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【老人ホーム】年金ひと月5万円「元とび職の父・81歳が認知症」国民年金だけで入れる施設を探しているのですが……。

LIMO / 2024年1月11日 7時30分

【老人ホーム】年金ひと月5万円「元とび職の父・81歳が認知症」国民年金だけで入れる施設を探しているのですが……。

【老人ホーム】年金ひと月5万円「元とび職の父・81歳が認知症」国民年金だけで入れる施設を探しているのですが……。

介護のお悩み、ケアマネジャーがお答えします!【一覧表つき:介護施設比較】

「老人ホームに入居するとどのくらいのお金がかかるのだろう」「親の年金だけで費用がまかなえるのか?」

親の老人ホームへの入居を検討するにあたって、お金の心配をする方も少なくないでしょう。

今回、順一さん(仮名・58歳)から筆者に寄せられたご相談も「老人ホームの費用」に関するお悩みです。話を聞いてみましょう。

認知症の父(要介護3)「月5万円の年金で入れる老人ホームを探しています

順一さんからの相談

一人暮らしをする父(81歳・要介護3)は、2年前に認知症と診断されました。

できるだけ住み慣れた自宅で過ごさせてあげたいと、平日は介護保険サービスを利用し、平日は近くに住む妹が、週末はほぼ、わたしと弟が交互に帰省して父のサポートをしています。

今後は老人ホームへの入居を検討していますが、心配なのはやはり「お金のこと」です。

元とび職の父の年金は毎月5万円ほど。貯蓄も決して多くはないようです。できるだけ父のお金だけで費用をまかなえる老人ホームにお世話になりたいと思っていますが、国民年金だけで入居できる施設はありますか?

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

筆者からの回答

いつかは来る「在宅介護の限界点」

takasu/shutterstock.com

「認知症が進行すれば、いずれは在宅介護の限界が来ます」

認知症が進行すれば、いずれは在宅介護の限界を迎え、施設入居を検討しなければならない時期が訪れます。そのため、できるだけ早い段階から施設入居を検討することが大切です。

相談者さんのように、国民年金だけが収入源の方の場合、選択肢は狭くなりますが、入居できる施設はいくつかありますのでご安心ください。

今回は、老人ホームの入居にかかる費用や年金額が少なめの方におすすめの介護施設を紹介していきます。

老人ホームでかかる費用

老人ホームに入居する際の費用は、契約時に支払う「初期費用(入居一時金)」と毎月支払う「月額費用」の2種類。

そのほかにも食費や医療費、日常生活費などの費用も必要となりますから、年金で無理なく費用を支払い続けることができる施設を選んでいきましょう。

さらに、高齢者向け施設には地方公共団体や社会福祉法人が運営元となる「公的施設」と、民間企業が運営元となる「民間施設」の2種類があります。

「公的施設」と「民間施設」どちらを選ぶかによって、施設利用にかかる費用には大きな差が出る点も知っておきましょう。

【老人ホーム】施設のタイプ別 費用の目安

【一覧表】施設のタイプ別「老人ホームの費用の目安」

出所:各種資料をもとに筆者作成

ここからは、公的施設と民間施設の費用相場を整理していきます。一覧表を見ると、公的施設の方が、民間施設より比較的安い費用で入居できることがわかります。

経済的な負担が少ない「介護保険施設」がおすすめ

相談者のケースのように「要介護3で認知症がある」「年金がひと月5万円」という方には、公的施設のなかでも「介護保険施設」への入居をおすすめします。

介護保険施設とは、介護保険サービスで利用できる特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院の3施設のこと。

介護保険施設は、認知症の方も入所可能です。また、入所時に前払いする「入居一時金」が必要なく、入所者が負担する費用は、毎月の利用料のみです。おむつ代も利用料に含まれているので、経済的な負担が少なく、民間施設よりも安い費用で利用できます。

さらに、住民税非課税世帯など所得の少ない方に対するさまざまな負担軽減制度が用意されているので、費用面に不安がある方でも入所しやすいという利点があります。

【一覧表で比較】3つの介護保険施設のメリット・デメリット

【一覧表で比較】3つの介護保険施設のメリット・デメリット

出所:LIMO編集部作成

次に、3つの介護保険施設の特徴を紹介していきます。合わせてメリット・デメリットも見ていきましょう。

特別養護老人ホーム(特養)

寝たきりや認知症で日常生活の介助が必要な65歳以上(原則、要介護3以上)が対象。24時間体制で介護サービスが受けられる。

特別養護老人ホームのメリット

・入居一時金が不要。月額費用を安く抑えることができる
・「ついのすみか」として終身利用が可能
・低所得者に対する「負担軽減制度」が利用できる

特別養護老人ホームのデメリット

・入居希望者が多く、入居までに数年間待機することもある
・医療依存度が高い場合は、入居を断られるケースもある
・入居は、申し込み順ではなく「必要性の高い申込者」から優先される

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)の対象は、病院の退院後などに在宅復帰を目指す65歳以上(要介護1以上)。医療ケアやリハビリを受けることができます。

介護老人保健施設のメリット

在宅復帰を目指して医療ケアやリハビリが受けられる

要介護1から入所が可能

低所得者に対する「負担軽減制度」が利用できる

介護老人保健施設のデメリット

入居期間が限定される

レクリエーションや生活支援サービスが少ない

介護医療院

介護医療院の対象となるのは、長期療養が必要な65歳以上(要介護1以上)。介護と医療、どちらのサービスも受けることができます。

介護医療院のメリット

手厚い医療ケアが受けられる

リハビリが充実している

ターミナルケアに対応している

低所得者に対する負担軽減制度が利用できる

介護医療院のデメリット

費用が高め

施設の数が少ない

個室数が少ない

6.入居の申し込みはお早めに

ここまでにご紹介した3つの介護保険施設のなかでも、とりわけ「特別養護老人ホーム」のは入居希望者が多いです。在宅介護が難しくなったタイミングで申し込みをしても、たいていの場合、即入居とはいかないことを想定しておいたほうが良いでしょう。

厚生労働省の報告によると、2022年4月時点で、特別養護老人ホームの入所を待つ人(申込者のうち要介護3以上の人)は、全国で約25万3000人。

また、特養の平均待機期間は2〜3年とも言われます。

そのため、特別養護老人ホームを入居先の第一希望とするのであれば、早めに申込むことをおすすめします。

また、民間施設であっても、評判の高い施設は満室で受入れ不可というケースも少なくありません。

来たる2025年は、65歳以上の人の約5人に1人が認知症になると見込まれている年でもあります。シニアの親の「ささいな変化」を見逃さず、不安が生じたときには施設入所の検討を始めていきましょう。

参考資料

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/)

厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000157884_00004.html)

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