羊肉は旨い! 謎の団体“ラムバサダー”は何を狙っているのか?
LIMO / 2018年4月11日 12時25分
羊肉は旨い! 謎の団体“ラムバサダー”は何を狙っているのか?
「鮮度」の文字に羊が入っている理由が旨さの秘密
2015年(ヒツジ年)から、日本市場でラム肉の需要をさらに盛り上げるためにスタートしたラムバサダープロジェクト。MLA豪州食肉家畜生産者事業団が立ち上げたもので、ラム肉に対して情熱を持った食のプロの集団で、メンバーはラムバサダーと呼ばれる。
ラムバサダーはラム+アンバサダーの造語だ。今までラムバサダーは第1弾で9人、第2弾で7人が任命され、フレンチ、中華、お肉屋さん、フードコンサルタント、スパイスのスペシャリスト、ラーメンクリエイター、和食シェフなどがいる。
今回、ラムバサダープロジェクト第3弾として、3月29日(ニクの日)に渋谷で「LAMBASSADOR III」のイベントが開催された。当日は新たに加わった6人のラムバサダーが発表され、ラムバサダーが作った羊肉料理が振る舞われた。
開催の挨拶では、「羊肉は国民あたり一人年間200グラムしか消費していません、東京オリンピックが開催される2020年に向け、宗教問わず食べられるラム肉を、いろいろな国、宗教の方に提供していきます。まずプロ向けにアプローチし、飲食店に来るお客さまに伝わり、最終的にはスーパーなどの量販店でも、ラム肉売り場が当たり前にあるのが僕たちの願いです」と、MLA豪州食肉家畜生産者事業団の三橋一法さんは抱負を述べた。
羊肉のプロフェッショナルであるラムバサダーの6人
今回任命され、新たに加わったラムバサダーの6人を紹介すると、ジンギスカン店「羊SUNRISE」のオーナーである関澤波留人さん。ワインスペシャリストであり料理研究家の沢樹舞さん。BBQデザイナーで、REALBBQ株式会社代表の井川裕介さん。ユーキャン主任講師、MIIKU日本味育協会代表理事の宮川順子さん。西麻布のイタリアン、サッカパウでエグゼクティブ・シェフを務める田淵拓さん。最後に「北海道からきました。これからは北海道のジンギスカンだけでなく、日本全国にジンギスカン、ラム肉を広めるために活動しようと思っています! 応援よろしくね♪」と語るのは、羊ケ丘展望台出身である、ジンギスカンのジンくん。
羊肉は臭いという間違った認識
羊肉、とくにマトンの臭みが苦手なイメージを持っている人も多い。羊肉の脂が劣化すると独特の臭みが出てしまうからだ。現在マトンの9割は冷凍だが、輸送技術や冷凍技術・解凍技術が向上したおかげで冷凍のマトンでも柔らかく、臭みがなくおいしく食べられるようになっている。さらに羊肉を専門に扱える職人が増えたのも大きい。
鮮度の「鮮」という漢字の中に羊が使われているのには、魚も羊も新しい肉でないと食べられない、おいしくないという理由から、2つの漢字を組み合わせて鮮になったという説があるほどだ。
2004年に首都圏を中心にしたジンギスカンブームが発生したのだが、牛肉がBSE問題で輸入禁止になったことも後押しし、羊肉の輸入量が増加。最終的には東京だけでも200店以上のジンギスカン店が存在した。しかし羊肉の知識がない人が調理したことによって、臭い、硬いというレッテルを貼られてしまい、ブームは収束し、その間違った認識が現在でも払拭されていない。
国産の羊が1万7000頭しかいない理由
日本国内で消費される羊肉の99%は輸入品で、オーストラリア産が60~70%、ニュージーランド産が30%程度、残りわずかがアイスランド産、ハンガリー産、フランス産だ。
新鮮な状態で食べるのには、国産の羊を増産すればいいのでは? と思うが、輸入羊には関税がまったくかかっていないこともあり、国内生産するよりも輸入したほうが手っ取り早いのだ。ちなみにオージービーフは冷蔵肉、冷凍肉ともに税率が38.5%から冷蔵肉29.3%、冷凍肉26.9%に下がったものの、高い関税をかけることで国産牛肉を守っている。
さらに日本の気候も影響しているという。羊齧(かじり)協会主席であり、第1弾のラムバサダーでもある菊池一弘さんによると、「羊は温暖湿潤気候の日本では育てるのが難しく、北海道や北東北、岡山の蒜山(ひるぜん)高原、長野の高原で飼育されています。簡単に言うと、米を育てるのに適した土地は羊の飼育には向かないということです」
