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人気企業でも3年で辞めてしまう若者たち。その理由は?

LIMO / 2018年3月28日 20時20分

人気企業でも3年で辞めてしまう若者たち。その理由は?

人気企業でも3年で辞めてしまう若者たち。その理由は?

厚生労働省が公表している「新規学卒者の離職状況(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html)」によれば、新規大卒就職者で調査対象の産業に就職した人数は、平成26年3月卒では42万7,000人超。それに対して、3年目までの離職者数は13万7,000人超。つまり30%超は3年目までに一度は離職していることになります。

「まず3年はやってみよう」とよく聞きますが、実際には、3割もの人が「石の上にも3年」いない、という状況なのです。30歳までに辞める人、となればもっと多いかもしれません。また、これは希望した会社・業種に行けなかったから、といったことに限らず、学生に人気の大手企業、自ら希望して入社した企業でも例外ではないようです。

ではなぜ、若者は会社を辞めていったのでしょうか。

将来が見えなくなった

A氏は私立大学を卒業後、ホテル業界に入りました。元々サービス業を志望していたうえ、入社した会社が運営するホテルの名前は比較的よく知られていて、親も喜び、当時はいい会社に入れたとうれしかったそうです。現場に配属され、日々目の前で動いていく現場を取り仕切るのが面白くて仕方なかったといいます。

しかし、A氏は3年も経たず、この会社を辞めました。その理由を彼はこのように語ります。

「ある日の夜、課長と給料の話になって。当時40代でお子さんが2人いらっしゃったと思うのですが、いわゆるサラリーマンの平均給与に達するかどうかだったんですよね。こんなに働いてもそれだけなのか、と」

もっと稼げる職場に行きたいと、人と接することが好きだったA氏は製造業の営業マンに転職。そこで得た営業スキルと元々のコミュニケーション力を生かして、現在は外資系企業のトップ営業マンとして活躍しています。

まだ何もしていないのに…

B氏は、私立大学を卒業後、運輸業の企業に就職。希望していた事業部に配属され、事業部内で研修を受け始めてわずか数日で事件が起きたのだそうです。

それは配属先の入社3、4年目の先輩社員と新入社員での飲み会での出来事。その場にいた全員の前で、ある先輩社員が「ほかの奴らは俺たちが厳選してこの事業部に入ったメンバーだけど、Bは希望したから仕方なく入れてやった」と高らかに宣言したのだといいます。

「その場にいた全員の雰囲気が凍るなか、この先輩は何度も何度もそれを繰り返しました。今思えば思い切りパワハラですが、当時は何も言えなくて」とB氏。その後「部署全員がそう思っているのではないか」と不安に思う日々が続いたのだといいます。

結局、1年後の人事部との面談でB氏自らこの件を訴えたことでB氏は異動に。その後は、広報や秘書などで活躍し、30歳で転職しています。

「別部署に配属された同期は直属の上司のパワハラにあって1年で辞めました。私は『絶対に活躍してから辞めてやる』と思っていたので3年ではなかったですけど、異動していなかったら3年なんてとても。でも、最初にひどいことを言ってきた先輩以外とは実は今でも良好な関係を築いていて、たまたま当たりが悪かったのかなって思ったりもします」

初めから3年で辞めるつもりだった

国立大学を卒業後、シンクタンクに就職したC氏は3年で退職しています。その理由についてC氏は、「初めから3年で辞めて、違う業種を経験しようと思っていた」と語ります。のんびりした社風は悪くはなかったという一方、会社にある年功序列の決まりごとや給与が耐え難かったともいいます。

C氏は次に大手メガバンクグループ系の金融機関に転職。ここでの目的は仕事のスキルとノウハウを身につけ、ネットワークを構築することだったといいます。しかし「銀行系のカルチャーには馴染めないと当初から分かっていた」というC氏は、ひと通りの経験とスキルを身につけたあと、再び外資系金融機関への転職を果たしたのだそうです。

初めから自ら期限を決め、そこで何をするか、どんなスキルを身につけるかを考えながらステップアップを図る人もいるという事例のひとつといえそうですね。

自分の力を試したかった

D氏は有名私立大学を卒業後、大手金融機関に就職。「当時から人気があり、今でも金融業界を希望する学生なら一度は入社を夢見るのではないでしょうか」とA氏はいいます。しかし、その憧れの企業に入って3年目の春、D氏は転職に踏み切ったのだそうです。その理由は「もともと憧れていた外資系金融機関の面接を受けて合格したから」。

外資系金融機関は、給与などの待遇もよい反面、成果によってはリストラなどもあり得るというイメージですが、D氏が求めたのは安定よりも挑戦だったようです。その理由についてD氏は「日系金融機関では自分の実力なのかチームの実力なのかわからないような評価体系でした。だから自分の実力が資本市場でどの程度まで通用するのか試したかったんです」と話します。

実際に、すべてが自分の責任のもとにあり、給与に反映されるという外資系のやり方が水に合ったといい、D氏はその後10年この会社にいたのだそうです。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。3年で退職というと、待遇面や人間関係などを理由にあげる人がいる一方で、新しいステージへのチャレンジといった前向きな理由で辞める人も多そうです。最近では「3年もいればもう十分」という人も出てきているようですが、皆さんはどう思われますか。

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