就活生は気づかない、世界に誇れる人気ランキング外の優良企業6選(2018年度春版)
LIMO / 2018年4月10日 9時40分
就活生は気づかない、世界に誇れる人気ランキング外の優良企業6選(2018年度春版)
就職活動で注目されがちなのはメガバンクや商社、コンサル、旅行会社、エアラインといった業種なのは皆さんご存じでしょう。今回はそうしたいつもの顔ぶれではなく、扱う商品が世界で高い市場シェアを獲得していたり、ビジネスモデルがユニークであったり、収益性が高い「通好み」の企業を集めてみました。ぜひ参考にしてみてください。
日本光電の生体情報モニタはご存じの方も多いのでは
日本光電の主力製品である生体情報モニタは、医療現場で患者の血液、心電図、呼吸などを連続的に測定し、変化があった場合はアラームで知らせる機器です。入院などの経験がある方は目にしたことがあるのではないでしょうか。
同社の製品は誤作動を大幅に低減し、アラームは緊急度に応じて色分けするなど、医療関係者が使いやすいよう工夫されています。
同社の歴史は古く、取り扱う商品は生体情報モニタだけではありません。1951年には世界初の全交流直記式脳波装置を開発。現在では、同社の脳波計はジョンズ・ホプキンス病院やクリーブランドクリニックといった世界中の研修医を受け入れる米国トップクラスの病院が使用しています。
ちなみに脳波計だけではなく、皆さんが駅や商業・公共施設で目にするAED(自動体外式除細動器)も同社は取り扱っています。
また、医療機器への第三者評価会社「MD Buyline」が実施した調査結果では、同社の生体情報モニタは10年連続で顧客満足度No.1を獲得しています。これは、同社の機器の品質の高さと信頼度、そして徹底したサービス体制の賜物と言えるのではないでしょうか。
売上高は1750億円、営業利益は約150億円。営業利益率は10%には届かないものの収益性の高い医療機器メーカーです。
シスメックスには知らないところでお世話になっています
健康診断で病院に行くと、必ずと言っていいほど受けるのが血液検査ではないでしょうか。ここで活躍するのがヘマトロジー(血球計数検査)です。その分野で世界No.1の市場シェアを有し、190カ国以上で頑張る日本企業がシスメックスです。
同社の製品は品質が高く、効率が良いことが評価されており、小型化を続ける装置は世界中の病院の検査室や研究機関で使われています。
同社の収益の源泉となる事業はこの「ヘマトロジー」で、2017年3月期の同事業の売上高は全売上高の64%を占めています。次いで大きいのは「血液凝固検査」で、こちらは全売上高の16%程度です。競合企業はというと、ヘマトロジー分野では首位がシスメックス、第2位が米国ダナハーと、既にグローバルでの競争を展開しています。
また、血液凝固検査分野では、首位がシスメックスとシーメンスのチーム(シスメックスはシーメンスヘルスケア社と血液凝固関連製品に関するグローバルでの販売・サービス契約を締結済み。対象期間は2020年12月31日まで)、第2位がスペインILとなっています。
売上高は約2800億円、営業利益は約580億円。営業利益率は20%近くあり、超優良企業と言えるでしょう。
浜松ホトニクスは先端機器のキーデバイスメーカー
浜松ホトニクスは光関連の電子部品、電子機器の開発製造を行っています。「Photon is our business」が同社の社是であり、photon(光の粒子)の可能性を追求する研究開発型の企業です。
光には、粒子としての性質と波としての性質がありますが、いまだに全てが解明されていない領域です。この光の可能性にいち早く着目し、約60年にわたり一貫して同分野の研究開発に取り組んできたことが同社の強みとなっています。
2002年に「ニュートリノ」とよばれる素粒子(光の一種)を発見した功績が認められ、小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞しましたが、この発見を陰で支えたのが同社の光電子増倍管です。
1979年に小柴博士に直径50センチの光電子増倍管の開発を依頼されたものの、当時の同社は最大で20センチの試作品しか作ったことがありませんでした。難色を示す技術陣に対して、「人類未知未踏を目指せ」、「できないと言わずにやってみろ」とはっぱをかけ、開発を受託したのが同社創業者の晝馬輝夫氏です。結果、1981年に開発にこぎつけ、1987年に「カミオカンデ」とよばれる研究施設でニュートリノの観測に成功しています。