続けて「また、羊飼いの方が日本では20~30人しかいません。羊の数も動物園、マザー牧場で飼っている羊を入れても、日本全体で1万7000頭。オーストラリアは7000万頭、中国は2億5000万頭も飼っているのです。過去には日本でも93万頭まで増えた時期があったのですが、日本での飼い方が伝承されずに、指導者不足なのが現状です。たとえばですが、羊を飼っている人がラムとマトンの違いを理解していないこともあるのです」
ラムとマトンは国によっても定義が違うのだが、オーストラリアでは、ラムは永久歯が生えていない子羊のことで、1本永久歯が生えるとホゲット、永久歯が2本以上(ただしオスは去勢された羊のみ)生えるとマトンと識別しているとのこと。
オーストラリアでは週1回食べるくらいの高級肉である羊
肉の世界の格式として一番上位になるのが子羊だ。さらに羊は宗教によって禁忌がないという2つの理由から、天皇・皇后が主催する園遊会では、皇居宮内庁御料牧場で育てられた羊肉料理が振る舞われるのが伝統となっている。
また、日本と違ってオーストラリアでは羊肉は高級肉として扱われている。だから日本に来たオーストラリアの人たちは、安い金額でジンギスカンの食べ放題ができることにビックリするという。
高級食材である羊肉が、日本ではおいしく安く食べられるのだ。これからは肉の選択肢の一つに羊を加えてみてはいかがだろうか。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「ネコ科は鳥インフルに弱い」米の保護施設20頭死ぬ ペットフードから感染の飼い猫も
産経ニュース / 2024年12月26日 13時30分
-
さらなる「食の可能性」を追求!世界自然遺産 知床で、ミシュランシェフ×羊業界がコラボした特別ディナーイベントを開催
PR TIMES / 2024年12月26日 11時0分
-
「味付けジンギスカン発祥の地」北海道滝川市で新しい名産品を開発。レンチンで気軽に本場の味『ジンギスカン丼』『ジンギスカンおにぎり』を開発、販売開始。
PR TIMES / 2024年12月24日 11時0分
-
オージー・ビーフ、再び世界の頂点に!「ワールド・ステーキ・チャレンジ 2024」で圧倒的な評価
PR TIMES / 2024年12月6日 15時0分
-
〈年間10万人がリピートする人気のジンギスカン専門店が埼玉県連続出店!〉『大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん 越谷レイクタウン店』12月7日(土)オープン!
PR TIMES / 2024年11月28日 14時15分
ランキング
-
1「覆面パトカーだ!」 道行く「“隠れ”パトカー」すぐわかる「見分ける方法」は? ひっそり走る「地味ぃな“国産セダン”」がポイント?
くるまのニュース / 2024年12月26日 11時10分
-
2トースターでお餅を焼くと中がかたいまま…上手に焼くコツをタイガーが伝授!「予熱」より「余熱」がおすすめ
まいどなニュース / 2024年12月25日 17時45分
-
3「DV夫から逃げた妻」がその後20年近く苦しんだ訳 命がけで逃げた母と息子の「現在」
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 12時0分
-
4「別にいいじゃない」ホテルのアメニティを大量に持ち帰る彼女にドン引き。ファミレスでも“常識外れの行動”に
日刊SPA! / 2024年12月26日 8時52分
-
5世耕弘成氏が自民裏金の全容を知るキーパーソンに浮上 参院政倫審で「指示を受けた」の証言相次ぐ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月26日 14時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください