東京人は値切らない!? 大阪人に「見積もりはお前に任せる」と言われたら?
LIMO / 2018年3月5日 20時20分
![東京人は値切らない!? 大阪人に「見積もりはお前に任せる」と言われたら?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_5418_0-small.jpg)
東京人は値切らない!? 大阪人に「見積もりはお前に任せる」と言われたら?
「値切りの攻防」にまつわるあれこれ
「それでいいんですか?」という言葉を思わず飲み込んだ
大阪の企業から東京の企業に転職してきたAさん。転職後、初めて営業先に同行した際、自社が提示した見積もり額に対して顧客が「わかりました」と即答したことに仰天したといいます。
「思わず『えっ?それでいいんですか』と聞き返しそうになるのを必死でこらえました。もちろん弊社が提示した価格は適正価格で何ら問題ないんですが、要はその、それまで自分自身が価格交渉というか『値切る』のを当たり前だと思っていたものですから…。相手がすんなり受け入れてくれたことにびっくりしてしまって」
Aさん自身は企画畑が長く、ユーザーとして見積もりを検討する立場にあることが多かったといいますが、それまでの会社人生で取引先からもらった見積額が上司にすんなり通ったことなどほぼなかったのだそうです。しかし、その後も東京で何社かとやりとりを経るうちに、Aさんは東京と大阪の違いが徐々にわかってきたといいます。
「業種などにもよるのかもしれませんが、東京の人は基本的にあまり値切らないことがわかってきました。受注したときは提示した見積もりですんなり通るし、逆に失注なら交渉の余地もなくバッサリ。このサービスはこの価格、という前提で検討されているように思います。でも大阪では、価格は変わる前提で考えている、とでもいいましょうか。
私自身は大阪にいたとき、やりたいことがあって見積もりをとっても上司に『高い高い』といわれ続けてなかなか通らず、明細を見ながら泣く泣く項目を削ったり、取引先と交渉したり、すごく大変だったので…会社のことを本当にケチだなと思ってました。でもいまは逆に、本当にそれでいいの?と思ってしまったりもするんですよね」
関西企業に営業に行くと、とにかく価格交渉が厳しい
Aさんの現在の上司であるBさんは大阪や京都などの企業にも顧客を持っているといいますが、やはりその価格交渉は非常に厳しいと感じているようです。
「ほぼ間違いなく『高い』とか『もっと安く』といわれます。冗談か本気かわからない真顔で『これ半額になるやろ』とか…。私が困っていると『いや、半額は無理でもせめて七掛けになるやろ』。なるわけないですよね、って思うんですよ」
先日部下のAさんが「東京のお客さまって本当に値切らないですね」としみじみ言っているのを聞いたBさん、思わず「それが普通なんじゃないの?」と声に出してしまったそうですが、Aさんは「そうなんですかねえ~」と首をかしげていたとか。それを見て、Bさんは感覚の違いを改めて実感したようです。
大阪のベテラン営業マンが語る東京と大阪の感覚の違い
大阪のメーカーで長年トップ営業マンとして活躍してきたCさんも「大阪の企業は値切るのが当たり前」と話します。また、営業マンの感覚そのものにも、東京と大阪では違いがあるといいます。
「東京と同じ感覚で営業すると、大阪では失敗することがあるんです。たとえば『考えとくわ』といわれたら大阪ではほぼ目がありませんが、東京の感覚で延々待ち続けてしまったりすることもありますし」
もうひとつ、Cさんが挙げたのが、顧客企業に対して競合他社がより安い値段をすでに提示しているというパターンです。
「やや極端な例ですが、自社の見積もりが100万円だとしましょう。でもお客さまから『X社が50万円の見積もり持ってきたわ。まあ、長い付き合いもあるからお前に任せるけどな』と言われたとします。
この場合、大阪の営業マンはなんとかして50万円以下にできないかと考える人がほとんどだと思います。でも東京の営業マンは、もう少し頑張れても70万円で提示してしまうケースがあるのですね。これは『長い付き合い』『お前に任せる』の解釈の違いなんです。
大阪人は、『だからそこまでは下げろよ』といわれたと捉えますが、東京人は『おまえの付加価値を乗せていい』といわれたと解釈するようです。そこに差額20万円が生まれる。決して悪いとはいわないのですが、でもこれでは大阪ではうまくいかないんですよね」
東京人が値切るときは本気すぎてこわい?
一方で、東京人と大阪人の値切りに関する意識の違いを別の視点からとらえる大阪の営業マンもいるようです。Dさんは、大阪の不動産会社の営業マンから次のような話を聞いたといいます。
「大阪での値切りは一種のゲーム感覚で、そのやりとり自体を楽しんでいる人も多いし、あまり引きずらないらしいです。でも、普段値切らない東京人が値切るときって、相当切羽詰まった事情があることも多いらしくて。真剣に追いすがってくるので逆にこわいんだそうです」
同じ感覚で営業するとうまくいかないのは東京でも大阪でも同じなのかもしれませんね。
まとめにかえて
いかがでしたか? もちろん価格交渉に関する考え方は、地域性だけでなく、会社や業種、取引先の考え方、営業のスタイルなどさまざまな要素で変わってくるともいえます。皆さんは「価格交渉」をしますか? どのようにされていますか?
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