ライダー驚愕の価格、ドライカーボンのメットが3万円台!?
LIMO / 2018年4月15日 20時15分
![ライダー驚愕の価格、ドライカーボンのメットが3万円台!?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_5714_0-small.jpg)
ライダー驚愕の価格、ドライカーボンのメットが3万円台!?
金沢のメーカーが手がけた軽量&低価格のヘルメットとは
現在、国内で二輪車を運転するにはヘルメットの着用が義務付けられている。原付きはノーヘルがOKな時代もあったが、自身の安全を守るためにもヘルメットは必須アイテムだ。オートバイ用のヘルメットメーカーとしては、日本企業のアライとショウエイが世界のトップブランドとして競い合っている。
ヘルメットの素材としてはFRPを使ったものが多いのだが、高い強度と弾性を持ったドライカーボンとケブラーを使ったヘルメットも存在している。それが2009年に金沢で誕生したウインズジャパン(http://www.wins-japan.com/)の「A-FORCE」シリーズだ。
「A-FORCE」はMFJ公認で1,250g(±50)というクラス最軽量を誇り、希望小売価格は3万3000円という低価格で販売している。「A-FORCE RS」はインナーバイザー付きで、3万9000円とどちらもリーズナブルだ。
カーボン製のヘルメットはメリットが多いのだが、高額なため販売しているメーカーは少ない。例えばOGKのブランドKabutoの「RT-33R MIPS FLOW(6万2000円)」は、MFJ公認とはいえかなりの価格差がある。
ちなみにアライからは「GP-6RC(48万円)」という、F1をはじめとするトップカテゴリーレースで義務付けられている、FIA8860-2004規格に適合したヘルメットもあるが、これは別格。
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新グラフィックの「A-FORCE RS FLASH」は2018年夏発売予定
低価格のドライカーボンのヘルメットが作れた理由とは
低価格を実現できた理由を「モーターサイクルショー2018」に出展した、ウインズジャパンの石川哲治技術部長に伺った。「安く提供できたのには、3つの理由があります。まず、中国の工場で作っていること。曇り止めシートを自社開発したこと、帽体(シェル)のサイズを統一させたことです」
まず、最初の理由の中国製で気になるのは安全性だろう。ウインズジャパンのヘルメットは、企画立案は日本で行なっていて、すべてのヘルメットが全排気量対応のSG規格とPSCの2種類を取得している。「A-FORCE」はMFJ公認のレースにも対応していて、安全基準はしっかり満たしている。
ちなみにヘルメットを純国産で生産しているのはアライとショウエイくらいで、日本メーカーのOGKや、米国のBELL、SIMPSON、イタリアのAGVなども、ほとんどがメイド・イン・チャイナだという。
世界で初めて貼り直し可能な汎用タイプの曇り止めシートを開発
アライ、ショウエイ、OGKのヘルメットのシールドには、曇りを防ぐPINLOCK社の製品を使用している。当然PINLOCK社のシールドはそれぞれのヘルメットのシールド専用品になり、同社のいわば独占状態になっている。
「PINLOCK社と当社で専用品を作る交渉が進まず、独自に開発することにしたのです。試行錯誤の末に誕生したのがFOGWINという高性能防曇シートです。他社の曇り止めシートと比べても防曇性に優れ、傷つきにくく、変形しにくいという性能を誇っています」と石川さん。
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「A-FORCE RS JET」は、別売のチンガードを装着すればフルフェイスになる
同じサイズの帽体を使うことでコストカット
ウインズジャパンではヘルメットのサイズをM、L、XLの3サイズのみ展開している。さらに3サイズは同じ帽体を使用し、インナー、パッドの厚みを変えることで3サイズに対応させているのだ。
Sサイズはオプションのインナーで調整すれば、かぶることもできるが、帽体サイズがM、L、XLと共通のため、身体が小さい女性にはヘルメットが大きく見えてしまうだろう。また、インナーを薄くすればXXLも作れそうだが、それでは安全基準をクリアできないためXXLの設定はないという。
ちなみにアライでは小、中、大と3つの違うサイズの帽体、ショウエイではモデルによっても違うがS、M、L、XLと4つの違うサイズの帽体を作っているため、どうしてもコストがかかってしまう。また、内装・パッドの厚みを変えることにより、アライでは小とJr.(ジュニア)、大とXXL(特大)が同じ帽体で、ショウエイではSとXS、XLとXXLが同じ帽体を使用することで幅広い頭のサイズに対応している。
同じサイズの帽体を使うとなると重量も気になるが、ショウエイのフルフェイスヘルメットと比べてみると、フラッグシップモデルの「X-fourteen(6万円)」では、1,489~1,791g。軽量コンパクトなツーリングモデルの「Z-7(4万5000円~5万3000円」は1,289~1,478gとなる。トライカーボンの「A-FORCE(3万3000円)」の1,250g(±50g)が、どれほど軽く低価格なのかがわかるだろう。
ヘルメットは軽いほうが事故を起こしたときのダメージは少なく、また通常使用するときにも軽ければ首への負担もすくないというメリットもあり、軽いにこしたことはない。
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フルフェイスだけでなく、オフロード、ジェットタイプもラインアップ
最近のライダーの顔は大きくなった?
ウインズジャパンのヘルメットはLサイズが売れているというが、その理由も石川さんに伺った。「ライダーの年齢が上がったからで、けっして、日本人の顔が大きくなったわけではありません。中高年にもなると、ほほまわりに肉や脂肪が付くために、結果として今までのサイズのヘルメットではきつく感じてしまうためLサイズが売れているのです」
最近の若い世代はかぶりやすくて脱ぎやすい、緩めのヘルメットを好む傾向があるという。そのため新製品の「A-FORCE RS」からは帽体サイズを若干大きく設計している。
さらに今まではアジア帽体で作ってきたものの、ユーザーからの要望もあり、さらに日本人向けに頭頂部左右にゆとりをもった作りにしているという。これは大手メーカーではないウインズジャパンだからこそできたと石川さんは語った。
日本企業としては初のインナーバイザー付きヘルメットや、カーボンヘルメットを発売するなど、石川県金沢市のウインズジャパンに注目したい。
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