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いざ新生活! でも「もしもの時」にサバイバルできる?

LIMO / 2018年4月1日 20時45分

いざ新生活! でも「もしもの時」にサバイバルできる?

いざ新生活! でも「もしもの時」にサバイバルできる?

財布の紛失から大災害まで、あると役立つエンディングノート

「エンディングノート」というと、終活で作成するものと思われがちですが、実は、大災害から日常の突発的な出来事まで、万が一の事態を生き抜くためにも役立つのがこのノートです。

3級FP技能士で遺品整理士でもある筆者が、引っ越しや新生活に合わせて作成しておきたいエンディングノートの内容と、災害時への備えをまとめてみました。

万が一の時に役立つ「エンディングノート」

エンディングノートは、次のようなことを大切なご家族や友人に伝えるためのノートです。

もし仕事を続けられない状態になったとき、すぐに連絡する必要がある勤務先や取引先など

もしご自身が意識不明になった場合、どのような医療を受けたいか

自分の意思を伝えられない状態の場合、どのような介護を受けたいか

銀行口座や保険の加入状況、クレジットカードの加入状況はどうか

財産の状況はどうか、どう分配してほしいか

どのような葬儀をしてほしいか、誰を呼んでほしいか

ペットの世話をどうしてほしいか

閉鎖して欲しいSNSやブログなどの情報

免許証、許可証など返納しなければならないものの情報

残される家族や友人への言葉

「終活は高齢になってから行えばよく、若い自分には関係がない」と思っていた人も、上のリストをご覧になると「確かに、急病や事故などに備えて、書いておいたほうがいい」ことがたくさんあると、気づくでしょう。

このリストを作ると、「これまで、自分はこのような生活を送ってきたのだ」と振り返る機会にもなります。

財布をなくした! パソコンが壊れた! そんな時も

離れて暮らすご家族への連絡先を一覧表にしておくと、携帯電話を紛失したりパソコンが壊れた場合でも役立ちます。銀行口座や保険、クレジットカードの加入状況は、財布を紛失した場合など、金融機関やカード会社への連絡が必要なときに役立ちます。

SNSやブログの利用状況についても、パソコンが壊れ再設定が必要なときには、大切な情報となります。ペットの世話に関する内容も、出張などの理由でペットホテルに預ける場合に、役立つでしょう。

ただし、火災や津波などの災害が起こった場合は、エンディングノートそのものが失われる可能性もあります。エンディングノートは災害時にもすぐ持ち出せるような形で保管しましょう。

「救命医療情報キット」の保管方法を参考に

ところで、皆さんは自治体が配布している「救命医療情報キット」をご存知でしょうか?

情報シートに必要な氏名、生年月日、血液型、服薬内容、かかりつけ医、緊急連絡先などを記入し、プラスチックケースにシートを封入して、冷蔵庫に保管することになっています。もし自治体で配布されていない場合は、必要な情報をメモ用紙に記入し、空になったペットボトルに入れてふたを閉め、保管するという方法もあります。

では救命医療情報キットはなぜ冷蔵庫に保管するのでしょうか? それには次のような理由があります。

冷蔵庫はたいてい台所にあるので、救急隊員が駆けつけたとき、情報キットがどこにあるか分かりやすい

頑強なつくりの冷蔵庫は、災害時でも壊れにくい

このことを参考に、エンディングノートのコピーや、お薬手帳、健康保険証のコピーなど、万が一の場合に必要な書類を、冷蔵庫に保管するのもよい方法です。

非常食の消費期限や乾電池の寿命もチェックを

非常食の買い置きをしている人は、消費期限のチェックをしましょう。期限が切れそうな非常食は、被災した場合の予行演習も兼ねて食べることにして、新しい非常食を購入しておくとより安心です。乾電池の寿命、そのほか避難袋に入れている備品や消耗品の状態も、必ず確かめておきましょう。

また、家族とはぐれた際に、役に立つのが家族写真です。家族の成長などで外見が変わることもあるので、最新の家族写真を用意しておきましょう。

引っ越しや家具の移動をするときには、家具を壁に留めたり、つっぱり棒など使ったりして、地震が起こっても倒れにくいようにしましょう。

保険の契約書、銀行の通帳や印鑑、エンディングノートの保管場所などの情報も、ご家族で確認しておけば、災害時に探し回る必要がなくなるので、速やかに避難ができます。

古くなった衣類を処分する前に

春の引っ越しや衣替えのとき、古くなった衣類を処分する人も多いですよね。もしも「もう捨てるしかない」という長袖の衣類が出てきたら、袖の部分を切り取って避難袋に入れておくといいでしょう。

避難所での生活が始まると、女性にとって必要な生理用品や授乳パッドなどが確保できないことがあります。衣類の袖の部分とぼろ布などを利用して、簡単な生理用品や授乳パッドを作る方法がありますが、現実問題として避難所で「古い衣類の袖をもらえませんか?」と、近くにいる人に頼むのは難しいものです。

紙製の生理用品や授乳パッドと違って、布製品は洗って使うこともできるので、避難時の負担にならない範囲で、袖の部分を切り取ったものを避難袋に入れておくと役立ちます。

災害時の連絡手段の確認を

進学したお子さんに、携帯電話やスマートフォンを持たせるというご家庭も増えるでしょう。その場合はぜひ、災害時の連絡手段についても確認しておきましょう。

被災地では電話がかかりにくくなることは、これまでに起こった災害でも知られています。携帯電話会社が提供する「災害用伝言ダイヤルサービス」の使い方を確認しておくだけでも、万が一のとき迷わずに行動できます。

また、離れて暮らすご家族が、振り込め詐欺などに巻き込まれる可能性もあるので、携帯電話やスマートフォンの番号やメールアドレスは、折に触れて確認し合うようにしましょう。

エンディングノートは「生き抜く」ためにある

エンディングノートを作成すると、ご自身やご家族にとって大切な情報を整理することができます。人生の終わりに作成するためのノートではなく、これからの人生を「生き抜くためのノート」と考え、必要な情報をまとめましょう。

引っ越しや模様替え、衣替えなどが忙しい季節ですが、新しい生活を送るための作業を進めながら、災害や急病など予期せぬ事態への備えも強化していけるといいですね。

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