1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

認知症80歳母の老人ホーム入所を「思わず即決」 50歳代娘の迷いが吹っ飛んだ衝撃の光景とは

LIMO / 2024年2月2日 20時34分

認知症80歳母の老人ホーム入所を「思わず即決」 50歳代娘の迷いが吹っ飛んだ衝撃の光景とは

認知症80歳母の老人ホーム入所を「思わず即決」 50歳代娘の迷いが吹っ飛んだ衝撃の光景とは

“姥捨て”と呼ばれても構わない!  家族が知っておきたい「認知症の介護」お金の話も

厚生労働省の推計によると、来たる2025年は、高齢者の5人に1人が認知症になる年。親戚や隣近所に「ちょっと気になるお年寄り」はいませんか?

認知症の人のさまざまな問題行動は、介護する家族を疲弊させ、心身の不調、さらには家庭崩壊を引き起こすこともあります。

とはいえ、年老いた親を老人ホームに入所させることに躊躇する人は少なくないでしょう。

費用面での不安はもちろん、「家族がもう少し頑張れば何とかなる」という、希望的観測にも似た根性論で在宅介護を続けるケースも。実は筆者もその一人でしたが……。

今回は認知症の母の在宅介護歴7年目の筆者に、ついに「限界点」が訪れた瞬間をお話ししましょう。

【認知症の在宅介護】家族が頑張ればどうにかなると思っていた

静かに、でも確実に進んでいった認知症の症状

Burdun Iliya/shutterstock.com

筆者の母(80歳・要介護3)が、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」と診断されたのは7年前。その後、認知面の低下は緩やかに、でも確実に進んでいきました。

認知症の典型的な問題行動である、「物盗られ妄想」「作り話」「暴言」などは一通り経験。近居での通い介護の中で、筆者は多少の問題行動も右から左へ受け流すことができるようになりました。

家族や訪問介護スタッフにあらぬ疑いをかけたり、昼夜問わぬ「鬼電」で親族や知人の安眠妨害をしたり、時には深夜に隣家のベルを鳴らして謎のSOSを求めたり……。

関係者に先回りして事情を説明し、迷惑をかけたときは丁寧にお詫びをしてきた結果、みなさんからの理解をしてもらえたことは幸運だったと思います。

「姥捨て山になんて、絶対行かない」鬼の形相で叫ぶ母に恐怖

「家族さえ、いや、介護のキーパーソンである娘の私さえ辛抱すれば、どうにかなるだろう」と、根拠のない自信も持っていました。

施設介護に踏み切ることができなかったのは、費用面の不安はもとより、本当の限界点がまだ見えていなかった時期だったからなのでしょう。

また、「老人ホームなんて姥捨て山に連れて行ったら承知しない」と日頃から鬼の形相で叫ぶ母に、ちょっとした恐怖感も覚えていたことも事実です。

「火事さえ出さなければ、あとは何とかなるはず。介護保険の訪問サービスの助けを借りながら最期まで家でみよう」と腹をくくっていた筆者。しかし先日、施設入所を秒速で決断するきっかけとなる事件が起こります。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

「老人ホーム入所を秒速で決めた!」娘が見た衝撃の光景とは

火元はまさかの電子レンジ

justkgoomm/shutterstock.com

母の家は、認知症の兆候が出始める前から、「まさかのとき」に備えガスコンロをやめ、IHコンロを使っていました。

認知症が進んだ今では料理もできなくなったことから、「我が家が火元にはなり得ない」とタカをくくっていたのがとんでもない大誤算、というより不勉強でした。

とある日、電子レンジから発火し、家中に煙が充満。たまたま気づいた隣家のご主人が初期消火してくださり、ボヤで済んだのですが……。

姥捨てと言われても構わない!「老人ホーム入所を秒速で決めた」

ボヤの知らせを受け駆け付けた筆者を迎えたのは、煙が充満したリビングで平然と椅子に座る母の姿。娘(筆者)の顔を見るやいなや、「朝から何も食べていない」「お隣さんが急に家に入ってきた……」と訴えてきたのでした。

これが「在宅介護の限界点」だった

そして、隣家の奥様が困惑した顔で発した「火事にならなくて良かったです……」という一言。くすぶった電子レンジの庫内には、真っ黒になったパンと思しき物体が残っていました。

在宅介護の限界点が、ついにやってきた瞬間でした。「あと一歩で火事だった。もう家で見るのは無理だ」

この日から、筆者は血眼になり老人ホームの情報を集め、週末はあちこちの施設を見学したのでした。

在宅介護の限界点が来たら、家族だけで抱え込まないこと

介護施設への入居を考えるきっかけ、第1位の「認知症」 でも、その症状は色々……。

出所:株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(2023年8月3日公表)

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」によると、要介護者の介護が必要になった主な原因として最も多かったのが、「認知症(23.6%)」。

また、LIFULL seniorの調査では、介護施設への入居を考えるきっかけとなった状況は「認知症があった」が第1位です。その具体的な症状として「火の不始末」と挙げた人も一定割合います。

在宅介護の限界点を感じたら、家族だけで抱え込むことはせず、介護のプロの手にゆだねることを考えていきましょう。

認知症の症状からくるトラブルには色々なものがありますが、火の元が絡む問題は、ささいな出来事でも絶対に重大視する必要があるでしょう。一歩間違えば隣近所を巻き込む大惨事になるのですから。

介護費用は「親の資産から」が基本

在宅介護から施設介護への切り替えは、気持ちの面でもお金の面でも大きなインパクトがあるできごとです。

ちなみに内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」では65歳以上の実に85.2%が、介護が必要となった場合、介護費用を自分自身の資産から捻出すると回答していますが……。

介護費用は投資信託や株式を売却してまかなうつもりだった

持ち家を処分して老人ホームの入居費用を作る予定だった

といったプランを立てている場合は、注意が必要でしょう。特に認知症の場合、症状が進行して判断能力が衰えると銀行などの口座が凍結されて引き出せなくなったり、不動産の売買契約ができなくなったりする可能性も。

親の資産は「本人のために」しっかりと有効活用したいもの。必要に応じて任意後見や家族信託などの制度の活用を検討していくことは、「転ばぬ先の杖」として有効であることは間違いないでしょう。

まとめにかえて

健康状態や認知面をコントロールすることは難しいですが、「まさかの時」に備えることが大切です。介護費用を上手に捻出できるかどうかは、親と子それぞれの世帯の暮らしに大きな影響を及ぼします。

また、筆者の経験上、比較的元気なうちから、ガスコンロをIHコンロに切り替えたり、スマートフォンなどの便利な電化製品に慣れておいてもらうことも大切です。認知面が低下してから新しい電化製品の使い方を覚えることは難しくなるからです。

そして何より、介護生活で忘れがちなのが「親と自分は同じ速度で歳をとっていくのだ」という事実。育児や仕事、さらには自分の心身の健康管理が難しくなるような事態となれば、そこが家族介護の限界点かもしれません。

※記事中のエピソードはすべて実話ですが、認知症という病気の症状や進行具合は一人一人ちがいます。医療機関を受診し、信頼できる医師の指示のもとで、適切な療養・介護を行ってください。

参考資料

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf)

日本化学工業協会「電子レンジから発火!? ~食品の加熱しすぎに注意~」(https://www2.nikkakyo.org/system/files/chumoku302.pdf)

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf)

株式会社LIFULL senior「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」(PR TIMES)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000049958.html)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください