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「ドタキャン防止システム」は飲食業界の救世主になれるか

LIMO / 2018年3月4日 16時20分

「ドタキャン防止システム」は飲食業界の救世主になれるか

「ドタキャン防止システム」は飲食業界の救世主になれるか

ビジネス、今日のひとネタ

外食産業の売上がますます厳しくなっている中で、飲食店を利用する客が直前で予約をキャンセルしたり、お店に行かなかったりする「ドタキャン」が大きな問題になっていますよね。中には、30人の宴会で予約を受けていた店が客側にドタキャンをされ、仕込んでいた料理すべてが無駄になってしまった……なんてこともあったそうです。

そこで、直前の予約キャンセルを防ぐ「ドタキャン防止システム」が発表され、話題になっています。いったいどんなものなのでしょうか?

ドタキャンを許さない!

「ドタキャン防止システム」は、個人飲食店の経営者たちで構成される全日本飲食店協会のアイデアにより生み出されました。ドタキャンした客の電話番号が登録されたデータベースを、飲食店側が閲覧できるシステムになっています。

店側は予約をした客の「ドタキャン歴」を検索し、過去に何度もドタキャンを行っている場合は、前金制にするなどの措置をとることができるというわけです。登録される情報をより多く集め、データの信頼性を高めるために、システムへの登録は無料となっています。

実際にドタキャン客に悩まされている飲食店オーナーは多いようで、システムが本格的に運用開始された2月19日以前から、利用の申し込みが殺到していたそうです。

悪質ドタキャンに苦しめられる飲食店

予約がいきなりキャンセルになることで、店側には食材の廃棄だけでなく、アルバイトなどを増員していた場合は人件費などにも損害が出ます。

ある飲食店オーナーによると、ドタキャンの理由を「身内に不幸が起きた」と嘘をついて連絡してきた例もあるようです。これは、宴会の店が変更になったことを忘れていた別の参加者が間違って来店したことによって明らかになり、後日、宴会の幹事に謝罪をしに来てもらうことにしたそうです。

しかし、謝罪を受けたからといって、店側の損失が減るわけではありません。団体の予約が入っているため、来店した他の客を通すことができず、結局その日は売り上げも少なくなってしまいます。ドタキャンした客には電話がつながらないことも多く、店側は「どうしようもない……」と悔しい思いをすることになるようです。

個人情報の扱いは大丈夫?

ドタキャンを防ぐ画期的なこのシステムですが、「客の電話番号」を店側が登録することに問題はないのでしょうか?

このシステムに登録される情報は、予約日と予約人数、そして電話番号だけです。システムの運営側が消費者庁に問い合わせたところ、これらの情報だけで個人を特定することはできないので、個人情報保護法には触れないという回答を受けたようです。しかし、「客の同意を得ないまま勝手に電話番号を登録することは、まったく問題がないとはいえない」という意見もあります。

また、電話番号の偽装などにより誤った情報がシステムに登録されてしまう可能性もあります。これについては、運営側が申請を受け確認がとれ次第、削除手続きを行うということで、データの信頼性を高めていく対策は考えられているようです。

客側のモラルを高められるか

最近は飲食店の情報サイトが充実し、簡単にお店の予約ができるようになったため、自分勝手なドタキャンをする客が増えてしまったといえるかもしれません。特にネット予約の場合は、互いに相手の顔が見えないところもあるので、客側が無責任になりやすいのです。

もちろん体調不良など、仕方ない事情で直前のキャンセルをしてしまう場合もあります。そういった際には、店側にきちんと連絡をするなどの行動をとることで、飲食店と客の関係を良好に保つことができるのではないでしょうか。

「ドタキャン防止システム」が普及することで、身勝手な理由でドタキャンをする客に振り回される飲食店が少しでも減ることを願いたいものですね。

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