3972人

10万円以上~11万円未満:112万7493人

11万円以上~12万円未満:103万4254人

12万円以上~13万円未満:94万5662人

13万円以上~14万円未満:92万5503人

14万円以上~15万円未満:95万3156人

15万円以上~16万円未満:99万4044人

16万円以上~17万円未満:104万730人

17万円以上~18万円未満:105万8410人

18万円以上~19万円未満:101万554人

19万円以上~20万円未満:90万9998人

20万円以上~21万円未満:75万9086人

21万円以上~22万円未満:56万9206人

22万円以上~23万円未満:38万3582人

23万円以上~24万円未満:25万3529人

24万円以上~25万円未満:16万6281人

25万円以上~26万円未満:10万2291人

26万円以上~27万円未満:5万9766人

27万円以上~28万円未満:3万3463人

28万円以上~29万円未満:1万5793人

29万円以上~30万円未満:7351人

30万円以上~:1万2490人

会社員や公務員など、厚生年金に加入して働いていた人は、国民年金に上乗せして厚生年金を受け取ります。国民年金を含む厚生年金の平均月額は、男性で16万3875円、女性平均10万4878円。

平均額だけを比較すると、国民年金だけを受け取る場合よりも手厚いことは確かです。しかし、上記の年金額一覧表からもから分かるように、厚生年金の場合、現役時代の収入や年金加入期間などが老後の受給額を左右します。さらに、介護保険料や住民税といった「天引きされるお金」があることも頭に入れておく必要がありそうです。

親の資産額を知らない子どもが約9割

ちなみに、家族信託サービスを提供する株式会社ファミトラが2023年9月に公表した「親の老後のお金調査」によると、8割の人が「親の介護施設入居には親の資産をあてにしている」という結果に。

一方で、約8割の人が親の預金額を知らず、約9割の人が親名義の不動産は売却できなくなる可能性に備えて対策をとっていないことも報告されています。

ちなみに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査 令和4年調査結果」によると70歳代世帯の金融資産保有額は以下の通り。

二人以上世帯:平均1906万円・中央値800万円

単身世帯:平均1433万円・中央値485万円

平均は二人以上世帯で1906万円、単身世帯で1433万円ですが、より実態に近い中央値を見ると、二人以上世帯は800万円、単身世帯は485万円にまで下がります。

資産状況や年金額は、もちろん世帯によって異なります。しかし、介護費用は、まずは「親自身のお金から出してもらう」心構えが大切です。子ども自身の資産を崩してまかなったり、介護離職を選択したりして子ども自身の暮らしに影響が及ぶことは極力避けたいものです。

「要介護」は突然訪れることも少なくありません。

親が元気なうちに、還暦や定年退職などの自然なタイミングで、将来の介護やお金のことについて話し合う時間を持つことは、まさかのときに「枯渇しない」介護資金計画に繋がるかもしれません。必要に応じて、任意後見や家族信託の制度の活用を検討していくのも一案でしょう。

参考資料

厚生労働省「我が国の人口について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html)

内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r04/zentai/pdf/2_3_3.pdf)

生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf)

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2022/)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2022/)

株式会社ファミトラ【敬老の日 調査】8割の人が「親の介護施設入居には親の資産をあてにしている」にもかかわらず、7割の人が「認知症になると親名義の不動産の売却ができなくなる可能性があることを知らない」実態があきらかに(PR TIMES)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000072234.html)

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