スマホ、PCの速度が遅くなる? その背景と対策について考えてみた
LIMO / 2018年2月21日 21時20分
スマホ、PCの速度が遅くなる? その背景と対策について考えてみた
アップルとインテルのパフォーマンス低下問題は全く別もの
アップルとインテルの「パフォーマンス低下問題」
今春からの進学や就職を控え、パソコンやスマホの購入を検討中の方も多いと思います。そうしたなか、昨年末から年初にかけて、こうした機器に関連する2つの「パフォーマンス低下問題」という気掛かりなニュースがありました。
まず、昨年12月に明らかになったのは、iPhone 6など電池が劣化した旧機種において、アップルがCPU処理速度抑制(スロットリング)を行っていた問題です。
続いて話題となったのは1月初め、インテルのCPUにセキュリティ上の問題が存在し、その解決のためにパソコンやサーバーなどのパフォーマンスに遅延が生じる可能性があるというニュースです。
この2つの問題は全く別ものです。ただ、テクノロジーにあまり詳しくないと、「最近、パソコンやスマホの処理速度が落ちることが問題となっているから、少し買い控えたほうがいいのかもしれない」と感じる場合があるかもしれません。
そこで今回は、これら2つの問題に関してのおさらいと、押さえるべきポイントについて整理をしたいと思います。
アップルは電池交換とiOSの更新で対応
まず、アップルから。同社は現在、保証期間が過ぎている場合でも、2018年12月末までiPhone 6以降のバッテリー交換費用を通常の8,800円から3,200円に値下げしています。
先述のように、昨年末、同社は電池が劣化した時に急に電源が落ちることによる不便さを避けるために、旧機種においてスロットリングの機能をソフトウエアに組み込んでいたことを明らかにしました。
それに対しユーザーから、”陳腐化したように見せかけて買い替えを促すためだ”という批判が殺到したことが、こうした措置を行う理由です。
ただ、リチウム電池の経年劣化は避けられないことであり、電源が突然、完全にシャットダウンしてしまうよりもパフォーマンスが落ちるほうが緊急事態でも対処できるといったメリットもあることなどから、「スロットリング」という対応策は、アップルに限らずパソコンなどでも取り入れられている方式です。
これらをを考慮すると、アップルが買い替えを促すためにスロットリングを取り入れたという”陰謀説”にはやや無理があることになります。とはいえ、テクノロジーに詳しくない一般消費者にそのことを十分に周知徹底しなかったという点では批判は免れないのかもしれません。
そこでアップルは、そうしたコミュニケーション不足を反省し、2017年12月28日に「A Message to Our Customers about iPhone Batteries and Performance(https://www.apple.com/iphone-battery-and-performance/)」という謝罪文をホームページに掲載し、上述の電池交換費用の値下げによる対応策を発表しています。
加えて、18年春にリリース予定の基本ソフトのニューバージョン(iOS 11.3)により、バッテリー劣化状況の表示を追加し、さらにユーザーがシャットダウンを防ぐための速度抑制を望むか否かなどを選べるようにすることも表明しています。
こうした動きから、アップルがこの問題に対してユーザーに真摯に向き合おうとしていることが理解できますが、いずれにせよバッテリーの経年劣化は現在のテクノロジーでは不可避であるという点には注意すべきです。
よって、まず押さえるポイントは、よほどバッテリーに大きな技術的なブレークスルーがない限り、処理速度の低下による懸念から買い控えることには意味がないということになります。また、同じスマホを長く使い続けたいのであれば、電池交換を定期的に行うこと以外に根本的な対策はないとも言えます。
余談ですが、旧機種をお使いの方で、現状でバッテリーに大きな問題がないのであれば、値下げキャンペーン期間の最後まで使い続けることが得策であるということになるでしょう。
個人レベルでの影響は限定的なインテルのセキュリティ問題
次にインテルです。同社の株価は1月3日(現地時間)、CPUにセキュリティ上の重大なバグ(欠陥)が見つかったという報道により急落しています。
急落のきっかけとなった報道は、イギリスのコンピュータ系情報サイト「The Register」によるものす。その報道によると、対策はハードウェアかOS(基本ソフト)で行うことが必要となるが、後者だけで行った場合には大幅な性能低下を引き起こす可能性があると示唆されています。
このニュースだけを見た方は、アップルのスマホのみならずインテルが入ったパソコンも遅くなるのか、と心配されたかもしれません。しかし、その後この問題はインテル製CPUだけの問題ではないことが明らかになっています。
ちなみにインテルは、すでにこの問題を軽減するためのソフトウェアおよびファームウェアアップデートの提供を開始しています。
また、インテルでは、「パフォーマンスの低下は負荷に比例するものであり、一般ユーザーの場合、さほど大きなものとはならず、やがて緩和されるはずだ」という趣旨のコメントも発表しています。
このため、データセンターや企業、官庁などの大規模ITシステムの運用者にとっては、この問題は引き続き対応が必要となりますが、個人レベルでは当面はあまり重大な問題にはならなさそうです。
とはいえ、OS等のアップデートは定期的に行う、パスワードを頻繁に変える、不審なメールは開かない、などの一般的なセキュリティ対策には十分に注意を払いたいところです。
まとめ
結論としては、今回の2つの問題では「買い控えなくていい」ということになります。ただし、パソコンやスマホは、日常生活で水道や電気と同じようになくてはならない存在となっているため、引き続き、セキュリティやパフォーマンスの問題については注視していきたいと思います。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
7年前のiPhoneは今でも使える? カメラや通信速度は最新型に惨敗、LINEが使えない機種も…しかしいまだに“優位な点”も
文春オンライン / 2024年11月22日 17時0分
-
3つのおしゃオーラでメロメロ レノボの「Yoga Aura Edition」
ASCII.jp / 2024年11月15日 19時0分
-
AirPodsの寿命は何年? 買い替えの目安になる「3つの症状」って何?
オールアバウト / 2024年11月7日 21時20分
-
自由自在に変形するCopilot+ PC、スタイルの柔軟性が魅力の日本HP「OmniBook Ultra Flip 14」
ASCII.jp / 2024年11月5日 17時0分
-
最近スマホのバッテリーの消耗が激しい気がするのですが、もう買い替え時なのでしょうか。スマホの価格が高騰しているので、今の機種をこのまま使い続けたいのですが危険ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月2日 3時10分
ランキング
-
1【独自】所得減税、富裕層の適用制限案 「103万円の壁」引き上げで
共同通信 / 2024年11月23日 18時57分
-
2昨年上回る規模の経済対策、石破色は一体どこに?【播摩卓士の経済コラム】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月23日 14時0分
-
3副業を探す人が知らない「看板広告」意外な儲け方 病院の看板広告をやけにみかける納得の理由
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 19時0分
-
4《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 16時15分
-
5農協へコネ入社の元プー太郎が高知山奥「道の駅」で年商5億…地元へのふるさと納税額を600万→8億にできた訳
プレジデントオンライン / 2024年11月23日 10時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください