【特養などの老人ホーム】うちの親に合う介護施設を選ぶ「5つの鉄則」現役ケアマネが教えます
LIMO / 2024年2月23日 7時30分
【特養などの老人ホーム】うちの親に合う介護施設を選ぶ「5つの鉄則」現役ケアマネが教えます
<一覧表つき>老人ホームの種類別特徴も整理
老人ホームは、大切な家族が長い時間を過ごす大切な場所です。
しかし介護施設の種類は様々で、「自分の親に、どの施設が合っているのか分からない」と感じている方もおられるかもしれません。
そこで今回は、自分の親に合った介護施設を見つけるための「5つの鉄則」を紹介します。
【鉄則その1】まずは希望する条件を明確にする
多くの老人ホームから自分の親に合った施設を選ぶためには、まず希望する条件を明確にする必要があります。具体的には、以下の3つについて確認していきましょう。
入居する目的・時期
本人や家族が希望する生活スタイルや介護度、認知症の有無によって、入居する目的は様々です。どんなサービスが必要なのかを、本人や家族で整理しておく必要があります。
例えば、認知症の症状があって細やかな介護を希望する人もいれば、思い切りイベントや趣味活動を楽しみたい人もいます。どのような施設を希望するかを、本人や家族が共有することが重要です。
また希望する入居時期についても明確にしておきます。数年先でもよいのか、今すぐなのか、家族間でも意見が分かれることも多いです。できるだけ、お互いの希望を共有しておきましょう。
費用
本人や家族の資産・経済状況を整理することも大切です。予算オーバーの施設に無理して入所すると、支払いに困って退去を余儀なくされるかもしれません。 お金の話は家族間でも気まずいものです。しかし施設の申し込みをスムーズにするためには、大まかな予算を確認しておきましょう。
立地
自宅から近い施設を選ぶことは、重要な要素の一つです。本人が安心感を持てるだけでなく、家族や知人が面会に来やすいというメリットがあります。
また自宅から離れた施設であっても、家族の居住地に近い場合は、緊急時にも迅速に対応できるので安心です。
他にも、公共交通機関の利便性や、近隣にスーパーや公園などの生活施設が整っているかどうかを確認しておくとよいでしょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【鉄則その2】老人ホームの種類・特徴を知る<一覧表つき>
ここでは4つの老人ホームの種類と特徴について紹介します。経営主体によって、公的施設と民間施設に分類できます。
公的施設は費用が安いのがメリットです。一方、民間施設は独自のサービスを提供している施設も多くあります。 以下に、4つの老人ホームの特徴を表でまとめました。
※費用は目安であり、施設によって前後します。詳細は、施設のパンフレットなどで確認してください。
【一覧表】老人ホーム種類別「月額費用の目安と特徴」
民間施設
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
費用:比較的費用が安い(月額目安:10~30万円)
特徴:安否確認などの最低限のサービスは提供されるが、介護サービスは外部へ依頼する必要あり。
介護付き有料老人ホーム
費用:費用は高めであり、初期費用がかかることも(月額目安:15~30万円)
特徴:多様なレクリエーションやサークル活動が特徴。病院が敷地内にあるなど、サービスが充実していることが多い。
グループホーム
費用:特養よりも高い、初期費用が必要な場合も(月額目安:15~20万円)
特徴:認知症の診断を受けていることが入所要件。最大定員9人の少人数制であり、アットホームな雰囲気で生活できる。
公的施設
特別養護老人ホーム
費用:比較的費用が安い、初期費用は不要(月額目安:5~17万円)
特徴:原則要介護3以上が入所要件。終身利用が可能で費用を抑えられる。希望者が多く、入居待ちが多いのがデメリット。
【鉄則その3】見学は必須!複数の施設を比較検討する
自分の親に合う施設を見つけるために、事前の見学は必要です。
見学すると、施設の様子やサービスを自分の目で確かめられます。施設のスタッフに質問して、費用やイベントなどの情報を詳しく聞くことも可能です。
ホームページやパンフレットで興味を持った施設には、見学の予約をして実際に行ってみましょう。できれば、複数の施設を見学されることをお勧めします。
【鉄則その4】最低でもこの3つはチェックしよう!
ここでは、入所前にチェックするべきポイント3つについて紹介します。
①施設やスタッフの雰囲気
実際に見学すると、施設内の雰囲気が分かります。「自分の親に合っているか」「スタッフの勤務態度はどうか」などを確認することも可能です。
また実際に利用者の部屋を見せてもらうことで、どの程度私物を持ち込めるかなど細かい点をチェックできます。
食事内容や清掃が行き届いているかについても確認しておきましょう。
②費用の内訳
サ高住や有料老人ホームでは、敷金のような意味合いを持つ「入居一時金」が必要な場合もあります。
早期退所した場合の返還率などは施設によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
またグループホームなどでは、紙パンツなどの費用が実費になることも。パンフレットに記載されていない費用がないかを確認しておきましょう。
③介護・医療の体制
老人ホームでは、介護・医療の人員配置が施設によって異なります。
日中や夜間に、どのくらいの人数が働いているか、看護師が常駐しているかどうかなど、人員体制については事前に確認しておきましょう。
また施設を選択する際には、自分の希望やニーズに合わせて検討することも大切です。
施設が認知症の方にどのような対応をしているか、リハビリの提供があるかなど、気になることはできるだけ聞いておきましょう。
【鉄則その5】信頼できる専門家に相談する
担当ケアマネジャーや地域包括支援センターなどの専門家に相談することも重要です。これらの専門家は、地域の介護施設に関する情報に精通しています。
また本人の状態や家族の希望を理解した上で、第三者として客観的な視点からアドバイスを受けることも可能です。また直接施設の方に聞きにくいことでも、気軽に相談できます。
まとめにかえて
老人ホーム探しには、不安や迷いが多いものです。大切な家族が快適に暮らせる場所を選ぶためには、施設見学や専門家への相談が欠かせません。
この記事が、ご希望の老人ホームをみつける際の参考になれば幸いです。
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