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個人名義 vs. 法人名義。不動産投資の税金、どっちがオトク?

LIMO / 2018年4月1日 20時15分

個人名義 vs. 法人名義。不動産投資の税金、どっちがオトク?

個人名義 vs. 法人名義。不動産投資の税金、どっちがオトク?

税金を考えた物件所有形態バリエーションを解説!

物件の所有形態にはバリエーションがある

不動産投資をされている方、もしくはこれから投資をしようと考えている方からよくいただく質問があります。それは、「不動産投資をするなら個人・法人どちらでやるほうが良いの?」というものです。

「個人の高い税率に比べると、法人の方が税率が低くてお得」ですとか、「年収〇〇〇万以上だったら法人でやった方が良い」という情報も至るところで見ることができます。個人・法人の税率の差もありますが、一概にどちらが良いと言えないのが不動産投資の難しいところです。

そこで今回は、サラリーマン大家さんも気になる、物件の所有形態のバリエーションについてお話します。

物件の所有形態は、大まかにわけて3種類あります。

① 個人で所有する
② 個人で所有する&管理法人を設立する
③ 法人で所有する

以下、それぞれの違いについて簡単にご説明します。

所有形態によってお金の流れが変わる

では、3種類の運営形態、メリット、お金の流れをざっくり説明します。

<①個人で所有する>

運営形態:個人の事業として運営
メリット:給与等の所得税を還付できる場合がある
お金の流れ:本業の給与所得と不動産所得が入り、それに個人の税率で課税され納税する。

<②個人で所有する&管理法人を設立する>

運営形態:個人の事業として運営、法人へ一部管理業務を委託
メリット:個人の不動産所得を圧縮することができる
お金の流れ:本業の給与所得と不動産所得が入り、そのうち管理業務を行っている管理法人へ管理費等を支払い、経費計上する。その残りに個人の税率で課税され納税、管理法人は個人からの管理費等に法人の税率で課税され納税する。

<③法人で所有する>

運営形態:法人の事業として運営
メリット:個人に比べて低い税率、損益コントロールの柔軟性がある
お金の流れ:法人へ家賃収入等が入り、そこから個人への役員報酬を払い、経費計上する。法人はその後、法人の税率で残りの不動産所得から納税を行い、個人は本業の所得と法人からの役員報酬を個人の税率で納税する。

所有形態によって納税額が変わる

これらのうち、どのタイプで物件の購入を進めるべきかは、個人の給与所得額が一つの判断基準になります。

というのも、法人の税率は最大でも約30%で、さらに税率が引き下げられていく状況ですが、個人の所得に対する税率は累進課税で、所得が増えると税率も高くなり、所得税・住民税合わせて最大55%と所得の半分以上を納めることになります。

仮に、個人の給与所得だけですでに高い税率となっているのに、不動産を個人名義で購入した場合、不動産所得に対しても、その(さらにはそれ以上の)高い税率で課税されることとなります。

このような場合には法人で所有するほうが良いと言えます。

逆に、不動産所得と給与所得を合わせても法人の税率の方が高い場合は、法人で所有する必要がないとも言えます。

ご自身の給与所得や所有しようとしている物件によって、どのくらいの税金が掛かってきそうなのかをシミュレーションして判断することが重要です。

ただし、税率だけでなく、物件自体やローンの借り方、個人ならではの特例(青色申告特別控除など)や法人の損益コントロールのしやすさ、税理士への顧問料の違い、ひいては不動産投資の戦略によっても個人・法人のどちらが良いかはケースバイケースです。

「年収〇〇〇万以上だったら法人でやったほうが良い!」というのは、確かに税率だけを見ればその通りなのですが、これまでお伝えした通り一概に言えるものではありませんので、あらためてご自身の不動産投資戦略を確認してみてください。

税金の支払いもシミュレーションできる

不動産投資では、購入時から売却時までの税金を考慮したシミュレーションが重要であることはいつもお話している通りです。

物件の所有形態によって税額の差は大きくなることがありますし、必ずしも法人のほうが良いわけでもない、というのもシミュレーションで判断可能になります。

購入の際に売却出口までの見通しさえつけられれば、不動産投資は負ける投資ではなくなるのです。

不動産投資自体は出口が見える、戦略的な事業です。投資家の皆さんに知識と考える力を持っていただければ、世の中の悪徳業者は減り皆さんも利益を得ることができると確信しています。

そうした基本的な不動産事業の知識と市況をお伝えするオンラインセミナー、「首都圏不動産投資」実践会(http://con-pas.co.jp/letter/jissenkai/)をスタートしました。ご興味お持ちの方は、ご覧いただければと思います。

以上、村上俊介でした。

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