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人気の大企業を3年で辞めた若者はその後どうなったのか

LIMO / 2018年4月20日 11時15分

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人気の大企業を3年で辞めた若者はその後どうなったのか

新しい年度が始まる4月。新入社員がフレッシュな気持ちで社会人生活をスタートする一方で、入社して数年で辞めてしまう若者もいます。なぜ、それほどの短い期間で辞めてしまうのでしょうか。

日系金融機関に入社後、2年1か月で退職

A氏は就職活動を順調に乗り切り、日系金融機関に就職を果たしたものの入社後2年1か月で退社してしまいました。原因は何だったのでしょうか。

「一言でいえば閉鎖的な職場環境で、1日中同じ席で仕事をするのが嫌になったというのが正直なところです。昼ご飯も「シマ」と呼ばれる同じ部署の同じ班で食べに行くので、ほぼ1日同じメンバーと一緒という状態。皆いい人ばかりでしたが、息が詰まりそうでした」

昼食は社外に食べに行ってもよさそうなものですが。

「もちろん時折は同期と約束して食べに行ったり、買い物があるという理由で外に行っていましたが、便利で安いのでほとんどは社食で食べていました。ただ、毎日同じことの繰り返しだと、さすがに入社してすぐの若い年齢だと嫌気が差しますよ」

仕事内容はどうだったのでしょうか。

「仕事は資本市場関係だったので非常に勉強になりましたし、上司も丁寧に指導してくれたので、それ自体は感謝しています。ただ、資本市場の仕事は結果が明確に出ますので、市場で仕事をするからには、頑張った分の評価はほしいという欲が出てきました」

それは給与ということでしょうか。

「そうです。その点においては外資系金融機関のほうが頑張った分のリターンはよかったので、そちらに目が向いていきました」

何が不満で外資系金融機関に転職したのか

それで転職したということですか。

「はい、わずか2年と1か月です。親や知人はもう少しいてもいいのではないかと言っていましたが、先ほどもお話ししたように毎日同じ行動をするのが本当に耐えられなかったです」

「これは日本の会社だから仕方がない、と言われてしまうかもしれませんが、資本市場で働いて結果が明確に出るのに、先輩後輩関係が厳然としてあることには違和感がありました。私が配属された後に他部署から年次が上の先輩が移動してきたのですが、私同様に資本市場のことは詳しくないのに先輩風を吹かすのも嫌でしたね。そんな様々なことが積み重なって外資系に転職しました」

外資に転職して本当に困ったこと

外資系金融機関に転職してからは順調だったのでしょうか。

「いきなり給与がグッと上がってやる気になりました。ところが入社してからがショックの連続でした」

「まず、入社当日に人事部から簡単なオリエンテーションを受けた後、名刺を渡され、自分の席に案内されました。そして自分のスケジュールなどを管理してくれるアシスタントに紹介されました。アシスタントからは、電話はここに使い方が書いてあります、ブルームバーグ端末も今日から使えるようにしてあります、頑張ってください、以上。というような感じです(笑)」

「それからしばらく机を整理しながら静かにしていたのですが、誰も来ない。お昼時まで本当に誰も来ないんです。正直困りきって、上司の部屋に今日から何をすればいいのかと聞きに行きました」

上司は何と言ったのでしょう。

「米国人の上司だったのですが、初めは私の質問にポカーンとしていました。しばらくして、電話や名刺はもうもらったんだろうと聞かれたので『はい』と答えると、じゃあすぐに仕事できるじゃないかと言われました。このとき初めて、えらいところに来てしまったと・・・(笑)」

仕事とは何か

つまり、仕事は自分で考えて創り出せということでしょうか。

「そうなんです(笑)。これは言い訳じみているので笑い飛ばして聞いてほしいのですが、社会人3年目の春にこの状況はかなり厳しかったです。日本の大手金融機関でわずか数年過ごしただけで甘えがあったんですね」

「さんざん悩んだ挙句、自分なりの考えをもとに質問にいくと、外国人の上司や同僚は非常に丁寧に答えてくれました。その時は、外資系といっても優しいし、正直懐が深いなと思いましたね。デキる人は意地悪をしなかったです。逆に日本人の先輩の中にはそうではない人がいたのが残念です。日本で経験した異文化体験ですね」

その後、その職場で仕事を続けられたのでしょうか。

「日系金融機関をやめる前、先ほど触れた先輩に『お前なんか失敗しちまえ』と、笑いながら、でも目は本気だったような気がしますが、言われたのが妙に心に残っていたので頑張りました。そうしたこともあって、その金融機関に10年近く在籍しました」

「外資系金融機関はある程度同じかもしれませんが、転職してきた人でもうまくいかないと大体2、3年で辞めていきます。ビジネススクールを卒業した人も同じです。それを考えると長くいたほうだと思います」

給与はどうだったのでしょうか。

「年齢に関係なく、ポジションで給与が決まります。ポジションが上がるごとに給与は上がっていきました」

すぐに会社を辞めて後悔していることは何か

では、最初に勤めた会社を3年で辞めてしまったことを後悔しているのでしょうか。

「唯一後悔しているのは、同期とのつながりでしょうか。やはり3年で辞めてしまうと同期とのつながりは薄れてしまいます。優秀な同期もたくさんいて刺激的だったので、そこだけは残念です」

「ただ不思議なことに、最近同期が独立したりすることも多いのですが、それに対しては”ようこそ!”という感じです。日本企業に新卒で入社する醍醐味はやはり同期のネットワークではないかと今でも感じています。外資系金融機関は孤独でしたから」

皆でお昼を食べに行くのが嫌だったのではないですか。

「外資系金融機関では、仲のいい同僚と時間が合えばランチをすることはありましたが、普段は皆忙しく、ほとんどそういうシーンがないので、1人でデスクでランチをとることが多かったです。ない物ねだりで本当に恥ずかしいですが、それはそれで寂しいものですよ」

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