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『西郷どん』の経済効果は『真田丸』を上回る!? 現地へ行ってみた

LIMO / 2018年2月22日 17時20分

『西郷どん』の経済効果は『真田丸』を上回る!? 現地へ行ってみた

『西郷どん』の経済効果は『真田丸』を上回る!? 現地へ行ってみた

番組視聴率の出足は今一歩だが、大河ドラマ館は大賑わい

今年のNHK大河ドラマ『西郷どん』

今年のNHK大河ドラマは『西郷どん』です。これは、明治維新の立役者の1人である西郷隆盛の波乱万丈の人生を描く内容で、今年が明治維新150周年であることにちなんだものでもあります。

なお、大河ドラマが西郷隆盛を取り上げたのは1990年の『翔ぶが如く』に次いで2回目となります。

視聴率の出足は今一歩の印象、今後の展開に期待

28年ぶりとなる西郷隆盛のドラマに対する注目度は日に日に高まっているようです。と言いたいところですが、『西郷どん』の放送開始から1カ月半を過ぎた現時点では、その盛り上がりは今一つというのが正直なところではないでしょうか。

たとえば、テレビの視聴率を見てみると、既に終了した第7話までの平均視聴率が14.9%(関東地区番組平均視聴率、以下同)となっており、同じ第7話終了時では2015年「花燃ゆ」の14.4%を上回っているものの、2017年「おんな城主直虎」の15.1%、2016年「真田丸」の18.4%を下回っています。

もちろん、視聴率だけが全てではありませんが、大々的な事前キャンペーンを打った割には物足りない感じがするのは筆者だけでしょうか。

日本人の西郷隆盛に対する関心度は高くない?

ちなみに、28年前の「翔ぶが如く」の年間平均視聴率は23.2%でしたが、実は、この時も視聴率の不振が大きな話題となっていました。

実際、1987年「独眼竜政宗」の39.7%、1988年「武田信玄」の39.2%、1989年「春日局」の32.4%から大きく低下しています。

もしかすると、西郷隆盛という人物に対する日本人の関心度が低いのでしょうか? それとも、日本最後の内戦である西南戦争における反政府軍の首謀者というイメージが強いからなのでしょうか。

鹿児島市中心部にある「維新ふるさと館」に展示されている西郷隆盛と愛犬の”つん”

鹿児島(県)に期待される経済効果は300億円超

さて、今回の大河ドラマのご当地である鹿児島県(主に鹿児島市)の雰囲気はどうでしょう。毎回そうですが、大河ドラマのご当地には大きな経済効果が見込まれています。

昨年発表された『西郷どん』による経済効果予測では、日銀鹿児島支店が307億円、九州経済研究所(鹿児島市)が328億円と発表しています。経済効果の定義が統一されているわけではありませんが、300億円を超える経済効果は非常に大きいと言えます。

ちなみに最近では、2016年「真田丸」のご当地だった長野県(上田市など)では200億円を超える経済効果が上がったことが判明しています(注:長野県上田市の発表)。

国内外からの観光客で賑わいが続く鹿児島市内

そのような経済効果への期待を肌で感じるべく、実際に鹿児島市に行ってみました。

今回の大河ドラマとは関係なく、鹿児島市も近年は訪日外国人観光客が増加しており、常に賑わっているようです。市内には新しいホテルも次々に建っているようでした。

筆者が到着したのは3連休の中日でしたが、その連休が終わっても閑散とすることはなく、国内外からの大勢の観光客が、空港バスや新幹線で続々と鹿児島中央駅に到着しているシーンが見られました。

新たなランドマークである大河ドラマ館は大賑わい

今年1月にオープンした「大河ドラマ館」では、2月19日に入場者5万人達成セレモニーが行われた

特に、最近は国内からの観光客が増えている様子で、“西郷どん効果”も小さくないように思われました。

その国内からの観光客にとっての新たなランドマークが、1月にオープンしたばかりの大河ドラマ館です。筆者も入場しましたが、復元した撮影セットや、実際に女優が着用した衣服などが数多く飾ってありました。

正直、特段ビックリするような内容ではありませんでしたが、中高年層にはとても人気が高いようで、多くの団体ツアー客が訪れていたのが印象的でした。そして、ご多分にもれず、館内にある関連グッズや名産品のショップコーナーは大混雑です。

ちなみに、館内では出演している俳優が映っている展示品は、肖像権の関係で全て撮影禁止となっています。なお、この大河ドラマ館は、今後は番組の進行に従って、年内に数回の衣替え(リニューアル)を実施する予定とのことでした。

「大河ドラマ館」では復元した撮影セットや女優が着用した衣服などが展示されている

市内の飲食店では『西郷どん』にちなんだ数多くの新メニュー

また、市内にある多くの飲食店では、『西郷どん』にちなんだ新メニューを開始しています。

筆者が食した「西郷丼」(さいごうどん)もそうですが、「西郷うどん」「西郷定食」「西郷ステーキ」など数え上げたらキリがありません。

その新メニューの効果が出ているのかどうかは分かりませんでしたが、どの飲食店も国内外の観光客で満席だったようです。少し価格が高めに設定されている“西郷どん関連メニュー”も、オーダーが多く出ていると思われました。

豚の角煮と薄切り肉、鶏の手羽先を黒酢で炊いた具を載せるスタイルの西郷丼

鹿児島といえば黒豚。こちらはロースカツ

経済効果300億円超は決して大袈裟ではない?

筆者が鹿児島市内に滞在した数日間で感じた限りでは、経済効果300億円超という予測も決して大袈裟ではないという印象を受けました。

これまで述べてきたこと以外にも、ホテル料金が値上がりしていることなども経済効果に寄与するのではないかと感じました。今後の大河ドラマ「西郷どん」の進展具合とともに、鹿児島県内の経済状況にも注目していきたいと思います。

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