売上内訳は、電子管、光半導体、画像計測機器、その他に分かれます。ただし、製品の役割は基本的に全て「光センサー」として光を検知し電気信号に変換して計測するために用いられ、用途に応じて電子管か光半導体が使い分けられます。
また、同社の製品は基本的には顧客のシステムのキーデバイスとして使われますが、顧客の製品とバッティングしない場合は、最終製品として同社が製造販売を行います。こうした製品が画像計測器(薬品スクリーニングシステム、半導体故障解析装置など)に含まれています。
売上高は約1360億円、営業利益は約236億円。営業利益率は20%弱と、優良企業と言えるでしょう。
エムスリーは医療現場の効率性改善に貢献
エムスリーは2000年9月に「ソネット・エムスリー」として創業され、2004年に東証マザーズに上場、その後2007年に東証1部に指定替えとなり、2010年に社名を「エムスリー」に変更してます。
企業理念は、”「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らす事」-それがエムスリーの願いであり、事業の目的でもあります”とされ、顧客や会員である製薬会社や医療従事者に優れたサービスを提供することで、より良い医療を実現することを目指しています。
同社の祖業である「MR君(エムアールくん)」とよばれる医療事業者向けポータルサイトの仕組みを簡単に確認しておきましょう。
「MR君」の中心となっている「m3.com」は、医療従事者であれば無料で登録が可能であり、会員になれば製薬に関する最新の情報や専門的な論文、さらに資産運用、旅行などレジャー関連の情報を閲覧することができます。
このサイトは製薬会社と医療従事者を結びつけることが最大の目的とされており、製薬会社は多額の経費をかけてMR(medical representative、医薬情報担当者)を通して行っていた医薬品の情報提供をネット上で効率的に行うことが可能となります。
売上高は約900億円、営業利益は約290億円で、営業利益率は30%近くあります。こちらも超優良企業ですね。
ダイキン工業は世界を代表する空調機器メーカー
ダイキン工業を知らない人は少ないかと思いますが、空調機器メーカーとしては国内だけではなく海外でもその規模は大きく、米キヤリア社と並んで世界を代表する企業となっています。
売上高は2兆2700億円、営業利益は2500億円、営業利益率は10%を超えています。ここまで見てきた有力企業ほどの利益率はないかもしれませんが、収益性の高さとともに利益規模も大きくなっています。
また、株式市場での評価という面で見ると、時価総額は約3.5兆円もあります。これがどの程度の規模かイメージがつきにくいかもしれませんが、総合電機メーカーとして知られる日立製作所の時価総額が3.7兆円であることからすると意外に感じるのではないでしょうか。
というのもダイキンは空調機器を中心とした企業であり、日立製作所はコングロマリットであるため、取り扱っている商品やサービスの数は大きく違います。ダイキンはシングルプロダクトとは言いませんが、特定事業への集中に徹した結果グローバルで勝ち進む企業だと言えます。
リンナイは海外では高級路線
リンナイは売上高のうち約60%弱が給湯機器、27%程度が厨房機器となっています(2017年3月期)。
同社の製品は、外国人の間では高いブランド力を有しています。「リネイ」などと発音され、高級住宅にも設置されるなど、タンクレス給湯機器の便利さは国内だけではなく、世界でも評価を受けています。
また、国内では「エコワン」と呼ぶガスと電気のハイブリッドの給湯・暖房システムを扱っています。
先述のダイキンは、消費電力において効率が良いインバーターエアコンをグローバルに普及させることなどで事業規模を拡大してきましたが、リンナイに関しても日本での開発と生産技術の優位性を活かした展開がダイキンと重なって見えるのではないでしょうか。
売上高は約3400億円、営業利益は約370億円で、営業利益率は10%を超えています。
ー就職活動では人気ランキングだけではなく、収益性や市場シェアなど企業の実力を見たい-
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