予期せぬリストラでサラリーマンが見舞われた「意外な困りごと」とは
LIMO / 2018年3月26日 20時20分
![予期せぬリストラでサラリーマンが見舞われた「意外な困りごと」とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_5550_0-small.jpg)
予期せぬリストラでサラリーマンが見舞われた「意外な困りごと」とは
ある日突然リストラを言い渡されたら。もし家族がリストラされて帰ってきたら――。私たちは真っ先に何を考えるのでしょうか。家族のことなのか、お金のことなのか、あるいは頭が真っ白になってしまってなにも思いつかない、という人もいるかもしれません。
実際にリストラの憂き目を見た人はどうだったのでしょうか。外資系金融機関に勤めていたA氏は今から数年前、出社早々に上司から会議室に来るよう呼び出しを受け、そこで待ち受けていた上司と人事部の担当者からリストラの宣告を受けたのだそうです。
A氏はその後1年も経たないうちに起業し現在は経営者として活躍していますが、無職の期間には意外とも思えるような部分でいくつか困ったことがあったといいます。
リストラでお金と妻の反応はどうだったか
A氏は当時勤めていたのは外資系金融機関。高年収を稼いでおり、蓄えもそれなりにあったといいます。そのこともあってか、リストラと聞いてA氏が真っ先に心配したことは「明日から何しよう」だったと言います。
逆にお金に関して言えば会社都合の退職だったこともあり、ある程度の処遇が約束されることがわかっていたため、それほど心配しなかったというA氏。「住宅ローンを組んでおいてよかったなとは思いましたが」と笑います。
A氏の奥様もうろたえませんでした。A氏によれば「妻は、外資系金融機関のサラリーマンが会社都合退職をする場合、どの程度の金額をもらえるのかに興味があったくらいで、不思議なことにさっぱり落ち込んでいませんでした」とのこと。むしろ奥様のその反応に励まされたのはA氏。落ち込むのが馬鹿らしくなった、と語ります。
このように、リストラされたとはいえA氏は当面のお金の心配をしなくてもよい状況にあり、気持ちの切り替えも早かったようです。一方で、まったく別の少々意外な点をA氏は当時の困りごととしてあげました。
なぜ家にいるのかと不思議がられても
A氏は大学を卒業してから10年以上サラリーマンとして勤務してきました。退職時に就いていた役職は当時最年少で得たポジション。そのポジションに就くことは「出世の最短コース」と認知されており、それもあってA氏は社内で自らが評価されていると思っていたと語ります。また、担当するプロジェクトも順調に進行していました。そんな最中でのリストラはまさに青天の霹靂。次にやることなどすぐには思いつかなかった、とA氏は当時を振り返ります。
サラリーマンとして会社に通うというルーティンもなくなり、家でこれから何をしようかと考える日々が続くなか、A氏が悩んでしまったのは、自分の子どもに対して「家にいる理由をどう説明するとよいのか」ということでした。
というのも、リストラされるまでは朝早く出社し帰宅も遅かったというのに、あるときから突然、毎朝子どもを家から送り出し、学校から帰ってくれば迎え入れるようになったことで、そのうち子どもが不思議がるようになったのだと言います。結局は、季節が夏だったこともあって「長めの夏休み」と言い切ってどうにかやり過ごしたのだそうです。
また、A氏が困ったのは家の中だけではありません。家の外でも保護者の集まりなどがあり、そこで「身分がないこと=自分自身をどう紹介するか」で困ったのだといいます。名刺も持っておらず、初対面の人に自分が何をしているのかを説明するのが面倒になってしまった、とA氏は話します。
起業をとるか、失業保険をとるか
以前からぼんやりとではあったものの起業も考えていたというA氏は、リストラを機に、転職ではなく起業して自ら新しいビジネスをスタートさせることを決意したのだといいます。
一方、失業保険を受給中だったA氏は起業した場合の失業保険の取り扱いについてハローワークに確認したところ、会社を立ち上げて役員に就任することで失業保険をもらえなくなることがわかりました。
起業するのですから当然とはいえ、すぐに起業して売り上げがすぐに立つわけではないということもあって、一瞬戸惑ったというA氏。ですが、「転職して他人に人生をコントロールされるよりは挑戦する人生の方が面白い」と最終的には失業保険の期間を満了せずに起業に踏み切ったのだそうです。
ただ、これもA氏に蓄えがあったからこそできた決断だったとも言えます。実際にA氏も「もし何にもない、それほど余裕がないとなればやはり『とりあえず就職』という気持ちになったかもしれません」と話します。
まとめにかえて
今や経営者のA氏は当時を笑いも交えて振り返ってくれましたが、予期せぬリストラの衝撃の大きさ、その苦難は計り知れないものがあります。また、A氏も言うように、蓄えがあるかどうかでもその後の選択肢は大きく違ってくるでしょう。もし万が一のことが起こったとき、みなさんならどう捉え、どう行動されるでしょうか。
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