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1年間で株価が約3倍! カラオケ、フィットネスのコシダカHD絶好調の理由

LIMO / 2018年2月28日 11時50分

1年間で株価が約3倍! カラオケ、フィットネスのコシダカHD絶好調の理由

1年間で株価が約3倍! カラオケ、フィットネスのコシダカHD絶好調の理由

成熟社会の日本でも既存業種・新業態で成長を実現

海外企業の買収報道で株価が急伸

カラオケの「まねきねこ」、女性だけのフィットネスクラブ「カーブス」、温浴施設の「まねきの湯」など、特色ある事業を展開するコシダカホールディングス(2157)の株価が好調です。

2018年2月18日には、前日に米国のカーブスインターナショナルなど2社を買収すると発表したことが好感され、前日比+13%の大幅高になったことが話題になりましたが、株価はそれ以前から業績好調を背景に上昇しており、直近(2月26日)の株価は1年前と比べて約3倍(+207%)の水準となっています。

コシダカホールディングスの過去10年間の株価推移

ちなみに、同社は1967年に群馬県前橋市のラーメン店からスタート。1990年にカラオケ事業へ進出して成功を収め、2007年6月に東証ジャスダックに上場、2016年11月に東証1部へ市場変更しました。また、2008年には今回買収したカーブスの日本事業の株式を買収し、フィットネス事業への多角化を果たしています。

そこで気になるのが同社の最近の業績動向ですが、まずは2017年8月期の決算を少しおさらいしてみたいと思います。

上場以来10期連続の増収増益を達成

まず、2017年8月期実績ですが、売上高は552億円(前年同期比+8%増)、営業利益は61億円(同+28%増)、親会社株主に帰属する当期利益が32億円(同+71%増)となり、増収増益決算でした。

また、売上、利益ともに上場以来10期連続の増収増益で、さらに配当も10期連続での増配を果たしています。

次に、事業別の動向を見てみたいと思います。

まずは、同社の最大事業で、全社売上の54%を占めるカラオケ事業は、売上高が同+7%増、営業利益が同+75%増と大きく利益を伸ばしています。

首都圏を中心に継続的な出店を行ったことや、高校生にフォーカスした「ZEROカラ」、シニアを中心とした「朝うた」など特定の顧客層や時間帯を狙った同社独自のマーケティングが奏功したこと、さらにきめ細かな人員配置などのコストコントロールが着実に実行されたことなどが業績好調の背景です。

一方、カラオケに次いで2番目の規模(売上構成比は43%)であるカーブス(フィットネス)事業も、売上高が同+10%増、営業利益も同+10%増と好調でした。

女性限定で50代以上の会員が約9割を占めるカーブス事業は、店舗数、会員数ともに順調に伸びており、これにプロテインなどの物販売上の増加も加わり好業績を確保しています。

なお、カーブス事業の営業利益は46億円とカラオケ事業の20億円の約2.3倍、全社営業利益に占める割合も76%となっており、同社最大の稼ぎ頭となっています。

最後は、温浴事業(売上構成比3%)ですが、売上高は+6%増、営業利益は同+58%増でした。小学生以下を無料とすることで集客力を高めたり、岩盤浴、ビンゴ大会など新コンテンツの導入や、省エネ化を進めることなどで増収増益を確保しています。

「既存業種・新業態」で成長を目指す

このように同社の事業はそれぞれが好調のように見受けられますが、それは「既存業種」で「新業態」を作りながら成長を目指すという同社の長年にわたる基本戦略が、ここにきて実を結んできたことが一因ではないかと推察されます。

そのように考える理由は、同社が手掛けるカラオケもフィットネスも成長産業というよりも成熟産業であることや、過去1年間を見ても関連業界における企業全ての株価パフォーマンスが良いわけではないためです。

実際、カラオケでは、同社が突出したパフォーマンスとなっています。

コシダカHD(2157):+207%

第一興商(7458)+21%

シダックス(4837):+15%

鉄人化計画(2404):▲5%

また、フィットネス関連でもRIZAPグループに次いで高いパフォーマンスとなっています。

RIZAPグループ(2928):+338%

コシダカHD(2157):+207%

コナミホールディングス(9766):+21%

セントラルスポーツ(4801):+12%

ルネサンス(2378):▲1%

今後の注目点

最後に今後の注目点について考えてみたいと思います。

最も注目されるのは、米企業買収による業績への影響です。もともと同社は、今回買収した米国の親会社のフランチャイジーとしてフィットネス事業を展開してきましたが、今後は、その本家を傘下に収め海外展開を進めることになります。

このため、国内で培ってきた運営ノウハウを海外に展開し、海外でも業績を伸ばすことができるのかが注目されます。

また、国内の既存事業においても、カラオケではタブレットや自動精算機の導入などによる業務の効率化がさらに進むのか、国内のカーブス事業については現状で約80万人の会員を適切な出店計画などにより100万人まで増やすことができるのかなどにも注目していきたいと思います。

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