就活で「会った人で決める」が大きく間違う3つの理由
LIMO / 2018年4月10日 10時20分
就活で「会った人で決める」が大きく間違う3つの理由
就職活動の成否が面接の結果にかかっているのは誰しも同じです。では、「仮に内定をいくつか手にしたとき、会社を選ぶ判断材料は何ですか」と面接官に聞かれたら、どう考え、どう答えますか。中には「OB訪問や面接で会った人で決めればいい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
今回はそのような判断は大きな間違いになりかねないということを、3つのポイントから見ていきましょう。
その1:OB・OG訪問や面接で会った人は必ずしも上司や同僚にはならない
自分が就職を希望する会社や、面接が進んでいる会社へのOB・OG訪問で会った社員の人柄がよければ、そうした人たちと一緒に仕事ができたらいいなと考えることもあるでしょう。
ところが、会社の規模などにもよりますが、面接や会社訪問で会う人と必ずしも一緒に働けるわけではありません。特に大企業の場合は、面接で会ったきりで入社後に一度も会わない人もいるものです。そう考えると、社会人としてのスタートを切る会社を決めるのに、一部の社員に会っただけで大きな意思決定をするのは早計ではないでしょうか。
上述のように面接などで会った人と一緒に働けるというわけではなく、自分の会った人が会社全体を代表するということもないでしょう。会社の雰囲気を知るきっかけにはなりますが、それだけでは自分の期待値とギャップがあると考えるのが無難です。
ただし、外資系金融機関やコンサルなどでは、現場の社員が一緒に働く新卒を採用する場合もあります。その場合は、面接で会った人で決めることは、ある程度納得できる理由となります。
その2:面接してくれた人がいなくなっていることはよくある
ただ、外資系金融機関やコンサルティング会社では、「アップ・オア・アウト」というルールが徹底しているところが少なくありません。
「アップ・オア・アウト」とは何かというと、しばらくの期間にわたって昇給や昇進しなければ会社から評価されていないということを感じ取ってくださいね、という無言のメッセージであったりします。
こうしたルールが浸透している企業であれば、面接して翌年の春に入社すると、面接した人がいないということもありえます。外資系金融機関では「ああ、あの人は転職したよ」とか「最近どうしているかな」という会話はよくあるシーンです。
したがって、外資系金融やコンサルでは面接してくれた人が上司や同僚になることが多いと先ほど指摘しましたが、自分の目で見て「この人の下で働きたい!」と思って入社しても、期待はずれになる可能性もあるのです。
その3:従業員で自社や業界の未来を語れる人は多くない
OB・OG訪問や面接で会ったり話をしたりした人の印象が非常に良いと、その会社を好きになることもあるでしょう。しかし、そのミクロ(マイクロ)レベルでの情報で就職する会社を決めてしまうことにリスクはないのでしょうか。
たとえば、iPhone発売の約10年後に日本の携帯電話メーカーがかつての市場シェアをほとんど失ってしまったことや、個人情報の流出、不正会計、不採算投資が収益悪化につながって有名な大企業が窮地に追い込まれることなどは、企業の競争優位性や産業動向の変化などが原因で起きることです。
また、今は業績が絶好調の企業や産業でも新たなテクノロジーの影響で企業の競争優位がそがれ、その地位を追われかねない状況も考えられます。フィンテックで銀行の役割が問い直されていますし、自動運転の進展で自動車メーカーも今の姿のままというわけにはいかないでしょう。
もっとも、そうした長期的な話は従業員だけではなく、経営者レベルでも事前に予想するのは非常に難しいものです。ましてや就職活動をする学生に判断はつかないだろうという指摘はあるかと思います。ただ、自分が就職する企業がどのように環境に置かれているかという情報に基づく判断を最優先することなしに、就職先を決めるリスクは大きいと言わざるを得ません。
-最後は人に会って得た情報と公開情報をもとに総合的に判断すべき-
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