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【老人ホーム】年金暮らしの83歳母が特養を検討中。早期入所のためのコツは?【ケアマネが回答】

LIMO / 2024年2月3日 7時30分

【老人ホーム】年金暮らしの83歳母が特養を検討中。早期入所のためのコツは?【ケアマネが回答】

【老人ホーム】年金暮らしの83歳母が特養を検討中。早期入所のためのコツは?【ケアマネが回答】

費用の負担が少ない特別養護老人ホームは、待機者も多い!

遠方に住む83歳母が特別養護老人ホーム(以下、特養と記載)の入所を希望していますが、近隣の施設はどこも待機者が多いようです。子ども世帯はみな遠方に住んでおり、この先の一人暮らしも不安。特養に早く入所するためのコツはありますか?

ケアマネジャーの筆者に、こんなお悩みが寄せられました。ご家族が近くでの見守りや支援ができないため、心配なことも多いかと思います。ご相談にお答えしながら、詳しく解説していきましょう。

特養に早期入所できるコツはある?

特養(特別養護老人ホーム)の基本

まずは特養の特徴を簡単に確認しておきましょう。特養に入所できるのは、原則として要介護3以上の高齢者で、自宅での生活が困難な方が対象です。比較的低額な入居費が魅力となり、待機者(入所待ちしている人)が多い傾向にあります。

特養に早期入所できるコツはあります。カギを握るのは「判定会議」

ご質問への結論を申し上げますと「特養に早期入所できるコツはある」というのが回答です。特養入所の可否や順番は、施設が開催する「判定会議」で決定されます。判定会議で主に検討されるのは、以下の3つです。

【一覧表】特養入所の「判定会議」で検討される3つの要素

特養入所の「判定会議」で検討される3つの要素

出所:LIMO編集部作成

    介護度や介護保険サービスの利用状況

    既往歴や認知症の有無

    家族の状況など

※施設によって判定の基準や項目は異なりますが、上記は重要な要素です。

施設の入所審査は、上記の項目を基準に行われます。緊急性の有無などで、後から申し込んだ人が先に入所することも珍しくありません。ですから早期入所を希望する場合には「判定基準にできるだけ近づける」ことが重要になってきます。

次では、これらの基準に近づくために、どのように行動するべきかについて詳しく解説していきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【特養早期入所のコツ その1】介護度や介護保険サービスの利用状況

まずは、介護度や介護保険サービスの利用者状況について。

特養は、原則として要介護3以上の方が申し込めます。施設への申込書持参は、ご家族が直接行うことがおすすめです。

ケアマネジャーに持参を依頼することも可能ですが、ご家族が直接申し込みすることで施設の雰囲気やスタッフの対応を直接確認できます。また、ご家族の希望や意向を直接伝えることも可能です。

施設を訪問した際には、現在の状況や困っていることを詳しく担当者へ伝えましょう。特に困っていることを具体的に話すのがポイントです。転倒や徘徊、火の元の不安があるなど、緊急性が伝わると効果的です。

また申し込んだ後も、介護度や体調などに変化があれば、逐一連絡します。施設へ「しっかり関わってくれる家族」という印象を与えることも重要です。

また希望している施設のショートステイやデイサービスを利用するのも非常に有効です。施設にとって、自社サービスを使用してくれている利用者は「お得意さま」です。

さらにサービス利用時の様子を把握できるメリットもあります。施設側からみても、全くの新規利用者よりも、様子の分かっている既存利用者の方が受け入れやすいものです。普段のサービスを問題なく利用できている場合には、入所できる可能性がグッと高くなります。

そのため複数の特養へ申し込む際には、それぞれの施設が提供しているサービスを利用しておくと入所のチャンスを広げられるのです。

【特養早期入所のコツ その2】既往症や認知症の有無

既往症や認知症の有無についても情報共有を!施設ごとに対応力は異なります。

buritora/shutterstock.com

2番目に挙げた、「既往歴や認知症の有無」について解説していきます。

施設へ申し込む際には、これまでの病気や現在の状況について率直に話しましょう。

認知症の症状がある場合も同様です。施設によって認知症利用者への対応力は異なります。せっかく入所しても施設の対応が追いつかず、退去を勧められる可能性もあるのです。

お互いのミスマッチを避けるためにも、現在の状態を率直に話しておきましょう。

【特養早期入所のコツ その3】家族の状況など

3つ目に挙げた「家族の状況」について解説します。

施設にとってご家族は、利用者を支援していくための大切なパートナーです。体調不良時や緊急時の対応など、入所後もご家族の役割は継続します。

ご相談者様は遠方に住んでおられるとのことですが、必要時には支援可能であることを施設へ伝えれば好印象を与えられます。ですから申し込み時などに「必要時には、できる限り支援します」と伝えておくとよいでしょう。

また、ご家族が就労していることは、入所判定に有利となる可能性があります。ご家族が仕事に従事している場合、介護に十分な時間を割くことが難しいと判断され、優先して入所できることがあるのです。

ただし体調やご家庭の事情もあると思いますので、無理に就労する必要はありません。「就労が有利になることもある」程度に考えてください。

特養入所を「少しでも早めたい人」におすすめの裏ワザ

少しでも早く特養に入りたいときに

MMD Creative/shutterstock.com

その他の要素についても解説いたします。特養は待機者が多い傾向にあるため、複数の施設へ申し込むのがおすすめです。

担当のケアマネジャーは、待機者の少ない特養を把握していることがあります。そのためケアマネジャーと相談しながら入所申し込みを行うことで、早期入所の可能性を高めることも可能です。

また、お母様の地域だけでなく、ご相談者様の地域にある特養へも申し込むのも有効です。

その際には、お近くの地域包括支援センターへ相談されることをお勧めします。地域包括支援センターは公的な機関ですので、無料で相談することが可能です。現状を説明し、条件に合った特養を紹介してもらいましょう。

それでも早期入所が難しそうな場合は?

どうしても早期入所が難しそうであれば、ユニット型の特養に申し込むのも一つの手段です。特養には、部屋のタイプによって「従来型」と「ユニット型」の2種類があります。従来型は多床室で、ユニット型は個室です。

ユニット型は個室であるため、利用料は従来型よりも高額になります。しかし高額であるため、競争率は従来型よりも低い傾向があります。

なお部屋代や水道光熱費は施設によって異なるので、希望の施設へ確認しておきましょう。

参考資料

厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group14.html)

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