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朝日インテックというグローバルニッチ企業。株価を考える際の変化ポイント

LIMO / 2018年3月9日 20時40分

朝日インテックというグローバルニッチ企業。株価を考える際の変化ポイント

朝日インテックというグローバルニッチ企業。株価を考える際の変化ポイント

世界に誇れる医療機器メーカー

医療機器はグローバル企業の存在感が強い業界だが、日本にも小粒だがキラリと光る企業があります。そこで今回は、ガイドワイヤーなどを扱う朝日インテックを紹介します。

朝日インテックのビジョンとは

朝日インテックのビジョンは、同社資料に次のように示されています。

「低侵襲治療製品の普及を日本から世界へ積極的に発信し、 全世界の患者のQOL(Quality of Life)を高めると同時に、 全世界での『ASAHIブランド』の確立を図る」

では「低侵襲治療」とは何でしょうか。

一般的に「体にとって害のあること」を医学用語で「侵襲(しんしゅう)」といい、その侵襲の程度を抑えて治療することを「低侵襲治療」といいます。

朝日インテックの歴史

同社は、1976年の極細ステンレスロープ販売から始まり、1991年にはメディカル部門を開設、医療器具の研究開発を開始しました。

1992年には当時の厚生省から医療用器具製造業の認可を受け、国内初の心筋梗塞治療用PTCAガイドワイヤー及び外ディングカテーテルの製品化に成功しています。

その後、2004年に株式を店頭登録し、2005年には東京証券取引所市場第2部等に上場を果たしています。

同社は既に様々な国と地域で事業を展開しています。同社が展開する事業は、BRICSなどにおいても、その経済発展と共に成長しています。

新興国も含めて生活習慣が変化し、また技術が進歩した結果、カテーテル手術が求められる治療も増え、ガイドワイヤーの需要も伸びています。

朝日インテックの強みとは

朝日インテックを分析してきた証券アナリストは、次のように同社を評価しています。

「医師にとって操作性が良く、その指先の感覚を的確に、また忠実に反映でき、高性能であるという評判を聞いた。私も実際に触ってみて、その操作性の良さがわかった」

また、次のように続けます。

「朝日インテックの扱う市場は、大手企業が巨額のR&D(研究開発)資金を投入して大きく事業展開してくる規模ではない、いわゆるニッチな領域。いわば、小さな池の大きな魚というイメージだが、その小さな池は、じわじわと大きくなっていくと見ている」

今後の注目点とは

では、朝日インテックの今後の注目点はどのようなものでしょうか。同社の事業展開は国内のみならず海外にも大きく展開されています。

2018年6月期第2四半期累計の決算では、210億円の売上高のうち日本は約80億円。それ以外は欧州や中近東、米国、中国といった国や地域からの売上高となっています。先ほど新興国で成長していると述べましたが、先進国においても存在感を示すなど、現状でもグローバル医療機器メーカーといえる状況です。

同社の中期経営計画「Global Expansion 2018」では、「グローバル展開の加速化と幹部領域の拡大の継続」が掲げられ、幹部領域の広がりとしては「循環器系」「末梢血管系」「腹部血管系」そして「脳血管系」をあげています。

海外販売においては、自社販売や現地代理店のほか、PTCAガイドワイヤーについては米国では2018年6月までアボット社との販売契約があるとしています。

ちなみに、欧州・中近東では2011年7月からアボット社から現地代理店に切り替えるなど、時間の経過とともに自社や現地代理店へと販路を切り替えつつあります。

朝日インテックの次なる変化のポイントは米国

前出の証券アナリストはこういいます。

「今後の最大の注目点は、医療機器分野において巨大な最先端市場である米国での販売体制変更の可能性。現在、アボットと結んでいる長期販売代理店契約が2018年6月までという点だ」

「今後の関係がどうなるかは発表を待つしかないが、欧州等と同様に米国でも直接販売形態に変更する可能性があり、そうなれば、売上、利益は加速度的に成長する可能性が高い」

次期中計は2018年6月以降となりますが、日本を代表するグローバル企業として要注目です。

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